子供の心を育むことを阻害する日本の教育

記事
学び
昨日も書きましたが、学校の先生の一日は

朝7:40出勤
8:10~登校指導
8:30~朝の職員会議
8:40~教室でホームルーム
8:50~12:40 50分刻み×4時間授業
昼休み
13:25~15:15 50分刻み×2時間授業
15:15~15:35 清掃活動
15:35~15:40 帰りのホームルーム
15:40~部活動
(ちなみに勤務時間は8:30~17:00)

1日6時間授業のうち、授業は一日数時間でも、
実質空き時間なんてない!という話を昨日書かせていただきました。

あれ?

それじゃぁ、

毎日数時間こなしている「授業」。
その準備は、どうするの?

…結論から言うと、基本的には「勤務時間内にはない」と考えた方が良いです。

やっと自由時間になった夜か、早朝か、劇的ラッキーで残った空きコマにやるしかないのです。

つまり。
朝か夜かの残業ありきで学校は回っている。
もう、この状態はシステムが崩壊していると言う以外なんと言えば良いのでしょうか。

でも。
先生たちは、「子供のため」と言って残業して、教材研究をし、授業するのです。



しかし問題はそれだけではありません。 

むしろここからが、本題です。


時間の無い中授業することにも慣れてきて、生徒の反応やクラスの特徴も理解し、教材研究にもさほど時間がかからなくなった、としましょう。

学校が抱える仕事はそれだけでは無いのですよ。

各学校は今、特色を出すべく、様々な企業と連携したり、大学と連携したり、海外とコネクションをもって英語教育に力を入れたり、そうした「独自性」を求められてしまっているのです。

加えて、指導要領改定だとか、プログラミング必修だとか、年々積み重なる教員の新しい負担。

授業、担任、部活、学校行事、そこに加わるさらなる負担。

そうなったとき「自分が力を入れるのはこれだ。他は適当にしよう」と、仕事内容に優劣を勝手につけだす教員が出るのは至極当然のこと。

だってぜんぶやったら、死ぬから。

その結果、「適当」にされがちなのは何だと思いますか?
情操教育ですよ。間違いなく。

情操教育とは、かいつまんで言うと、思春期×反抗期を生きる子供の心を育むことです。
魂と魂でぶつかる、人間同士のぶつかり合い、コミュニケーションでお互いが成長し感動し合う場面のことです。

でも、「子供の心や考えてることは誰しも人それぞれ」であるが故に、強みにできる先生が少ないし、
心や道徳心、価値観にマニュアルなど存在しないから、皆なにが正しいかなんて分からない。

だからそれを優先順一位に置ける人が少ないのです。
つまり。

子供の「心」を育むことを蔑ろにする「しかない」システムなんです。
いまの学校現場は。

不登校、いじめ、HSP、発達障害、そこまで名前がつかなくとも思春期と反抗期のダブルパンチな年代に悩みや不安、心配がないわけが無い。

そこに学校の先生がしっかり向き合えないような体制が、今の学校現場なんです。

これが、真実です。中高の現場に10年いた私だからこそ言える、真実です。

「え?なんで?
子供のことが好きで先生になったはずなのに、
どうして子供の心を蔑ろにするの?
それを優先準位一位にしないの?」

と思うでしょう。

私は、「そうすべき」と思えますよ。
でも。
例えば。

中高一貫の強みを活かして高校と連携して部活を行うことになり、高校の先生と日々連絡を取り合いながら、自身の中学の部活も強豪のまま保っている人間が、他人の子供の思春期に付き合いたいと思いますか?

企業やら大学やらよく分からん外部との連携で総合的な授業をすることになり、それを教育委員会も見に来るとなった人間が、他人の子供の反抗期に優しく出来ますか?

もちろんそれ以外の授業担任会議等の「当然の業務」もこなしながら。

こうした、「大切な子供の思春期、反抗期」に付き合う教員の「大切な余裕」を、現在の学校のシステムは奪っているのです。

教育って誰のためなんだろう。
教育って誰が行うんだろう。
教育って何が大切なんだろう。

今の日本の答えは、すべて、私が、国民が望むものではない。

だから私は教員を辞めました。
子供の情操教育こそ、子供の時に築かなければもはや間に合わないものだからです。

子供とのコミュニケーションこそ、心と心のぶつかり合いこそ、避けてはいけない道なのに、避けさせる方向へ日本教育は向かう。
我慢できなくなったのです。

心がしっかりしていない人間に、プログラミングだ英語だと教えて、何が生まれるの?

基礎がしっかりできていない場所に、派手な高層マンションを建てて、満足しようと必死なの?

それが日本教育なの?

私は非道く哀しいのです。
だからカウンセラーとして、日本を変えたいのです。

こちらから学校へ赴き、道徳教育や講演会をしながら顔を売って、子供が相談しやすい環境を作りながら、スクールカウンセラーとしても活躍する。
私は、日本の情操教育を変えたいのです。

日本の教育を、変えたいのです。
心から。

お読みいただき、ありがとうございました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す