デザイナー歴25年で学んだ、修正を減らす進め方
「もう少しこう、いい感じに」が
何度も続くつらさ
「全体的にもう少し明るい感じで」
「やっぱり最初の案のほうがよかったかも」
「社長に見せたら、ちょっと違うと言われまして」
クライアントワークをしているデザイナーなら、
きっと覚えがある言葉ではないでしょうか。
修正が1回、2回で終わればいいのですが、3回、4回と続くと、
だんだん何を目指しているのか分からなくなります。
最初に考えたコンセプトは跡形もなくなり、
つぎはぎのようなデザインが残る。
しかも作業時間は予定よりふくらんでいるのに、
金額は最初の見積もりのまま。
「自分の実力が足りないのかな」
「もっと最初からいいものを出せていれば」
そうやって自分を責めてしまう人も多いのではないでしょうか。
体験談:
僕もグラフィックデザイナーとして25年働いてきて、
修正が終わらない案件を何度も経験しました。
たとえば、飲食店のSNS投稿用バナーを作ったときのことです。
修正は10回になりました。
バナーを送ると修正の連絡が届き、直してはまた送る。
その繰り返しでした。
つらさもありました。でも、それよりも大きかったのは、
自信がなくなっていくことです。
直すたびに、その問いが大きくなっていきました。
何が正しいのか、だんだん分からなくなっていくのです。
正直に書くと、クライアントに苛立ちを覚えたこともあります。
修正そのものは終わっているのに、送信ボタンがなかなか押せない。
「また違うと言われたらどうしよう」と思うと、
手が止まってしまいました。
でも、経験を重ねるうちに気づいたことがあります。
修正が多い案件は、デザインの腕だけが原因ではないことが多い、ということです。
私が振り返ってみると、問題はデザインを作る「前」と「途中」の進め方にありました。
この記事では、修正が終わらなくなる原因と、
それを防ぐために私が実際にやっている進め方をお伝えします。
修正が終わらない4つの原因
私の経験では、修正が続く案件の原因は、次の4つに分けられます。
✪原因1:「何のためのデザインか」が共有されていない
「かっこよく」「おしゃれに」「目立つように」。
こうした言葉だけで進めると、判断の基準が「好み」になってしまいます。好みは人によって違いますし、日によっても変わります。
基準がないので、どこまで修正しても「これで正解」と言える瞬間が来ません。
本来の判断基準は「誰に、何を伝えて、どうなってほしいか」です。
ここが決まっていないと、デザイナーもクライアントも、
感覚で話すしかなくなります。
✪原因2:最終的に決める人が見えていない
打ち合わせの相手は担当者なのに、最終的にOKを出すのは部長や社長。
これはよくあることです。問題は、その決める人の意見が
デザインがかなり進んでから初めて出てくることです。
担当者とは何度もやりとりしてまとまったのに、
最後に「上の人」の一言でひっくり返る。
この形の修正は、大きな手戻りになりやすいです。
✪原因3:見せるタイミングが遅い
時間をかけて作り込み、完成形に近い状態で初めて見せる。
デザイナーとしては「ちゃんとしたものを見せたい」という気持ちがあるので、ついそうしがちです。
でも、完成形を見て「方向性が違う」と言われたら、
そこまでの作業はほとんど使えません。
方向性のずれは、早い段階で見つけるほど、
小さな修正で済むことが多いです。
✪原因4:修正のルールを決めていない
何回まで修正できるのか。
どこまでが「修正」で、どこからが「作り直し」なのか。
追加の費用はかかるのか。
こうしたことを最初に決めていないと、
クライアントに悪気がなくても、修正は際限なく続きます。
クライアントからすると、ルールがないのだから
「言えば直してもらえる」と思うのは自然なことです。
体験談:
この4つのうち、私が特に苦労したのは
原因2の「最終的に決める人が見えていない」です。
あるイベントの告知物を作っていたときのことです。
デザインを進めていたのに、あとになって、そもそもイベントの企画自体にOKが出ていなかったことが分かりました。
私が作っていたのは、企画が通る前の「イメージ作り」のためのデザインだったのです。
企画にOKを出す人がいる以上、その人の判断によって、デザインの前提そのものが変わってしまいます。
担当者とどれだけやりとりを重ねても、決める人が見えていなければ、ゴールは決まりません。
「このデザインは、誰が、何を決めるためのものなのか」。
それを最初に確かめることの大切さを、この案件で知りました。
こうして並べてみると、
どれも「デザインが下手だから」起きているわけではありません。
進め方で防げるものが多いのです。
ここからは、この4つの原因をひとつずつつぶしていく具体的な方法をお伝えします。
ヒアリングの質問、決める人の確認の仕方、修正ルールの書き方まで、
6つの方法を紹介します。
修正を減らすための6つの進め方
№1. ヒアリングでは「目的」「相手」「ゴール」「NG」を必ず聞く
最初の打ち合わせで、私が必ず聞くのは次の4つです。
目的:このデザインは何のために作るのか
(例:新商品を知ってもらう、問い合わせを増やす)
相手:誰に届けたいのか
(年齢、立場、どんな状況で見るか)
ゴール:見た人にどう思ってほしいか、何をしてほしいか
NG:避けたい色、表現、競合と似てしまうものなど
デザイナー歴25年で学んだ、修正を減らす進め方
「もう少しこう、いい感じに」が
何度も続くつらさ
「全体的にもう少し明るい感じで」
「やっぱり最初の案のほうがよかったかも」
「社長に見せたら、ちょっと違うと言われまして」
クライアントワークをしているデザイナーなら、
きっと覚えがある言葉ではないでしょうか。
修正が1回、2回で終わればいいのですが、3回、4回と続くと、
だんだん何を目指しているのか分からなくなります。
最初に考えたコンセプトは跡形もなくなり、
つぎはぎのようなデザインが残る。
しかも作業時間は予定よりふくらんでいるのに、
金額は最初の見積もりのまま。
「自分の実力が足りないのかな」
「もっと最初からいいものを出せていれば」
そうやって自分を責めてしまう人も多いのではないでしょうか。
体験談:
僕もグラフィックデザイナーとして25年働いてきて、
修正が終わらない案件を何度も経験しました。
たとえば、飲食店のSNS投稿用バナーを作ったときのことです。
修正は10回になりました。
バナーを送ると修正の連絡が届き、直してはまた送る。
その繰り返しでした。
つらさもありました。でも、それよりも大きかったのは、
自信がなくなっていくことです。
直すたびに、その問いが大きくなっていきました。
何が正しいのか、だんだん分からなくなっていくのです。
正直に書くと、クライアントに苛立ちを覚えたこともあります。
修正そのものは終わっているのに、送信ボタンがなかなか押せない。
「また違うと言われたらどうしよう」と思うと、
手が止まってしまいました。
でも、経験を重ねるうちに気づいたことがあります。
修正が多い案件は、デザインの腕だけが原因ではないことが多い、ということです。
私が振り返ってみると、問題はデザインを作る「前」と「途中」の進め方にありました。
この記事では、修正が終わらなくなる原因と、
それを防ぐために私が実際にやっている進め方をお伝えします。
修正が終わらない4つの原因
私の経験では、修正が続く案件の原因は、次の4つに分けられます。
✪原因1:「何のためのデザインか」が共有されていない
「かっこよく」「おしゃれに」「目立つように」。
こうした言葉だけで進めると、判断の基準が「好み」になってしまいます。好みは人によって違いますし、日によっても変わります。
基準がないので、どこまで修正しても「これで正解」と言える瞬間が来ません。
本来の判断基準は「誰に、何を伝えて、どうなってほしいか」です。
ここが決まっていないと、デザイナーもクライアントも、
感覚で話すしかなくなります。
✪原因2:最終的に決める人が見えていない
打ち合わせの相手は担当者なのに、最終的にOKを出すのは部長や社長。
これはよくあることです。問題は、その決める人の意見が
デザインがかなり進んでから初めて出てくることです。
担当者とは何度もやりとりしてまとまったのに、
最後に「上の人」の一言でひっくり返る。
この形の修正は、大きな手戻りになりやすいです。
✪原因3:見せるタイミングが遅い
時間をかけて作り込み、完成形に近い状態で初めて見せる。
デザイナーとしては「ちゃんとしたものを見せたい」という気持ちがあるので、ついそうしがちです。
でも、完成形を見て「方向性が違う」と言われたら、
そこまでの作業はほとんど使えません。
方向性のずれは、早い段階で見つけるほど、
小さな修正で済むことが多いです。
✪原因4:修正のルールを決めていない
何回まで修正できるのか。
どこまでが「修正」で、どこからが「作り直し」なのか。
追加の費用はかかるのか。
こうしたことを最初に決めていないと、
クライアントに悪気がなくても、修正は際限なく続きます。
クライアントからすると、ルールがないのだから
「言えば直してもらえる」と思うのは自然なことです。
体験談:
この4つのうち、私が特に苦労したのは
原因2の「最終的に決める人が見えていない」です。
あるイベントの告知物を作っていたときのことです。
デザインを進めていたのに、あとになって、そもそもイベントの企画自体にOKが出ていなかったことが分かりました。
私が作っていたのは、企画が通る前の「イメージ作り」のためのデザインだったのです。
企画にOKを出す人がいる以上、その人の判断によって、デザインの前提そのものが変わってしまいます。
担当者とどれだけやりとりを重ねても、決める人が見えていなければ、ゴールは決まりません。
「このデザインは、誰が、何を決めるためのものなのか」。
それを最初に確かめることの大切さを、この案件で知りました。
こうして並べてみると、
どれも「デザインが下手だから」起きているわけではありません。
進め方で防げるものが多いのです。
ここからは、この4つの原因をひとつずつつぶしていく具体的な方法をお伝えします。
ヒアリングの質問、決める人の確認の仕方、修正ルールの書き方まで、
6つの方法を紹介します。
修正を減らすための6つの進め方
№1. ヒアリングでは「目的」「相手」「ゴール」「NG」を必ず聞く
最初の打ち合わせで、私が必ず聞くのは次の4つです。
目的:このデザインは何のために作るのか
(例:新商品を知ってもらう、問い合わせを増やす)
相手:誰に届けたいのか
(年齢、立場、どんな状況で見るか)
ゴール:見た人にどう思ってほしいか、何をしてほしいか
NG:避けたい色、表現、競合と似てしまうものなど