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今回は、『5Sカイゼン活動が続かない理由と対策』について、分かりやすく解説していきます。
このブログの内容を読んで終わりではなく、職場メンバー全員を巻き込んで小さな事からカイゼンしていきましょう。
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【続かない理由:その1】5Sカイゼン活動を社員へのしつけとして取り組んでいる
やりっぱなし、出しっぱなしの仕事の仕方を直して、整然とした職場の中できっちりと仕事をこなす社員になってほしい。
こんな思いを多くの経営者・管理監督者は抱いています。
整理整頓が習慣化されると社員も職場も毎日気持ち良く仕事ができるようになり、安全性・品質・生産性が向上することは間違いありません。
社員への「しつけ」としてモノを整理・整頓し、片付ける習慣を定着させたいという思いから5Sカイゼン活動を経営者・管理監督者の号令一つで取り組んでいる会社は少なくありません。
禅のように型から入り精神を鍛えていくというアプローチで5Sを取り入れる方法も間違いではありませんが、師家のようなゆるぎない教えと厳しい躾を続ける人が社内にいなければ、整理・整頓が徹底されず習慣化されません。
ハッキリ言って続かないのです。
また、今のご時世ではきつい言い方をすると、パワハラと言われ、部下を指導することもやりにくい環境にもなってきています。
命令と厳しい指導だけで5Sを徹底させることは難しい状況です。
今までの5S展開のアプローチが通用しにくい環境となってきているにも関わらず旧態依然の方法で5Sを進めていることがイマイチの原因となっているのではないでしょうか。
見直してみてください。
【続かない理由:その2】5Sカイゼン活動をすることが目的化している
5Sカイゼン活動を社員へのしつけとして取り組んでいる会社は、5Sカイゼン活動することそのものが目的となっています。
しつけという位置づけでなく5Sカイゼン活動を取り組んでいる会社でも「5Sをすると職場がきれいになる。気持ちよくなる。」といった漠然とした目的で取り組んでいる会社は、社員からは5Sカイゼン活動すること自体が目的となっていると思われます。
行動や行為が目的としている活動では、社員からは「なぜやるの?」「どんな効果があるの?」という疑問が湧いてきます。
その疑問に答えられず、「5Sをすると職場がきれいになる。気持ちよくなる。」といった漠然とした目的や「書類や部品がすぐに取り出せるようになる」といった効果の小さい目的を示されても、忙しい中、今の仕事を一旦止めてまで5Sカイゼン活動をしなければならないことへの納得は得られません。
やはり、5Sカイゼン活動を実行する先に見える最終ゴールを職場メンバー全員で共有し、ゴールまでコーチングにより引っ張っていく力が必要になってきます。
私はこの5Sカイゼン活動を自職場で始める時に自分自身が「なぜやるの?」「どんな効果があるの?」の本質部分について、理解・納得できるレベルまで勉強し、自分が1時間半以上も講義出来る程習得しました。
【続かない理由:その3】5Sの目的・効果を納得できる説明ができる人がいない
5Sカイゼン活動の目的と効果を社員が納得できるように説明できる人がいないことが続かない原因の一つです。
不要なモノがあふれていた職場が整理整頓により、不要なモノが片付けられてすっきりするところまでは、5S活動への賛同は得られます。
不要なモノがなくなってから、さらに5S活動を進めるときには、5S活動の目的と効果を示さなければ、5S活動への賛同は得られなくなります。
私も若いころ上司に5Sをしなさいと言われた時、「なぜやるの?」「どんな効果があるの?」と質問しましたが、納得できる答えはもらえませんでした。
5S活動の目的と効果について納得できる説明ができ、活動するメンバーが理解納得出来なければ、5Sカイゼン活動は活性化しないどころか、5S嫌いを大量生産してしまうリスクさえあります。
5Sの目的の説明は難しいです。
効果に至ってはプロでもしっかりと説明できる人は少ないです。
私は、ハッキリと説明できますので、下記を参照ください。
〈5S活動で期待できる効果と取り組み〉
納得を得られる説明ができないから、5Sをやれと押し切ってしまう人も少なくありません。
「なぜ?」という部分があやふやな状態で5Sカイゼン活動を進めると、最終ゴール地点が見えなくなり、空中分解を起こしてしまいます。
【続かない理由:その4】片付けと言いながら整然と並び替える「整列」に終始している
5Sカイゼン活動の目的・効果が示すことができず、整理・整頓することを求められる活動では、不要なモノが片付けられて、整然とモノが並んでいる状態になっていることが良いとされてしまいます。
その状態が整理・整頓をした証に他ならないからです。
不要なモノがなくなり、整然と並んでいることでどのような効果があるでしょうか。
すっきりと気持ちの良い職場になったかもしれませんが、安全性や仕事の品質や生産性が向上につながるとは言えません。
5Sの本当の効果は、片付けることではなく、最初から散らからず片付ける行為自体が必要ないように不要な物を取り除くことで生まれます。
最初から散らからないということは、不要なモノを生み出さない仕事の仕方ができているということです。
片付け続ける職場では、不要なモノを生み出す仕事の仕方そのものは何も改善されていません。
不要なモノを生み出す仕事の仕方は、当然、その分、探すムダな時間が発生するので、生産性は落ちます。
出来上がってからしか必要と不要の区別のできない仕事の仕方は、出来上がらないと良・不良の区別ができない仕事の仕方でもあります。
当然、不良を生み出し続けることで手戻りや不良品を生産する時間のムダが発生し続けることがあります。
片付けと整然と並べる「整列」しかしない5Sカイゼン活動は、どれだけ続けても効果は出てきません。
先ずは、いま使わなければ「不要」と判断して捨てることを進めましょう。
効果が出なければ、5S活動を続けることに疑いを持つ様になり、形ばかりの5S活動となり、それがさらに効果を生まない5Sカイゼン活動となる負のスパイラルに陥っていくのです。
【対策:その1】自職場の5Sのレベルを客観的に診断する
自分たちの職場の5S活動のレベルを診断してみましょう。
整理整頓といった5Sの「形」がどのくらいできているかチェックシートなどを使って評価します。
ルールを守っているか評価する上で「形」の評価は有効な方法です。
5Sのレベル診断では「形」の評価とともに「質」の評価もしましょう。
「質」の評価とは、5Sによってどのくらい仕事が良くなったか、効果があったかを評価することです。
診断によって、5S活動の問題点を洗い出し、改善を繰り返すことで、5S活動のレベルを高め、イマイチな活動から脱却しましょう。
【対策:その2】職場メンバー全員でどの様な職場にしたいかを考える
5Sカイゼン活動を進めていく上でゴールが見えていないと空中分解を起こすので、職場メンバー全員を巻き込んでたくさんの意見や提案を出してもらい、優先順位を付けて活動を推進していきましょう。
また、経営者や管理監督者が決めたルールや号令であれば、自分達で決めたルールや目標であれば、守る意識も芽生えます。
自分たちの職場は自分たちで変えていくという信念がないと長続きしないので、みんなで意識を高めて5Sカイゼン活動を推進しましょう。
【対策:その3】5Sカイゼン活動を他人任せではなく、率先垂範
経営者・管理監督者、5Sカイゼン活動リーダーは号令をかけただけでは、最初はするかもしれませんが、絶対に長続きはしません。
部下や職場のメンバーは何も言いませんが、経営者・管理監督者、5Sカイゼン活動リーダーの行動を見ています。
あなたの行動を見られているのであれば、率先垂範で5Sカイゼン活動の手本を見せないといくら号令ばかりかけた所で、動いてくれません。
他人が見ていても、見ていなくても率先垂範の行動を積み重ねることで、自分自身の行動が習慣化されて、当たり前の様に5Sカイゼン活動が進む様になります。
【まとめ】
5Sカイゼン活動の本質を職場メンバー全員が理解し、それぞれが率先垂範で行動していくことが、重要です。
5Sカイゼン活動を始める前にしっかりと計画を立ててゴール地点を明確化し、勉強会で5Sカイゼン活動の必要性をしっかりと理解してから5Sカイゼン活動を始めていきましょう。
ただ、全体的にハッキリ言えるのが小さなことでも始めなければ何も変わらないので、小さなことからで良いので、小さな積み重ねを意識しましょう。
5Sカイゼン活動に関する悩み相談を受け付けていますので、下記から申し込みください。
あなたの職場がカイゼンされていくことを心待ちにしております。