自分らしさが分からない ― 自分のことなのに、どうして?
自分らしさって、何でしょう。簡単なようで、改めて聞かれると考え込んでしまいませんか?
「自分のことなのに分からないなんて…」と落ち込んでしまうかもしれませんが、その必要はありません。なぜなら自分で自分らしさを自覚しているかどうか、は、能力の問題ではなく仕組みの問題なのです。
自分で「これは自分らしい」と気づきかけても、外側からの圧力(社会的期待、べき思考、他人の目、他者との比較など)がそれを邪魔してきます。気づきにくい環境なのです。
けれど自分らしさは大事です。そして気づかないからといって消えるものでもない。埋もれてしまっているだけです。
今回は「自分らしさを探る方法」をご案内いたします。
第1章:自分らしさとは何か ― 6つの視点から考察
「自分らしさ」を考える手がかりとして、6つの心理学的視点を考察したいと思います。
自分らしさはひとつの要素で説明できるものではなく、「心の核」「価値観」「思考パターン」「経験」「強み」「対処法」などいくつかの側面が重なり合ってできています。
そこで、この章では6つの視点から、自分らしさの全体像を捉えていきます。
①アイデンティティ・個性:あなたの「核」になる部分
まずはエリクソンが提唱した「アイデンティティ」です。「自我同一性の確立」という意味で、自分が何者であるか、を形成することです。
子どもの頃は自分が何者かを学びながら形成する時期です。大人になって広い世界と向き合う時「自分は何者か」が分かっていると周囲に振り回されることが無くなります。
他者との関係で、社会の中で自分をどう位置付けるか、どう生きていくのか。
その中に「物の感じ方」や「反応パターンの傾向」も含まれます。個性、と呼ぶことも出来ます。
②価値観:選択の中心にある「譲れないもの」
価値観とは「何を大事にしているか」です。これに「良い悪い」はありません。他人が何を大事にしているか、と比べる必要もありません。
自分が大事にしているのが家族で、同僚が大事にしているのが仕事だとして、それはそれぞれの価値観であり、比べたり優劣を決めるものではありません。
価値観がはっきりしていると行動や判断に迷いやブレが無くなります。統一感が生まれ、他者からもどういう人間なのか、が理解されやすくなります。
③認知パターン:世界をどう解釈するかのレンズ
認知とは、ものごとを見たり聞いたりして理解し、考える心のはたらきのことです。これは自分らしさが如実に現れます。認知の違いは、心理学では「自動思考」や「スキーマ」と呼ばれ、認知行動療法でも重要な概念です。
同じものを見ていても、人によって解釈は異なります。
「上司に朝一で呼ばれた」としたら、それを予定の共有と予想するか、自分への叱責と考えるか。新しいタスクに取り組むときに、安心安全を優先するか、リスクを取って挑戦するか。
これも良い悪いではなく、性格でもなく、経験の積み重ねから生まれた「思考の癖」です。経験が元になっているので、他の人と同一ではなく、自分らしさが現れます。
④経験:人生の「積み重ね」が自分らしさを形づくる
これまで経験してきたこと全体を通して捉えると、それは完全にあなただけ、唯一無二の「自分らしさ」と呼べるでしょう。
幼少期の体験、家族構成、何を学んでどんな壁を乗り越えて、どんな人と付き合ってきて何に挑戦して失敗したか。全部同一の他人なんていませんよね。
⑤リソース・ストレングス:あなたの資源と強み
リソースとは「資源」のことです。人で言うと「使える要素」、代表的なものは時間や体力、お金、特技、長所などです。
過去の成功体験はもちろん、失敗からの学びもリソースです。人間関係や趣味、自分を支える価値観があればそれも含まれます。
更には一見強みとも言えないかもしれない事も含まれます。例えば「働いている」という状態を「当たり前」と捉えず、健康で責任感をもって社会と家族に貢献している活動、と捉えることも出来ます。どんな職業についているか、も、自分らしさの表現です。
⑥コーピング:ストレス対処のスタイル
ストレスコーピングとは、ネガティブな出来事に遭遇したとき、心の中で葛藤が起きた時にどう対処するか、というスキルです。
これはその人の個性が現れます。なぜなら「どうなればストレスを解消した状態と呼べるのか」が人それぞれ違うからです。
例えば家族と口論になった時。その場で原因を追究して対策を講じたい人もいれば、一晩おいて気分が落ち着いてから仲直りするソフトランディングタイプもいます。自分らしい対処パターンを知ることは、自己理解の鍵になるでしょう。

第2章:自分らしさを知るためには、まずは自分を知ろう
①自己理解がないと「軸」はつくれない
自分らしさの究極の姿が「自分軸」です。自分の感情・感覚・思考・過去の経験などを総合して「どんな人間として生きていきたいか」を具現化したものが自分軸です。
自分軸をを作るなら、当然自分らしさを知っている必要があります。それが自己理解です。
自己理解→自分らしさ→自分軸、と繋がっていきます。
といっても、自己理解とはそんな簡単なものではありません。履歴書に書くような情報をまとめたところで自己理解にはならないからです。
普段意識していない感覚、忘れてしまった過去の体験、抑え込んでいる感情、捻じ曲げざるを得ない考え方などを掘り起こし「これが自分だ」と向き合う必要があります。
②外側からの期待と内側の声を切り分ける
自分らしさが分からない ― 自分のことなのに、どうして?
自分らしさって、何でしょう。簡単なようで、改めて聞かれると考え込んでしまいませんか?
「自分のことなのに分からないなんて…」と落ち込んでしまうかもしれませんが、その必要はありません。なぜなら自分で自分らしさを自覚しているかどうか、は、能力の問題ではなく仕組みの問題なのです。
自分で「これは自分らしい」と気づきかけても、外側からの圧力(社会的期待、べき思考、他人の目、他者との比較など)がそれを邪魔してきます。気づきにくい環境なのです。
けれど自分らしさは大事です。そして気づかないからといって消えるものでもない。埋もれてしまっているだけです。
今回は「自分らしさを探る方法」をご案内いたします。
第1章:自分らしさとは何か ― 6つの視点から考察
「自分らしさ」を考える手がかりとして、6つの心理学的視点を考察したいと思います。
自分らしさはひとつの要素で説明できるものではなく、「心の核」「価値観」「思考パターン」「経験」「強み」「対処法」などいくつかの側面が重なり合ってできています。
そこで、この章では6つの視点から、自分らしさの全体像を捉えていきます。
①アイデンティティ・個性:あなたの「核」になる部分
まずはエリクソンが提唱した「アイデンティティ」です。「自我同一性の確立」という意味で、自分が何者であるか、を形成することです。
子どもの頃は自分が何者かを学びながら形成する時期です。大人になって広い世界と向き合う時「自分は何者か」が分かっていると周囲に振り回されることが無くなります。
他者との関係で、社会の中で自分をどう位置付けるか、どう生きていくのか。
その中に「物の感じ方」や「反応パターンの傾向」も含まれます。個性、と呼ぶことも出来ます。
②価値観:選択の中心にある「譲れないもの」
価値観とは「何を大事にしているか」です。これに「良い悪い」はありません。他人が何を大事にしているか、と比べる必要もありません。
自分が大事にしているのが家族で、同僚が大事にしているのが仕事だとして、それはそれぞれの価値観であり、比べたり優劣を決めるものではありません。
価値観がはっきりしていると行動や判断に迷いやブレが無くなります。統一感が生まれ、他者からもどういう人間なのか、が理解されやすくなります。
③認知パターン:世界をどう解釈するかのレンズ
認知とは、ものごとを見たり聞いたりして理解し、考える心のはたらきのことです。これは自分らしさが如実に現れます。認知の違いは、心理学では「自動思考」や「スキーマ」と呼ばれ、認知行動療法でも重要な概念です。
同じものを見ていても、人によって解釈は異なります。
「上司に朝一で呼ばれた」としたら、それを予定の共有と予想するか、自分への叱責と考えるか。新しいタスクに取り組むときに、安心安全を優先するか、リスクを取って挑戦するか。
これも良い悪いではなく、性格でもなく、経験の積み重ねから生まれた「思考の癖」です。経験が元になっているので、他の人と同一ではなく、自分らしさが現れます。
④経験:人生の「積み重ね」が自分らしさを形づくる
これまで経験してきたこと全体を通して捉えると、それは完全にあなただけ、唯一無二の「自分らしさ」と呼べるでしょう。
幼少期の体験、家族構成、何を学んでどんな壁を乗り越えて、どんな人と付き合ってきて何に挑戦して失敗したか。全部同一の他人なんていませんよね。
⑤リソース・ストレングス:あなたの資源と強み
リソースとは「資源」のことです。人で言うと「使える要素」、代表的なものは時間や体力、お金、特技、長所などです。
過去の成功体験はもちろん、失敗からの学びもリソースです。人間関係や趣味、自分を支える価値観があればそれも含まれます。
更には一見強みとも言えないかもしれない事も含まれます。例えば「働いている」という状態を「当たり前」と捉えず、健康で責任感をもって社会と家族に貢献している活動、と捉えることも出来ます。どんな職業についているか、も、自分らしさの表現です。
⑥コーピング:ストレス対処のスタイル
ストレスコーピングとは、ネガティブな出来事に遭遇したとき、心の中で葛藤が起きた時にどう対処するか、というスキルです。
これはその人の個性が現れます。なぜなら「どうなればストレスを解消した状態と呼べるのか」が人それぞれ違うからです。
例えば家族と口論になった時。その場で原因を追究して対策を講じたい人もいれば、一晩おいて気分が落ち着いてから仲直りするソフトランディングタイプもいます。自分らしい対処パターンを知ることは、自己理解の鍵になるでしょう。
第2章:自分らしさを知るためには、まずは自分を知ろう
①自己理解がないと「軸」はつくれない
自分らしさの究極の姿が「自分軸」です。自分の感情・感覚・思考・過去の経験などを総合して「どんな人間として生きていきたいか」を具現化したものが自分軸です。
自分軸をを作るなら、当然自分らしさを知っている必要があります。それが自己理解です。
自己理解→自分らしさ→自分軸、と繋がっていきます。
といっても、自己理解とはそんな簡単なものではありません。履歴書に書くような情報をまとめたところで自己理解にはならないからです。
普段意識していない感覚、忘れてしまった過去の体験、抑え込んでいる感情、捻じ曲げざるを得ない考え方などを掘り起こし「これが自分だ」と向き合う必要があります。
②外側からの期待と内側の声を切り分ける