『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』イルセ・サン著/枇谷玲子訳

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本日は、以前も扱いました「HSP(繊細さん)」について深掘りしていきたいと思い、こちらの本を読んでみました。

前回のブログ↓

では抜粋・要約してまとめていこうと思います。

第1章 鈍感な世界に生きる「敏感な人」とは

5人に1人がHSP(とても敏感な人)
HSPという概念は、アメリカの心理学者でセラピストのエレイン・アーロンによって、1996年に提唱されたもので、人を男性と女性というように性別で2つにわけるように、とても敏感なタイプ(HSP)と、タフなタイプの2つに分けただけです。

今の社会では、HSPに典型的な”控えめで物静かにゆっくり物事を熟慮するタイプ”よりも、外交的でタフな人たちのほうが、「健康的で価値がある」と見なされる傾向があります。
こうした考えは心理学の世界でも浸透しています。心理学では、人間の性格を分析するのに、5つの指標――神経症傾向・外向性・開放性・誠実性・調和性――が用いられています。

「良心的」「創造的」「インスピレーションを得やすい」「影響を受けやすい」「感情移入しやすい」などの特徴は、人生に不都合をもたらす恐れがありますが、その反対に想像力や共感力、親しみなどを生む源にもなりえます。平穏な環境ではほかの人より幸福を感じやすいということは見過ごされてしまっているのです。

HSPは生まれ持った気質
ミネソタ大学で1979年から行われた一卵性双生児の研究では、多くの場合、生育環境よりも生まれ持った性質が、正確に大きな影響を及ぼすことがわかりました。ここ数十年の間に遺伝というものが、それまで想像されてきた以上に大きな意味を持つことがわかってきました。

HSPの能力
 1.一度に多くの情報を吸収できる
 2.音やにおいなどの微細な違いも察知できる
 3.ゆっくり、多角的に考えられる
 4.とても慎重で、危機管理能力が高い
 5.共感力が高く、気配りが上手
 6.誠実で責任感がある
 7.想像力が豊かで、内的生活が充実している

表面的にはHSPに見えない人もいる
 1.外交的なHSP(HSPの70%が内向的、30%が外向的といわれています)
 2.刺激を求めるHSP

第2章 「敏感な人たち」が抱えやすい心の問題

HSPが抱えやすい心の問題1 自分自身に高度な要求をしてしまう
HSPの人々は、自分に課したルールに縛られています。気を付けなければならないのは、自分が自分にどんなルールをかしているのか、必ずしも把握しているわけではないということです。
過去に刷り込まれたルールに自動的に従って生きてきたり、それらのルールが古くなっていて、実情に即していないこともあるでしょう。

HSPは行動のルールを自分に課すと同時に、自分自身がどうあるべきかについて、高い基準を設ける傾向があります。
自分に高い基準を設けてしまうたいていの要因は自尊心が低いことにあります。

高い基準を設けてしまっているのなら、その基準を下げることが非常に重要です。努力し続けるのをやめて、ありのままの自分でいることが許された経験をすれば、自尊心を取り戻せます。基準を下げることで、豊かな人間関係を築けるようになるでしょう。
とはいっても、これまでの人生で自尊心の低さを補うためにずっと高い代償を払ってきたのなら、それをやめるのは恐ろしいことに感じるでしょう。でも、少しずつ慣れていけばいいのです。

HSPが抱えやすい心の問題2 罪悪感と羞恥心に苛まれてしまう
罪悪感には現実的な罪悪感と度を越した罪悪感の2つの種類に分けられます。
自分の力を及ぼせないことに対しても、罪の意識を感じるのであれば、その罪悪感は行きすぎています。ゼロでないにしても、限られた影響力しか持たない場合も同じです。
私たちはときどき、物事をオール・オア・ナッシングで考えてしまいます。ところが、実際は、その真んなかであることが多いのです。

罪悪感は”自分がやってしまったこと”に対して抱くものですが、羞恥心というのは”自分自身”に対して抱くものです。羞恥心は、自分の何かが間違っているのではないかというぼんやりとした予感と、それが明るみに出てしまうのではないかという恐怖心が入り混じっています。
恥じていることや隠したいことが多いと、会話をするのは難しくなります。
HSPが心を開く勇気を持つ1つの方法は、他の敏感な人の話を聞くことです。

HSPが抱えやすい心の問題3 恐怖心を感じ、憂鬱になりやすい
敏感な人の多くは、恐怖心と闘っています。HSPである私たちは、新しい可能性を考ええるのが得意なために、物事が悪い方向に行く可能性も見えてしまうのです。しかし、この能力ののおかげで私たちは、たくさんのことに備え、対処することができ、アクシデントや失敗を回避できます。
恐怖を感じること自体は、自然なことです。

憂鬱な気分になると、自分自身のことや将来の可能性について、ネガティブに考えてしまいがちです。誰しもネガティブに考えると疲れてしまい、疲れているとよりネガティブに考える傾向があります。
まず疲れないようにするためには、ベッドに入りたくさん睡眠することよりも成功体験が必要なのです。

感情は直接的にコントロールできません。それでもなお、自分の感情に100%無力でないのなら、それは自分の思考が感情に影響を及ぼしているからです。感情や思考は互いにい教師あいます。思考ならある程度コントロールできるので、床の意識をむけるか選択することができるのです。

知らない人と会うのを避けるHSPのクライアントがいます。知らない人を避ける本当の理由は、恐怖を感じていることではなく、知らない人と会うと強い刺激を感じてしまうため、その刺激から自分を守ろうとしているだけなのです。

HSPが抱えやすい心の問題4 怒りをうまく放出できない
HSPは怒りというものを好みません。怒りは強烈なエネルギーです。HSPの人が怒ってレッド・ゾーンに入ると、すぐに白黒つけようとして、他の人の立場に立って考える能力を一時的に失ってしまいます。

HSPのように特別に感受性の強い人は、攻撃されることに弱いと思われがちです。しかし、そうではなくて、単に「喧嘩したい」という感情を持ち合わせていないだけなのです。
静かに落ち着いて、「ノー」とか、「やりたくありません」とか「よくないです」と言うのは、大声を出して怒りを露わにするよりもよいでしょう。それで効果がない場合、「これこれこうだからこうしてほしい」と因果関係をはっきりさせるとよいでしょう。
そもそもHSPにとって、いさかいに加わるのはよいことではありません。怒りと怒りのぶつかり合いに巻き込まれることで、強い刺激を受けてしまいます。不快なことが起きたら、「相手を叱る」、もしくは「心の中で自分を責める」という典型的な反応の中間をとるべきです。

HSPは、相手の怒りに共感力を生かして対処することができます。
怒りというものは、傷つきそうな感情を隠すために表出することが多いものです。HSPには、こうした隠れた感情に気づく才能を持つ人が多くいます。

自分の中に突然生じる怒りによって、他の感情が影を潜めてしまうことがよくあります。
怒りが表面に現れることで、その下にあるものすべてがかくされてしまいます。すべてが怒りにみちてしまい、ほかのものが見えなくなるのです。
しかし、それらの感情から目をそらさないほうがずっと建設的でしょう。ここに現実的で活気と喜びに満ちた場所へ導く、新たな道が隠れているかもしれないのです。

第3章 「鈍感な人たち」とうまく付きあうには

方法1 周囲の人に自分がHSPであることを伝える
方法2 自分の限界点をはっきり伝えておく
方法3 休憩や散会の時間を事前に約束しておく
方法4 自分にできるころは限られているという事実を受け入れる
方法5 言葉の洪水に溺れないように会話中に休憩をとる
方法6 片方が一方的に話さずに「対話」となるよう心がける
方法7 「対話」を成立させるには、お互いに「反応し合う」ことを意識する
 会話の相手に望む反応① 受け止める
 会話の相手に望む反応② 共感する
 会話の相手に望む反応③ 影響を知る
 会話の相手に望む反応④ 話を広げる
 会話の相手に望む反応⑤ ちゃんと聞いていることを示す

方法8 時と場合に応じて「深い会話」と「表面的な会話」を使い分ける
方法9 4つのステップで会話を深めていく
 ステップ1 世間話と表面的な話をする
 ステップ2 興味のあることについて話す
 ステップ3 信頼する
 ステップ4 直接聞いてみる

方法10 HSPの理解者をパートナーに選ぶ
方法11 子育ては、無理をしない

第4章 「敏感な自分」とうまく付きあうには

方法1 HSPの能力を楽しむ機会をつくる
方法2 五感から過度に刺激を受けないための対策をとる
方法3 過度な刺激を受けたら、じっと自分の内側に集中する
方法4 自分自身へ愛情を向けて、自分を守る
方法5 自分自身に思いやりを持つ
方法6 自分自身と和解する
方法7 心理セラピーを受けてみる
方法8 自分らしくいることの喜びを感じる

【感想】

かなりざっくりな抜粋・要約となっております。巻頭にはイルセ・サン式のHSP自己診断テストが、巻末にはHSPのためのアイデアリストが掲載されています。HSPへの理解をさらに深め、その能力をより幸せに過ごせるように活かしていきたいですね。
また、第1章で出てきた性格の5つの指標(ビッグファイブ)についてもいつか取り上げたいと思っていた内容なので、興味がある方はもうしばらくお待ちください。

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心理セラピストtakashi

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