『マンガでわかるパーソナリティ障害』岡田尊司監修/松本耳子漫画

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前回に引き続き岡田尊司さんの『マンガでわかる』シリーズです。
前回ブログ↓

今回は根底にある愛着の上に育つパーソナリティについて見ていきます。

第1章 「死にたい虫」を飼う女子大生

周りを振り回す「境界性」
「パーソナリティ障害」とは、その人の持つ傾向が極端になることで人格的なバランスがうまく取れなくなり、摩擦を生じる状態です。
「パーソナリティ障害」の人は、「自己愛」が強すぎて、自分にこだわりすぎたり、逆に弱すぎて自分を大切にできないのです。さらに、「とても傷つきやすい」ことも共通しています。

「境界性パーソナリティ障害」は、気分、対人関係、行動といった面で変動が激しく、短い間にくるくると状態や態度が変わってしまいます。自分を傷つける自傷行為や自殺企図が多いのも特徴です。
周りを心理的にコントロールしたり、振り回してしまうのが「境界性パーソナリティ障害」のもう一つの特徴です。

第2章 自己愛が強すぎる夫

偉大な自分を妄想する「自己愛性」
「自己愛性パーソナリティ障害」の人は、「自分は特別な存在である」という肥大した自己意識(誇大自己)を持っていて、「偉大な自分」にふさわしい華々しい成功を夢想しています。そして、「特別なのだから賞賛されなければならない」と考え、プライドが高く他人にひどく尊大な態度を取りますが、相手がどう思うかは気にしません。
自己愛性の人は、優れた能力や才能を持っていることもありますが、過去の栄光にしがみついていたり、根拠のないプライドや、自分こそが世界の中心だというような非現実的な万能感を抱いていたりします。
このプライドと身勝手な搾取のために、しばしば二つの困った事態が起こります。一つは、周囲の存在を支配し、顎で使い、自分勝手に利用することです。パワハラやセクハラといったハラスメント、DVや虐待が起きやすいと言えます。
二つ目は、周りの人との摩擦から自分のプライドを守るために、対人関係を避けるようになることです。時には、自分の欠点が露見するするのを恐れて、引きこもりになることもあります。

自己愛性の人の心の奥には、「傷ついた自己愛」があるのです。

周りの人の対応とサポート
自己愛性の人をうまく支えていくコツは、支える人が本人の素晴らしさを映し出す「賞賛の鏡」となることです。


第3章 理解・克服の鍵は「愛着」

傷ついた愛着を取り戻す「境界性」
「境界性パーソナリティ障害」の人は、自分をつまらないものと思っています。こうした深い自己否定感は、生まれつきのものではなく、親との関係でできたものです。境界性パーソナリティ障害の人は親へのこだわりがとりわけ強いのが特徴です。

周りの人の対応とサポート
親の対応には、二つの視点が求められます。
一つ目は、「親自身の意識を見直すこと」。
二つ目は、「一貫した態度で付き合うこと」。

自殺企図、自傷行為、薬物乱用、万引き、性依存などの行動化に対しては、二つの方法が考えられます。
一つ目は、ある限度を超えた行為が見られた場合には、病院に入院してもらうこと。
二つ目は、周りが本人の苦しい思いに目を向けること。

第4章 他人の言葉を信じない彼女

人を信じられない「妄想性」
「妄想性パーソナリティ障害」の人には、三つの大きな特徴があります。
一つ目は、極端な秘密主義。
二つ目は、孤独で傷つきやすいこと。
三つ目は、非常に嫉妬深いこと。

周りの人の対応とサポート
大切なのは、敵にも見方にもならない冷静で中立な態度を維持し続けることです。また、約束をしたらしっかり守ることも大事です。

第5章 囚われている価値観に向き合う

「境界性」「自己愛性」を魅力的な個性に変える
・「境界性」本人の取り組み
「境界性パーソナリティ障害」を克服するために役立つ四つの方針があります。
一つ目は、何事も半分くらいで抑えておくこと。
二つ目は、落ち込んだら休むこと。
三つ目は、親を卒業すること。
四つ目は、人に寄りかかりすぎずに自分の足で立つこと。

・「自己愛性」本人の取り組み
「自己愛性パーソナリティ障害」を克服するには、最終的には「自分に囚われない大きな視野を持てる人間になること」につきます。
自己愛を脱するために、役立つことは三つあります。
一つ目は、チームプレイが必要なスポーツや活動をすること。
二つ目は、宗教や武道、芸道といった自己鍛錬の学びをすること。
三つ目は、人に尽くしたり社会活動をすることで、人のために生きる喜びに目覚めること。

第6章 新しいことに踏み出せない青年

心がポキッと折れた「回避性」
「回避性パーソナリティ障害」の人は、失敗や傷つくことを極度に恐れるために、試み自体を避けてしまいます。回避性の原因には、家庭環境と何かのトラウマの二つのケースが多く見られます。
一つ目の家庭環境でみられるのは、親との関係です。
二つ目には、いじめなどのトラウマを抱えている場合です。

周りの人の対応とサポート
周りの人たちのとりたい対応としては、三つあります。
まず一つは、親が子供にかかりきりになるのをやめ、親自身のことに精を出すこと。
二つ目は、本人のいいところを見つけて肯定すること。
三つ目は、一度白紙に戻して、一からやり直すつもりになること。

第7章 その他のパーソナリティ障害

相手を魅了する「演技性パーソナリティ」
他人の評価が何より重要で、目の前にいる人を魅了する役割を演じます。

自分の欲求のままに行動する「反社会性パーソナリティ障害」
社会的なルールを守ろうとせず、自分の欲求のために人を傷つけることも平気でやってしまいます。

空想の世界に暮らす「失調型(スキゾバイタル)パーソナリティ障害」
自分の空想の世界に暮らし、周りの人の気持ちを推し量れずに一方的に自分の言いたいことをまくしたてるといったタイプです。

孤独を愛し、内面が豊かな「シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害」
他の人への関心が少なく、孤独こそが最高という人です。

自分で決められない「依存性パーソナリティ障害」
自分で考えて決めることができず、すべて人に頼ります。

パーフェクトを求める「強迫性パーソナリティ障害」
完璧にやり遂げようとしすぎてうつ病や心身症、過労死になりやすいタイプです。

【感想】

こちらの本も久々に読み直しました。私は回避性と強迫性が混在している感じでした。今でもたまに顔を出してきます。
『マンガでわかる愛着障害』『マンガでわかるパーソナリティ障害』、どちらもまた読み直して、カウンセリング力の向上に努めていこうと思います。


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心理セラピストtakashi

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