カオナシ ▶ 自分を持たないよそ者
今日のお話は、カオナシ編◎
カオナシも、フロイトさんでいう【イド】に当てはまります
(※本能、欲望の塊で、衝動性が強い)
☟前回の記事、まだ読んでないよって方はこちらへ(^^♪
カオナシは、どこからともなく現れ、千尋の親切心から油屋へ招き入れてしまいます。
自分の声を持たず、無表情の仮面を被り、全身黒で、影のような存在感が感じられない風貌をしています
ここでの設定は、自分を持っていない象徴
自分を持っていない故に、優しくしてくれた千尋に惹かれていき追いかけます
それはどうしてでしょうか?
自分がない故に何かに縋りたいんですね
これは、子どもが母と一体化したいという欲求でもあります。
また、自分がない故に、他者の欲望を汲み取ることばかりに意識が向き・・・
このカオナシは、他者の欲望を幻想の形で生み出すことができます
その反面、他者との溝を埋められない違和感がつきまといます。
これは、愛されたことがないために、相手が真に求めているものがわからないんですね
自分がない故に際限なく行ってしまい、限界が来て爆発してしまう
なんで、こんなにもしてるのに言うこと聞いてくれないの!?
と、怒りや憎しみとなり、見返りを求めてしまうんですね
物語の中では、銭婆(湯婆婆の双子の妹)を訪ねる、千尋を追いかけていっしょに旅に出かけます。
銭婆は、この物語では母性の象徴とも言えます。
カオナシは、銭婆に温かく迎え入れてもらい、あたたかな居場所を感じられます。
銭婆との関わりの中で、心が満たされ、本来の姿を取り戻していきます。
豊かな母性を通して、人は本来の姿、誰か1人を独占したいという二者関係ではなく、三者関係を築く心を育むことができるようになってくるのです
そして、この物語の中では、銭婆からここに残って欲しいと言われ、残る選択をするんですね。
ちなみに、私は過去、完全にカオナシだったなと思います(笑)
みなさんは、いかがですか?