こんにちは!犬の管理栄養士として活動しております、土田です🐶
本日は前回に引き続き、掲題のテーマについて皆さんに共有出来ればと思います。
前回の記事はこちらになりますので、まずはこちらをお読み頂けましたら幸いです(^^)
さて、今回の記事では前回のカロリー計算の重要性と疾患の関係から
一歩踏み込んで、実際の計算方法を共有しようと思います。
⑴計算の基本
カロリー要求量(DER)=基礎代謝率(RER)×活動レベルに応じた係数補正
この計算が愛犬の1日に必要なカロリーを計算するベースの数字となります。
多くの方にとって耳馴染みの少ないDERやRERという言葉に関して、
まずは説明していきます☆
・RER(Resting Energy Requirement)
→犬が休息している状態で必要とするエネルギー量を指します。これは基礎代謝率に相当し、犬が安静時に維持するために必要なエネルギー量を表しています。
・DER(Daily Energy Requirement)
→犬が1日に必要とする全体のカロリー要求量を指します。この値は、上記で説明したRERに活動レベル、生理的条件、環境条件など特定の状況に合わせて係数を掛けることで補正したものになります。
……何言ってんだかさっぱりだ。って方!ちょっと待ってください!!笑
人間でも同様なので簡単に理解できると思います!!
人間にもただ息をしているだけで消費されるカロリー(RER:基礎代謝量)があり、歩いて一時間通勤する方もいれば、何もせずグータラしている方(活動レベル)のカロリー要求量は異なりますよね?
他にも、健康体そのものの方と肥満を元に疾患を患う方(生理的、環境的条件)とじゃ、カロリー設定は異なります。
それの犬での考え方が上のDERやRERという物を基にしたカロリー計算となります!!
⑵条件ごとの係数補正について
活動レベルや生理的条件、環境的条件で設けられている係数は多岐にわたります。
どうでしょうか?年齢ステージや環境でカロリーが変化する事がわかって貰えたと思います。
他にも、現代においては少ないかと思いますが、寒冷地にて外飼いで生活する犬においては、最適気温で生活する犬より多くのエネルギーが必要である事も分かっています。
運動量に関しても普通に生活している犬と激しい運動をする犬とでは、
2〜3倍のカロリー必要量の変動があります。
なので、RER(安静時必要エネルギー必要量)に『どんな風に生活しているか』の係数をかける必要があるんです◎
(3)具体的な計算方法
それではここまで学んだRERやDERについて、実際に使用し計算してみます。
まず、RERを求めます。計算式は以下の通りです。
・RER=70×体重(kg)の0.75乗
※計算機を使って計算する方法
⒈体重(kg)を3乗する:体重×体重×体重
⒉√(ルート)を2回押す
⒊70をかける
例:体重3キロ、雌、避妊済み、BCS3(肥満でないちょうど良い肉付き)
①体重3kgの犬のRER→3×3×3=√√×70→159.6
RERが159.6と出ました。
この数字に対して適した係数で補正していきます。
②避妊済みで健康体、運動量もBCSがキープできるレベル
DER=159.6×1.6→255kcal/日
このように1日に必要なエネルギー要求量が計算できました。
まずは、各ご家庭のわんちゃんがどのくらいカロリーが必要なのか、
しっかり見定めてあげることが重要です。
さて、皆さん計算はできましたか??
引き続きこのブログでは栄養についてやフードの提案について執筆していきますので、ぜひご一読頂けました幸いです(^ ^)
それでは本日も愛犬と素敵な1日をお過ごしください✨