社長自ら発案!「宮城県のソウルフード」のエピソードを4コマ漫画シリーズに

県内ほとんどの小学校・中学校でも提供され、宮城県のソウルフードとして親しまれている「山田フレンドヨーグルト」。ある女性からのお話と発売45周年をきっかけに、山田フレンドヨーグルトにまつわるエピソードを募ったところ、集まった数はなんと300件弱。
「集めるだけではもったいない。ぜひ多くの人に伝えたい」と考え、4コマ漫画にしてパッケージに入れることを発案したのは、山田乳業株式会社の山田泰社長。制作にあたってはEC型でさまざまなスキルが出品されているココナラを使うことを決め、クリエイターとのやり取りもご本人自ら進められた、バイタリティあふれる山田社長にお話をお伺いしました。

集まった300件弱のエピソードを4コマ漫画に

本日はよろしくお願いします。まずは事業内容について教えてください
宮城県に本業を置く乳業メーカーで、牛乳を中心にヨーグルト、アイスクリームを製造、販売しています。ヨーグルトの主力商品である「山田フレンドヨーグルト」は現在県内スーパーとインターネットでの販売のみですが、加えてほぼ全ての県内小学校、中学校の学校給食でも提供されています。
今回はココナラで4コマ漫画の制作を依頼されましたが、きっかけについて教えてください
私がある女性から伺ったお話がきっかけです。その方の娘さんは結婚を機に千葉県に移り住んでいたのですが、妊娠後、つわりにとても苦しんでいたのです。そんな時に娘さんから連絡があり、「食欲がない。どうしても山田フレンドヨーグルトが食べたい」とお願いされ、地元のスーパーで購入し送ったところ「山田フレンドヨーグルトは、私のソウルフードだ!」と言って喜んでくれたというお話でした。
この話をきっかけにして、「ソウルフード大作戦」と呼び企画を展開するようになりました。
お恥ずかしながら、これまでは積極的に消費者の声を聞くような機会があまりなかったのですが、このお話を伺ってとてもうれしく感じたとともに、長年販売している山田フレンドヨーグルトだからこそ、もっとたくさんのお話が聞けるのではないかと考えたのです。そこで、エピソード募集キャンペーンを行ったところ、300件弱が集まりました。中には「震災の際、避難所で癒された」「帰郷した際に購入し、東京で同郷出身者と盛り上がった」などとてもありがたいエピソードがあり、これをもっと多くの方に伝えたいと思い、4コマ漫画にしてパッケージに入れることにしました。
すばらしいエピソードですね!なぜ4コマ漫画にしようと考えられたのですか?
やはり文章よりもわかりやすいですし、最近漫画はどんどん人気になっていて、CMなどもアニメが多くなってきているじゃないですか。加えて、ヨーグルトのパッケージスペースでしっかり表現できるとなれば、4コマ漫画が最適ではないかと考えたのです。
ただ、「4コマ漫画にしよう」とはなったのですが、そもそも周りに描ける人がいませんでした。そこで、ココナラをはじめとしたクラウドソーシングのサービス自体は知っていたので、これをきっかけに一度チャレンジしてみようと考えたのです。色々なサービスを見る中で、ECのようにさまざまなスキルが出品されており、利用イメージが湧きやすかったココナラを選びました。その時はお願いしたいことに対応できる方を募る「ココナラ募集」を活用したのですが、30件以上と多くの方から提案をいただくことができました。
多くの提案の中からお一人に絞るのは難しかったのではないでしょうか……?
とても難しかったですね。私もプロではないので判断基準に迷いましたが、今回のエピソードを踏まえ、絵のタッチがイメージになるべく近い方を探しました。加えて、修正依頼対応を無制限にしている人を優先しました。なにぶん初めての取り組みだったので、どのような形になるのか心配だったので……。
継続して同じクリエイターに依頼を続け、クオリティと効率もアップ

確かにデザインのディレクションは初めての経験となると、ご心配な気持ちも分かります。
実際やり取りしてみていかがでしたか?
やはり最初は大変でしたね(笑)。今回は4コマ漫画といっても笑いをとるようなものではありませんが、4コマでエピソードを起承転結にまとめるというのは思った以上に難しい作業だと感じました。
実は今回選んだ方も本業は漫画家ではなく、イラストレーターさんだったんです。つたない形ではありましたが、自分なりに意図や要点をまとめ、お互いに意見を出し合いながら徐々に形にしていき、一つめの漫画ができあがりました。
仕上がりはいかがでしたか?
イメージにぴったりの画風と4コマ漫画らしく起承転結のストーリーとなり、とても満足しています。実はその後も同じ方に依頼を続け、完成した4コマ漫画は18作に上ります。最初は本当に苦労しましたが、依頼した方の勘所もどんどん良くなり、今では早いと数日で仕上げてくれるようになりました。同じ方にお願いし続けることでコミュニケーションも円滑になり、クオリティも上がっていく過程はとても楽しかったですね。
4コマ漫画の反響は大きく、販路の拡大も検討

実際に、パッケージに入れて販売された後の反響はいかがでしたか?
反響はとても大きかったです。学校給食で提供されていることもあり、県内では多くの人が食べたことのある商品ですが、「久しぶりに食べたくなった!」「山田フレンドヨーグルトは宮城のソウルフード」といったような声もいただき、改めて多くの方に思い出してもらえるきっかけになったと感じています。エピソードはまだまだ豊富にあるので、これからも新しい漫画を作っていきたいと考えています。
ちなみに、実は地元のテレビ局でも取り上げてもらったんです。取材で地元出身の芸人さんが来てくれ、番組収録の最初に決めたテーマを元に1人1コマずつ書き繋ぐ方法で4コマ漫画を作成してパッケージに印刷したのですが、とても喜んでもらえました。
このヨーグルト、インターネットでは買えるとのことですが、スーパーなどで買えるのはいまだに県内のみなのでしょうか?
実は今回のキャンペーンで寄せられた中に、ほかの地域に引っ越した方からの「家の近くで買えなくて残念」というエピソードがけっこう多かったんです。お客さまのことを考えるともう少し販路を広げるべきではと考え、去年から今年にかけて福島県や山形県のスーパーでも少しずつ置くようにしました。
また、当社の別商品である「フロム蔵王ヨーグルト」はすでに全国で販売しているのですが、取り扱っていただいているスーパーさんからお話をいただき、期間限定で山田フレンドヨーグルトを置いたところ、その直後に東京の方からエピソードが何件か寄せられたんです。「初めて見たがレトロで懐かしい雰囲気のパッケージがすごくかわいかった」「おいしかったので、定番で置いてほしい」といった声をいただけたので、販路の拡大については今後も検討していきたいと思います。
ありがとうございます。ところで、山田社長はココナラでほかに使いたいスキルなどはありますか?
会社の話でなくても良いですか?(笑)。実は趣味で地元の宮城県・白石市の歴史を伝えたいと考え、2年半ほど前から歴史小説のあらすじを考えていたのですが、それ以上自分ではなかなか形にできなかったんです。そんな時に地元の専門学校の先生に出会い、学校の卒業生に協力してもらってライトノベル化し、さらに登場人物のイラストやボイスドラマを作ってもらいました。
こちらは地元の新聞やラジオにも取り上げてもらったのですが、あまり反響がなかったんです。そこで、山田フレンドヨーグルトと同じように漫画化しアニメ動画を制作したいなと思ったのですが、専門学校の方もそこまでの対応は難しいとなってしまったので、またココナラで募集しました。この時も10人以上応募してくれ、念願の動画にしていただき、Youtubeに掲載することができました。
神石白獅子伝では、ココナラを通じて動画編集やキャラクター、イラスト製作を2名の方に依頼をしています。 先日は、インフルエンサーの方に「白獅子伝」の紹介を依頼して、1万以上のインプレッションを達成することができました。まだまだ夢は広がりますね(笑)。
山田乳業株式会社
設立 :1884年
事業内容 : 乳処理業、乳製品製造業、乳酸菌飲料製造業、アイスクリーム製造業など
公式サイト: https://from-zao.com
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