「感動のパン」

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【感動の味】



6歳の時
朝ごはんが白米とみそ汁と
目玉焼きや焼き魚などで
完全に和食だった。


ある日母親がママ友と
喫茶店に雑談しに行くと言うので
俺と弟のヨッチもついて行き
パフェを食べさせてもらった。


すると母親は
珈琲とバターロールのセットを頼み
その焼かれたバターロールから
猛烈に良い臭いがしてくる!


なので母親に食べさせてと頼むと
バターロールにバターを塗って
それをもらって食べてみたら
ものすごく美味しくて感動した!


その味は
パンの味とバターの味が混ざり
1口食べるとエデンの園が広がり
この世の全てを凌駕する味だった。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°


美味しさに猛烈に感動した俺を
ヨッチも見て欲しがったので
母親がまたバターを塗ってわたすと
ヨッチも1口食べて美味しがってる!


この味に感動した我々は
「明日から朝ご飯をこのパンにして」
そう言って母親に頼むと
何とか了承してくれた。
(´∀`*)ウフフ

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【裏切りの食パン】



そして翌日の朝
あの美味しいバタロールを
食べられと思いワクワクしながら
朝食が出来るのを待った。


しばらくすると良い臭いがしてきて
「とうとうあのバターロールが
目の前に来る」と楽しみにしてたら
来たのがなんと!食パンだった!
(;゚Д゚)


なので母親に文句を言うと
「バターロール高かったから
今度特売の時買ってくるね」と言い
完全に裏切られた気分。


そして母親が
「同じパンなんだから一緒でしょ」
そう言ってごまかそうとしてたけど
「全然違うよ!」と言い返した。


でも納得してくれず
仕方ないので焼かれたパンに
マーガリンを塗って食べる事にし
とても機嫌が悪くなってしまった。


そして数日後やっと
バターロールを10個出ししてくれて
もうそれが嬉しくてヨッチと一緒に
10個全部食べきってしまう!


しかしまだ食べ足りない俺は
母親に「もっと焼いて」と頼むと
「あんた美味しいと死ぬまで
食べるからダメ!」と断られた。
(ノД`)・゜・。

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【朝食係】



その後の我が家の朝食は
俺とヨッチがパンと牛乳で
母親と父親がご飯とみそ汁の
2種類になってしまった。


父親と母親は
パンだとお腹いっぱいにならず
ご飯を食べないと持たないらしく
パンを食べる事を嫌がってた。
(´・д・`)ヤダ


しかし俺とヨッチは
パンでもお昼まで足りるので
しかもパンの方が美味しくて
絶対パン派になってしまう。


そんなある日母親が
俺の背が届く位置にオーブンを置き
「パンって焼くだけだから
自分で焼いて食べて」と言ってきた


どうやら母親は
2種類の食事を作るのが面倒になり
パンを焼く役目を俺に押し付けて
楽をしようとしてると思った。


なので仕方なく俺は
毎日食パンを焼く係になり
でも自分とヨッチが食べたい分を
好きなだけ焼ける事が良い。


たまにバターロールがある日は
俺とヨッチの分合わせて15個位焼き
俺が10個食べてヨッチが5個食べて
2人でご満悦になってた。


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