その出会いは必然? ~セレンディピティを感じる時~

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コラム
先日、ある集いでコロナ禍前の自分とコロナ禍の中の自分とコロナ後の自分について振り返りをする機会がありました。それぞれの時期の自分がどうだったのか、仕事やプライベート、ODの取り組み(OD=組織開発/Organizational Development、たまたまOD系の集まりだったので、そういうテーマ性がありました。)について、少し大きめの紙に自由に書いてゆきました。

書いたものを眺めると、コロナ禍前に熱心に取り組んでいたことや準備していたことが、思いがけずコロナ禍の真っただ中で役立って、人との関係性を失わずに済んだり、新たな人や物事との出会いを生んだりしていることに気づきました。また、コロナ禍なりに色々と自分で機会を捉えて動いていたことがコロナ禍後に実を結びつつあることにも気づきました。

「今ここ」の状態にある時は、そのようなつながりに大して意識を向けることもなく突っ走っていっている私ですが、あらためて振り返ってみると様々なこととの出会いは必然だったのか!?とも思い、セレンディピティ(偶然の幸運に出会う能力、と訳されたりする、古くからの造語)を感じます。何かの出来事の後で結果的に感じるのかというとそれだけでもなく、セレンディピティ的なことを感じる経験を繰り返していると、出来事が起こる前にうすうすそういうことになるような・・・、でも確実とは言えないけど・・・そっちに進んでいる気がする、といった感覚が生まれてくるのです。

経験上少なくとも言えることは、自分から何もしていなければ何も起こらない、ということは確実であるようです。棚ぼたのような出来事も、それをキャッチできる器を自分で持っていなければ棚から床に落ちてハイおしまい、です。例えば、私は今3種類の名刺を持っていますが、もしその名刺の準備(名刺そのものということでなく、自分が出来ることの準備のことです)をしていなければ、向こうからやってきた機会をものにすることができなかった、という経験がありました。(守秘義務もあるので、詳しく書けなくてすいません。)

場をつくっておく、ということも良い出会いに恵まれることにつながっているようです。私の場合は地理的物理的な意味において住まいをコロナ禍前にたまたま整えていたことがコロナ禍でのオンラインでの出会いや学びを十二分に支えてくれましたし、また、コロナ禍においても可能な限り人と会える場(完全オープンエアあるいは完全クローズドの場)に身を置くこと、あるいは場をつくることで新たな関係性を築くきっかけを捉えることに繋がったという実感があります。

以前のnoteにも書きましたが、私は「学び続ける」という選択をしているので、行動のベースはそこにあります。学ぶという行為自体がこれまでの経験上セレンディピティではなかろうか、と、うすうす思っているところが私にはあり、学んでいるうちに人間関係とか、仕事のオファーとか、家族との関係にまで何か好循環を生むという淡い期待・・・どころか信念に近いものを持っています。みなさんも、セレンディピティに思い当たるような行動を実はとっていたりしませんか?

心理学者のジョン・クランボルツ博士はキャリア開発研究において「計画的偶発性理論(プランド・ハップンスタンス・セオリー)」を提唱したことで有名です。その行動原則を「好奇心」「持続力」「楽観性」「チャレンジ」「柔軟性」としています。そして、セレンディピティとも関係がありそうに思えるのが、クランボルツ博士の著書「Luck is No Accident」のラップアップの部分です。以下に引用します。

・将来何になるか決める必要はない
・想定外の出来事があなたのキャリアに影響を及ぼすことは避けられない
・現実は、あなたが考える以上の選択肢を提供しているかもしれない
・いろいろな活動に参加して、好きなこと・嫌いなことを発見する
・間違いを犯し、失敗を経験しよう
・想定外の幸運な出来事をつくりだそう
・どんな経験も学びへの道
・仕事以外でも満足感を得られる活動に携わる
・内面的な障害を克服するために、新しい考え方や経験にオープンであり続ける
-あなたのキャリアが「もつれた毛糸の玉」のようであっても、それでよいのです。常に学び、挑戦し、好奇心を持ち続けてください。
(クランボルツ、レヴィン著 その幸運は偶然ではないんです!p221-p224)

とても前向きかつ楽観的な姿勢に気持ちがホッとしますよね。同時に、幸運が自分に起こることを信じて行動する強い意志があるなあ、と励まされます。

いきなりそうなれと言われても・・・、という方もいるでしょう。そのような場合、いつか自身に「転機」が訪れた時に勇気を持って行動を変えられるように心づもりだけはしておく、でも十分だと思います。人には人それぞれにタイミングというものがあると思いますから。その来るべき機会が必然であるように備えておくことは意味があると思いませんか?

今回はセレンディピティについてお話しました。私は2023年9月からライフキャリアデザインカウンセラーを名乗り、個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いをしようと決意し、今の会社での仕事を続けながら複業をすることにしました。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげようと考えています。

私は来談者の方に今回お話ししたような支援でお役に立つことを使命とするライフキャリアデザインカウンセラーでありたいと思っています。ご関心を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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