今年はどのような年にしたい? ~一文字の漢字から考える~

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2024年が始まりました。元日には能登での大地震、その翌日には羽田空港での航空機事故と、むろん予想もしなかった出来事が立て続けに起こりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、災害・事故に遭った方々が一日も早く平穏を取り戻すことが出来ますよう願っております。

新年の参拝に訪れた箱根神社の掲示によれば、辰年の「辰」は「振(ふるう)」を表しており、陽性の「土」、季節の変わり目を示しているそうです。「甲辰(きのえたつ)」の今年は草木の種が大きく育つために土から栄養を蓄え、豊かな実りを迎えるような1年であり、今日まで努力してきた人には結実の時を迎える年になるとのことです。一方で、甲(陽性の木)と辰(陽性の土)との相性が木剋土(もっこくど)の相剋となっていて、震をも示す辰の土が反発して大地を揺り動かす強大な力で天災をもたらす事が懸念されるため、常に毎日の準備を怠らぬよう、としています。箱根神社のこの掲示を見て、私は畏怖の念を禁じえませんでした。毎日を大切に過ごしてゆく、大切な人たちを守り抜く、まずもってそのことを肝に銘じます。

さて、私は毎年年初に今年の漢字を想像します。どのような1年を予感しているのか、どのようなことをしたいのか、コンセプトになるような一文字です。2024年を迎え、私は今年の漢字を「織」と想像しました。機織り機の「織る」です。2013年の大きな転機から昨年まで、約10年間様々な仕事やスキルの積み重ねを続けてまいりました。そして昨年50歳になり、その後の10年に思いをやっております。おそらくは今現在が大きな転機の真っ最中なのであろうと考えています。今回の転機は短時間で環境ががらりと変わるような外的要因とは違って、自分自身の内的な側面の変化にもとづく変化だと思います。環境も自分で内的な動機付けをもとに整えてゆくことになると予感します。そのような変化は思考と行動の繰り返しで、やや時間をかけて進むでしょう。「織」の映像は、私の仕事と学習、周囲との関係などの縦糸と横糸が次第に統合されてゆき、50代の私のキャリアがひとつの全体を構成し始めるというものです。

このことを考えると、すでに始まっているもの、これから始まるもの、今年1年の中でやりたいと思っていること、予想せず起こること、すべてとは言わずとも大概の物事に対して気構えができ、落ち着いた気持ちになります。ワクワクするような気持にすらなります。甲は「ものの始め」という意味を持つといいますので、そのような心持ちでいることは案外良いことなのではないでしょうか。

キャリア教育の専門家であるサニー・S・ハンセンは、統合的ライフ・プランニング(ILP)を説明する際に「キルト」を用いました。布と布を縫い合わせるキルティングのキルトの一片一片がその人の体験を表し、縫い上げられたキルトの全体はその人の人生そのものであるといいます。人は人生で仕事と学び、家族への愛とくつろぎ(余暇)という役割を持ちながら人生の全体を意味あるものに統合してゆきます。(サニー・S・ハンセン著 キャリア開発と統合的ライフ・プランニング より)私自身が想像した「織」と厳密な意味合いは異なりますが、全体性をつくりあげてゆくという点ではとても近しい印象を持ちますし、このような研究がされていることにはとても勇気づけられます。

みなさまも新しい年を迎えて、展望はいかがでしょうか。いろいろな想像のしかたがあると思いますが、もし「漢字一文字」がお気に召すようでしたらぜひ今年の明るいライフキャリアデザインの手掛かりにしていただければ嬉しく思います。

今回は2024年の私の漢字一文字についてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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