「日本人はどうして英語が話せないの?」
と、こちら(カナダ)の人や、海外旅行で出会った外国人(非日本人)に、ときどき聞かれることがあります。
こういう質問、答えにくいんですけどね。
でも、そう聞かれたら、たいていはこう答えるようにしています。
「単純に、英語が日本人にとって難しいからです」
そしてもし相手が英語ネイティブなら、付け加えてこういうこともあります。
「あなたが日本語を学ぼうとすれば、日本語と英語がどれほど異なる言語かということが、よくわかると思います」
…捉え方によっては、けっこう、喧嘩売ってるっぽい回答です。
「日本語をかじってから、出直してこい」と言っているようなものです(そこまでは、いいませんが)。
でも、こういう無神経な質問は、日本人として腹がたちます。
あたかも、英語が「世界の言語」であるかの考え方は、非常に違和感を覚えるのです。
「日本の教育レベルは高いのに、なぜ日本人は英語ができないのか」
と疑問に感じる人もいます。
こういう方は、まだマシです。
そして私はこう答えます。
「まず、日本の子どもたちは日本語を学ぶことに忙しいです。6歳から15歳までの9年間に、2種類のアルファベット(ひらがな、カタカナのこと)がそれぞれ50文字ずつ、さらにKanjiという文字を2000文字以上習得しなくてはいけませんから」
要するに、日本語習得に忙しくて、英語は二の次だといっています。
本当は日本の小中学校は英語学習にも注力していることは知っていますけど、でも、私自身は母国語の習得のほうがよほど重要だと考えています。
私がそのように回答すると、相手はたいていびっくりします。
「ワォ、2000文字...」
と言って、遠い目をします。相手が中国人である場合を除いて、ですけどね。