知名度ゼロの会社が、なぜ新聞・テレビから選ばれ続けたのか
■ はじめに ■
初めまして、TKと申します。
「どうすれば、もっと多くの人に自社を知ってもらえるのか」。この問いに向き合わずに済む経営者は、おそらく一人もいません。そして、この問いを突き詰めていくと、必ず一つの答えにたどり着きます。それが「メディアの活用」です。

結論を先に言います。マスメディアに取り上げられることは、認知度と信頼度を同時に、しかも一気に押し上げる、数少ない手段です。
にもかかわらず、「これまで通りの広告を出しているのに、お客様が集まらない」と悩む経営者が、このところ目立って増えています。
マーケティング理論の第一人者として知られるアル・ライズ氏は、著書『ブランドは広告でつくれない 広告vs PR』の中で、ブランドを築くのは広告ではなく、PR(パブリック・リレーションズ)であるという主張を展開しています。
賢明な経営者や幹部であれば、この感覚はすでにお持ちのはずです。問題は、その先です。実際にマスメディアへ向けた広報PR活動を始めてみると、驚くほど多くの人がつまずき、手が止まってしまうのです。
私はかつて、大阪にある社員10名ほどの会社に入社し、「無名の小さな会社を、どうすれば世の中に知らしめられるか」を、来る日も来る日も考え続けていました。数えきれないプレスリリースと記事の原稿をマスコミに持ち込み続けた結果、日本経済新聞をはじめとする全国紙や、NHKなどの報道番組から取材が舞い込むようになり、会社の知名度は一気に跳ね上がりました。

その渦中で見えてきたのは、こういうことです。記者の目から見れば、どんな人にも、どんな会社にも、思わず身を乗り出したくなるような魅力や物語が、必ず眠っている。誰もが、取材対象になりうる素材をすでに持っている。あとは、それを「正しい順番」で「正しい相手」に届けられるかどうか——それだけなのです。
本書では、私自身の経験にもとづいて、そのための考え方と技術をお伝えしていきます。
■ 取材実績 ■ ※実際の記事URLは最終ページ
• 業界専門メディア「訪日ラボ」にて、連載記事を執筆
• 大阪日日新聞への掲載を皮切りにメディア露出をスタート
• LOGISTICS TODAY
• HOTELIER
• 旬刊旅行新聞への掲載
• 京都新聞への掲載
• 日本経済新聞(関西版)
• 日本経済新聞(全国版)
• 毎日新聞(東京版)
• 毎日新聞(大阪版)
• 朝日放送テレビ「キャスト - CAST-」
• NHK「ニュース7」
• 毎日放送「ミント!」
• NHK BS スーパープレミアム「感動!おもてなしスペシャル」
• 中京テレビ「キャッチ!」
• 日本テレビ「news every.」
• 日本テレビ「DayDay.」
• テレビ朝日「ANNニュース」
• NHK「所さん!事件ですよ」
• 関西テレビ放送 カンテレ「newsランナー」
• 福岡放送「めんたいワイド」
• 朝日新聞/ NHK「おはよう日本」
業界紙から地元紙、全国紙、共同通信、テレビ報道、そして海外メディアへ。一つの掲載が、次の取材を連れてくる——そんな「メディア連鎖」を、実際に体験してきました。その裏側にある考え方とノウハウを、本書でお伝えします。
■ 第1章 なぜ「取材される会社」だけが一歩抜け出すのか
マスメディアに出ることの価値は、他の宣伝手段と並べてみると一目瞭然です。広告やSNS発信と比べたとき、その影響力の差に驚かれるはずです。
具体的には、次の5つのメリットが挙げられます。
広告とは比較にならないほど、多くの人の目に触れる
社会的な信用が一気に高まり、信憑性が上がる
マスメディアのデータベースに記録され、他の記者からも声がかかるようになる
社員が自社に誇りを持ち、仕事への姿勢が前向きになる
優秀な人材が、自ら入社を希望するようになる

「取材にはお金がかかる」という思い込みを捨てる
「マスコミに出るなんて、相当な費用がかかるのでは」——そう感じている方は多いでしょう。しかし、これは誤解です。
費用がかかるのは「広告」や「CM」です。記者が書くのは「記事」であり、取材の場に金銭のやり取りは存在しません。記者の使命は、公平な立場から、社会の役に立つ情報を届けること。そこにお金が介在する余地はないのです。
だからこそ、多くの人はマスメディアの報道を「客観的で公平な情報」として受け止め、そこに高い信頼を寄せてきました。お金を払う必要がなく、しかも広告よりはるかに信用される——この手段を使わない理由はありません。
一度の露出が、次の露出を連れてくる
意外と知られていない事実があります。一度でもマスメディアに取り上げられると、その人物や会社の名前は、各社が利用する記事データベース(日経テレコンやジー・サーチなど)に記録されます。
これが何を意味するか。ある分野の専門家として一度記事に名前が載ると、別の記者がそれを検索で見つけ、次の取材につながりやすくなるのです。実際に私自身も、一度新聞に取り上げられた直後から、別の新聞記者から次々と取材の打診をいただくようになりました。
記者にとって、そのデータベースは単に便利であるだけでなく、「他社がすでに取り上げている相手なら、まず不審な人物ではないだろう」という安心材料にもなります。マスメディアは多くの人に影響を与える立場だからこそ、冒険には慎重です。だからこそ「他社が取り上げているなら、うちも」という横並びの心理が働きやすいのです。
まずは一度、どこか一社でもいいので取材を受け、記事になること。そこから、この連鎖反応が動き出します。

■ 第2章 なぜあなたの広報PRは、記者に届かないのか
ここまで、マスメディアがもたらす力の大きさをお伝えしてきました。しかし実際には、プレスリリースを送っても取材にはつながらない、というケースが大半です。無名の小さな会社であれば、なおさらでしょう。
ここでは、私が提唱する「リレーションシップ広報」と、皆さんが陥りやすい広報PR活動との違いを説明します。この違いこそが、新しい広報PRのやり方がなぜ成果を出せるのか、その理由になっています。
よくある広報PRの流れ
多くの企業やPR会社が行っている広報PR活動は、おおむね次のような流れです。
自分たちが売りたい商品・サービス・企画を立ち上げる
ネットやテレビ、新聞に広告を出す
配信業者を通じて、プレスリリースを作成・送付する
つまり「売りたいものありき」で情報を発信するスタイルです。あなたにも、こうした「出たとこ勝負」の発信に心当たりがあるのではないでしょうか?
取材による記事や番組のほうが、広告より効果が大きいと知りながら、その成果をコントロールできず、広告代理店やPR会社への依存から抜け出せずにいる——そんな状況に陥っていないでしょうか。だとすれば、今のやり方を続けていても、大きな成果は見込めません。そのような広報PR活動には、2つの決定的な欠陥があるからです。
欠陥1:メディアとの信頼が「資産」として積み上がらない
プレスリリース配信サービスの限界
多くの会社が利用するプレスリリース配信サービスは、多数のメディアに一斉配信できるのが売りですが、その大半はメール配信です。新聞やテレビは、メールの中身を丁寧に読むことはほとんどなく、件名だけで削除されるのが実情です。ファクスや郵送も同様で、型どおりのプレスリリースは「営業の売り込み」と判断され、そのほとんどがゴミ箱行きになります。運よく取材につながっても、一回きりで終わってしまいます。しかも、送り先のファクス番号や担当者名を、あなた自身が把握することはできません。
リストを握っているのは配信業者側であるため、リリースを出すたびに費用を払い続けることになります。「数を打てば当たる」という発想のバラマキ型広報は、多様なサービスがひしめく今の時代には非効率です。資金力と知名度のある大企業ならまだしも、これから広報を始める小さな会社が選ぶべき手法ではありません。
PR会社という第三者の壁
メディア側の本音として、取材相手との間に第三者が入ることは歓迎されません。記者は当事者に直接話を聞きたいのに、事情に疎いPR会社の担当者が窓口になっていると、取材そのものを見送るケースも少なくないと聞きます。
PR会社もビジネスである以上、企業とメディアが直接つながることを積極的には後押ししません。「PR会社にコネがあるから取り上げてもらえる」というのは幻想に近く、実際にはあくまで当事者が持つニュース価値が全てです。情報を届けるのは、当事者自身が動くほうが合理的なのです。
こうして、企業とメディアの間に第三者が挟まることで、広報活動の要である「コミュニケーション」が阻害されている——多くの当事者は、そのことに気づいていません。たとえ業者やPR会社を使っていなくても、多くの企業は自己都合の発信を不定期に繰り返すだけで、本気でメディアと向き合っていません。そこに信頼関係は生まれないのです。
メディアは「信頼」で成り立つ機関です。扱う情報の正確性が、そのままメディア自身の評価に跳ね返ります。だからこそ記者は情報の出どころに敏感で、信頼できる相手からの情報を求めています。あなたが取り組むべきは、まさにこの信頼関係づくりなのです。
欠陥2:自社目線の発信には、そもそもニュース価値がない
ほとんどの企業が発信する情報は、自社目線が強すぎて、メディアの価値観とすれ違っています。そのことに気づかないまま発信を続けるため、記者から敬遠されてしまうのです。

マスメディアの役割は、社会の役に立つ情報を読者・視聴者に届けること。記者やディレクターは、自らの仕事に社会的な使命感を持っています。この特性を理解しないまま、利己的なスタンスで近づく企業があまりに多いのが実情です。「自社の売上のためにメディアを利用しよう」という意図は、記者には簡単に見透かされてしまいます。
だからこそ広報PRには、広告やマーケティングとはまったく異なる思考——「自社の利益より、社会的な利益を優先する姿勢」——が求められます。社会的な視点から自社を見つめ直せなければ、メディアとの信頼関係は築けず、継続的な露出も見込めません。
「たまたま取り上げられた」は長続きしない
商品・サービスの売り込みだけに焦点を当てたバラマキ型の広報は、いずれ行き詰まります。AIの普及で誰もがサービスを開発できる今、商品やサービスは世の中にあふれています。よほど画期的なものでない限り、取り上げてもらうのは困難です。たまたま取材が来たとしても、それは長続きしない「打ち上げ花火」に過ぎません。
PRとは本来「パブリック・リレーションズ」の略。公共との間に良好な関係を築くことに、本来の意義があります。会社を取り巻くさまざまな相手から信頼され、応援される存在になること——それこそが、広報PRが本来目指すべきゴールです。目先の自社利益より社会的利益を優先する発信は、一見遠回りに見えても、実は最も確実で成果の出る王道なのです。
■ 第3章 「リレーションシップ広報」という考え方
私が提唱する「リレーションシップ広報」は、小さな会社の限られた資金と人材を、あえて絞り込んで投じることで、メディアとの信頼関係そのものを資産に変えていく手法です。ばらまくのではなく、関係を築く。この一点にすべてが集約されています。
正しく取り組めば取り組むほど、社会的信用と知名度は積み上がっていきます。実践のステップは、次の6つです。
メディアを絞り込む
自社を社会的な観点から見つめ直す
ウェブメディアを整備し、良質な情報をストックする
記者にアプローチし、信頼関係を深める
企画を継続的にリリースする
改善を繰り返す
知名度ゼロの会社が、なぜ新聞・テレビから選ばれ続けたのか
■ はじめに ■
初めまして、TKと申します。
「どうすれば、もっと多くの人に自社を知ってもらえるのか」。この問いに向き合わずに済む経営者は、おそらく一人もいません。そして、この問いを突き詰めていくと、必ず一つの答えにたどり着きます。それが「メディアの活用」です。
結論を先に言います。マスメディアに取り上げられることは、認知度と信頼度を同時に、しかも一気に押し上げる、数少ない手段です。
にもかかわらず、「これまで通りの広告を出しているのに、お客様が集まらない」と悩む経営者が、このところ目立って増えています。
マーケティング理論の第一人者として知られるアル・ライズ氏は、著書『ブランドは広告でつくれない 広告vs PR』の中で、ブランドを築くのは広告ではなく、PR(パブリック・リレーションズ)であるという主張を展開しています。
賢明な経営者や幹部であれば、この感覚はすでにお持ちのはずです。問題は、その先です。実際にマスメディアへ向けた広報PR活動を始めてみると、驚くほど多くの人がつまずき、手が止まってしまうのです。
私はかつて、大阪にある社員10名ほどの会社に入社し、「無名の小さな会社を、どうすれば世の中に知らしめられるか」を、来る日も来る日も考え続けていました。数えきれないプレスリリースと記事の原稿をマスコミに持ち込み続けた結果、日本経済新聞をはじめとする全国紙や、NHKなどの報道番組から取材が舞い込むようになり、会社の知名度は一気に跳ね上がりました。
その渦中で見えてきたのは、こういうことです。記者の目から見れば、どんな人にも、どんな会社にも、思わず身を乗り出したくなるような魅力や物語が、必ず眠っている。誰もが、取材対象になりうる素材をすでに持っている。あとは、それを「正しい順番」で「正しい相手」に届けられるかどうか——それだけなのです。
本書では、私自身の経験にもとづいて、そのための考え方と技術をお伝えしていきます。
■ 取材実績 ■ ※実際の記事URLは最終ページ
業界紙から地元紙、全国紙、共同通信、テレビ報道、そして海外メディアへ。一つの掲載が、次の取材を連れてくる——そんな「メディア連鎖」を、実際に体験してきました。その裏側にある考え方とノウハウを、本書でお伝えします。
■ 第1章 なぜ「取材される会社」だけが一歩抜け出すのか
マスメディアに出ることの価値は、他の宣伝手段と並べてみると一目瞭然です。広告やSNS発信と比べたとき、その影響力の差に驚かれるはずです。
具体的には、次の5つのメリットが挙げられます。
広告とは比較にならないほど、多くの人の目に触れる
社会的な信用が一気に高まり、信憑性が上がる
マスメディアのデータベースに記録され、他の記者からも声がかかるようになる
社員が自社に誇りを持ち、仕事への姿勢が前向きになる
優秀な人材が、自ら入社を希望するようになる
「取材にはお金がかかる」という思い込みを捨てる
「マスコミに出るなんて、相当な費用がかかるのでは」——そう感じている方は多いでしょう。しかし、これは誤解です。
費用がかかるのは「広告」や「CM」です。記者が書くのは「記事」であり、取材の場に金銭のやり取りは存在しません。記者の使命は、公平な立場から、社会の役に立つ情報を届けること。そこにお金が介在する余地はないのです。
だからこそ、多くの人はマスメディアの報道を「客観的で公平な情報」として受け止め、そこに高い信頼を寄せてきました。お金を払う必要がなく、しかも広告よりはるかに信用される——この手段を使わない理由はありません。
一度の露出が、次の露出を連れてくる
意外と知られていない事実があります。一度でもマスメディアに取り上げられると、その人物や会社の名前は、各社が利用する記事データベース(日経テレコンやジー・サーチなど)に記録されます。
これが何を意味するか。ある分野の専門家として一度記事に名前が載ると、別の記者がそれを検索で見つけ、次の取材につながりやすくなるのです。実際に私自身も、一度新聞に取り上げられた直後から、別の新聞記者から次々と取材の打診をいただくようになりました。
記者にとって、そのデータベースは単に便利であるだけでなく、「他社がすでに取り上げている相手なら、まず不審な人物ではないだろう」という安心材料にもなります。マスメディアは多くの人に影響を与える立場だからこそ、冒険には慎重です。だからこそ「他社が取り上げているなら、うちも」という横並びの心理が働きやすいのです。
まずは一度、どこか一社でもいいので取材を受け、記事になること。そこから、この連鎖反応が動き出します。
■ 第2章 なぜあなたの広報PRは、記者に届かないのか
ここまで、マスメディアがもたらす力の大きさをお伝えしてきました。しかし実際には、プレスリリースを送っても取材にはつながらない、というケースが大半です。無名の小さな会社であれば、なおさらでしょう。
ここでは、私が提唱する「リレーションシップ広報」と、皆さんが陥りやすい広報PR活動との違いを説明します。この違いこそが、新しい広報PRのやり方がなぜ成果を出せるのか、その理由になっています。
よくある広報PRの流れ
多くの企業やPR会社が行っている広報PR活動は、おおむね次のような流れです。
自分たちが売りたい商品・サービス・企画を立ち上げる
ネットやテレビ、新聞に広告を出す
配信業者を通じて、プレスリリースを作成・送付する
つまり「売りたいものありき」で情報を発信するスタイルです。あなたにも、こうした「出たとこ勝負」の発信に心当たりがあるのではないでしょうか?
取材による記事や番組のほうが、広告より効果が大きいと知りながら、その成果をコントロールできず、広告代理店やPR会社への依存から抜け出せずにいる——そんな状況に陥っていないでしょうか。だとすれば、今のやり方を続けていても、大きな成果は見込めません。そのような広報PR活動には、2つの決定的な欠陥があるからです。
欠陥1:メディアとの信頼が「資産」として積み上がらない
プレスリリース配信サービスの限界
多くの会社が利用するプレスリリース配信サービスは、多数のメディアに一斉配信できるのが売りですが、その大半はメール配信です。新聞やテレビは、メールの中身を丁寧に読むことはほとんどなく、件名だけで削除されるのが実情です。ファクスや郵送も同様で、型どおりのプレスリリースは「営業の売り込み」と判断され、そのほとんどがゴミ箱行きになります。運よく取材につながっても、一回きりで終わってしまいます。しかも、送り先のファクス番号や担当者名を、あなた自身が把握することはできません。
リストを握っているのは配信業者側であるため、リリースを出すたびに費用を払い続けることになります。「数を打てば当たる」という発想のバラマキ型広報は、多様なサービスがひしめく今の時代には非効率です。資金力と知名度のある大企業ならまだしも、これから広報を始める小さな会社が選ぶべき手法ではありません。
PR会社という第三者の壁
メディア側の本音として、取材相手との間に第三者が入ることは歓迎されません。記者は当事者に直接話を聞きたいのに、事情に疎いPR会社の担当者が窓口になっていると、取材そのものを見送るケースも少なくないと聞きます。
PR会社もビジネスである以上、企業とメディアが直接つながることを積極的には後押ししません。「PR会社にコネがあるから取り上げてもらえる」というのは幻想に近く、実際にはあくまで当事者が持つニュース価値が全てです。情報を届けるのは、当事者自身が動くほうが合理的なのです。
こうして、企業とメディアの間に第三者が挟まることで、広報活動の要である「コミュニケーション」が阻害されている——多くの当事者は、そのことに気づいていません。たとえ業者やPR会社を使っていなくても、多くの企業は自己都合の発信を不定期に繰り返すだけで、本気でメディアと向き合っていません。そこに信頼関係は生まれないのです。
メディアは「信頼」で成り立つ機関です。扱う情報の正確性が、そのままメディア自身の評価に跳ね返ります。だからこそ記者は情報の出どころに敏感で、信頼できる相手からの情報を求めています。あなたが取り組むべきは、まさにこの信頼関係づくりなのです。
欠陥2:自社目線の発信には、そもそもニュース価値がない
ほとんどの企業が発信する情報は、自社目線が強すぎて、メディアの価値観とすれ違っています。そのことに気づかないまま発信を続けるため、記者から敬遠されてしまうのです。
マスメディアの役割は、社会の役に立つ情報を読者・視聴者に届けること。記者やディレクターは、自らの仕事に社会的な使命感を持っています。この特性を理解しないまま、利己的なスタンスで近づく企業があまりに多いのが実情です。「自社の売上のためにメディアを利用しよう」という意図は、記者には簡単に見透かされてしまいます。
だからこそ広報PRには、広告やマーケティングとはまったく異なる思考——「自社の利益より、社会的な利益を優先する姿勢」——が求められます。社会的な視点から自社を見つめ直せなければ、メディアとの信頼関係は築けず、継続的な露出も見込めません。
「たまたま取り上げられた」は長続きしない
商品・サービスの売り込みだけに焦点を当てたバラマキ型の広報は、いずれ行き詰まります。AIの普及で誰もがサービスを開発できる今、商品やサービスは世の中にあふれています。よほど画期的なものでない限り、取り上げてもらうのは困難です。たまたま取材が来たとしても、それは長続きしない「打ち上げ花火」に過ぎません。
PRとは本来「パブリック・リレーションズ」の略。公共との間に良好な関係を築くことに、本来の意義があります。会社を取り巻くさまざまな相手から信頼され、応援される存在になること——それこそが、広報PRが本来目指すべきゴールです。目先の自社利益より社会的利益を優先する発信は、一見遠回りに見えても、実は最も確実で成果の出る王道なのです。
■ 第3章 「リレーションシップ広報」という考え方
私が提唱する「リレーションシップ広報」は、小さな会社の限られた資金と人材を、あえて絞り込んで投じることで、メディアとの信頼関係そのものを資産に変えていく手法です。ばらまくのではなく、関係を築く。この一点にすべてが集約されています。
正しく取り組めば取り組むほど、社会的信用と知名度は積み上がっていきます。実践のステップは、次の6つです。
メディアを絞り込む
自社を社会的な観点から見つめ直す
ウェブメディアを整備し、良質な情報をストックする
記者にアプローチし、信頼関係を深める
企画を継続的にリリースする
改善を繰り返す