過去(トラウマ)との対峙の仕方 その2「ジャニー喜多川」

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去年の暮れは、ジャニー喜多川氏の性加害で、大騒ぎであったが、DVを受けて育った私にとっても、他人事とは思えなかった。

服部氏とそのご友人が、70歳を過ぎて、子供の頃の事を、カミングアウトした事には、驚きとともに、共感もした。

「そうなんだよな…。そう、フラッシュバックは、一生、死ぬまで、無くならない…。」

若い方達が、カミングアウトした事も気の毒ではあった。

しかし、若い彼らだけでは、欧米の性犯罪に「時効が無い」理由は、世間は理解できなかっただろうし、現在の法改正の動きにもつながらなかっただろう。

服部氏のように高齢の方がカミングアウトした事に、大きな意義がある。

まず、被害者は、自分がされた事が犯罪だと気づくまでに時間がかかる。
親や親類等、近しい人からの犯罪だと尚更だ。
そして、また、それをカミングアウトして告発するのには、とてつもない勇気が必要だし、時間もかかる。
周囲の理解も必要だ。

日本では、慰謝料の額にもスポットが当たっている。
確か、現行法だと、100万円単位だったと思うが、欧米の場合は、桁が2桁違う。
理由は、被害者は、フラッシュバックが酷い場合は、うつを発症したり、廃人同然になり、社会復帰できないという理由に他ならない。

この点も、日本ではおざなりにされてきたという事である。

こういった事が、服部氏がカミングアウトして、問題提起され、見直しされ、社会で認知されたのは良い事だ。

しかし、どれだけ、慰謝料が上乗せされ、社会的な認知が進み、犯人に重罰を課しても、元に戻らない事がある。

服部氏の記憶

「フラッシュバック」

である。

もちろん、各種セラピー、心理療法、催眠、御経、祝詞、宗教の各種の術、等々である程度は軽くはなるだろう。

しかし、トラウマ、記憶を消す事はできない。

多分、服部氏は、死ぬ迄、折りに触れ、その「フラッシュバック」に悩まされる事になる。
私が共感したのはこの部分である。

私のDVの記憶も、ずっと一生消える事はない。
そういった意味では、どのような種類のトラウマであれ、「消えない」と言って良いだろう。

戦場からの帰還兵
親、配偶者からのDVの被害者
性被害
いじめ
パワハラ
モラハラ
災害被災者
etc
あげたら、キリがない…。

暴力でなくても、例えば子供の頃に、大事にしていた物を眼の前で壊された、捨てられた等も、フラッシュバックになる。
確か、これが原因で長期の引きこもりになり、あげく暴れるようになり、手を付けられなくなって、親が子供を殺してしまったという事件もあった。

痛ましい事件である。

フラッシュバックの軽重を問わなければ、誰しもある程度の消えないトラウマはあるだろう。

さて、では、この消えないトラウマと、我々は、どう付き合えば良いのだろう?


                              (つづく)


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