2026年8月、業務を自動化する仕事を個人で始めて2週目に、80万円の商談を失いました。原因は価格でも提案の中身でもなく、順序でした。何が起きたかをそのまま書きます。
■ 経緯
知人から、その人の勤め先を紹介してもらいました。入口は「完全無料で30分ヒアリングして、小さなサンプルを1つ作ります」という約束です。実績ゼロの個人なので、まず実物を見せて信用を作る狙いでした。
ヒアリングのあと、先方から要件定義書が届きました。開くと、サンプル1つで済む規模ではなく、データ可視化を含むフル開発案件でした。私はそれを見て「これは仕事になる」と思い、提案書と見積もり(3契約・合計80万円)を作って送りました。
返ってきたのはこの言葉です。
「担当者から、営業事例として無償でやると提案を受けたと聞いていた」
「ちゃんと向き合っていただけるのであれば正式に発注していた」
見送りになりました。
■ 何が悪かったのか
先方の立場で見ると、こうなります。無料と聞いていた。要件を渡した。見積もりが来た。つまり「釣り」です。私にそのつもりはなくても、相手の体験としては釣りと区別がつきません。
抜けていたのは1通のメッセージです。要件定義書を受け取った時点で、「いただいた内容は無償の範囲を超えるので、ここからは仕事としてお受けする形になります。その前提で進めてよいですか」と聞くこと。これを飛ばして見積もりを送ったのが、失注の直接原因でした。
金額を下げても、提案書を磨いても解決しません。順序の問題だからです。
■ もう1つ、体裁の話
同じやり取りで、こうも言われました。
「AIで生成した資料は見直した方がよい。#や*は生成AIで作った感が伝わる」
提案書を Markdown 形式のまま送っていました。私の環境では整って見えていた見出し記号が、先方の環境ではそのまま表示されていた。中身が同じでも、体裁は「どれだけ手を掛けたか」の代理指標として読まれます。PDF にするのは30秒の作業です。それを惜しんだのではなく、気づいていなかった。
■ この件で決めたルール
1. 無償で始めた相手に有償の話を出すときは、見積もりの前に「ここから有償です」の合意を1通で取る。合意が返ってきてから見積もりを作る
2. 顧客に渡す文書は PDF か整形した HTML だけ。Markdown は社内用
3. 無料の範囲は最初に書面で示す。「ここまで無料、ここから有料」が最初から見えていれば、相手は途中で裏切られた感覚を持たない
失注額80万円は痛いですが、開業2週目でこれを学べたのは安かったと思っています。同じ構造は、無料相談から始める仕事すべてにあります。士業、コンサル、制作、コーチング。「まず無料で」と言った瞬間に、有償への切り替えポイントを設計していないと、同じことが起きます。
有料部分には、その後に実際に使っている「有償切替の合意文」と「無料/有料の線引き資料」の作り方を、文面そのままで載せています。
2026年8月、業務を自動化する仕事を個人で始めて2週目に、80万円の商談を失いました。原因は価格でも提案の中身でもなく、順序でした。何が起きたかをそのまま書きます。
■ 経緯
知人から、その人の勤め先を紹介してもらいました。入口は「完全無料で30分ヒアリングして、小さなサンプルを1つ作ります」という約束です。実績ゼロの個人なので、まず実物を見せて信用を作る狙いでした。
ヒアリングのあと、先方から要件定義書が届きました。開くと、サンプル1つで済む規模ではなく、データ可視化を含むフル開発案件でした。私はそれを見て「これは仕事になる」と思い、提案書と見積もり(3契約・合計80万円)を作って送りました。
返ってきたのはこの言葉です。
「担当者から、営業事例として無償でやると提案を受けたと聞いていた」
「ちゃんと向き合っていただけるのであれば正式に発注していた」
見送りになりました。
■ 何が悪かったのか
先方の立場で見ると、こうなります。無料と聞いていた。要件を渡した。見積もりが来た。つまり「釣り」です。私にそのつもりはなくても、相手の体験としては釣りと区別がつきません。
抜けていたのは1通のメッセージです。要件定義書を受け取った時点で、「いただいた内容は無償の範囲を超えるので、ここからは仕事としてお受けする形になります。その前提で進めてよいですか」と聞くこと。これを飛ばして見積もりを送ったのが、失注の直接原因でした。
金額を下げても、提案書を磨いても解決しません。順序の問題だからです。
■ もう1つ、体裁の話
同じやり取りで、こうも言われました。
「AIで生成した資料は見直した方がよい。#や*は生成AIで作った感が伝わる」
提案書を Markdown 形式のまま送っていました。私の環境では整って見えていた見出し記号が、先方の環境ではそのまま表示されていた。中身が同じでも、体裁は「どれだけ手を掛けたか」の代理指標として読まれます。PDF にするのは30秒の作業です。それを惜しんだのではなく、気づいていなかった。
■ この件で決めたルール
1. 無償で始めた相手に有償の話を出すときは、見積もりの前に「ここから有償です」の合意を1通で取る。合意が返ってきてから見積もりを作る
2. 顧客に渡す文書は PDF か整形した HTML だけ。Markdown は社内用
3. 無料の範囲は最初に書面で示す。「ここまで無料、ここから有料」が最初から見えていれば、相手は途中で裏切られた感覚を持たない
失注額80万円は痛いですが、開業2週目でこれを学べたのは安かったと思っています。同じ構造は、無料相談から始める仕事すべてにあります。士業、コンサル、制作、コーチング。「まず無料で」と言った瞬間に、有償への切り替えポイントを設計していないと、同じことが起きます。
有料部分には、その後に実際に使っている「有償切替の合意文」と「無料/有料の線引き資料」の作り方を、文面そのままで載せています。