『「繊細さん」の本』武田友紀著

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今回は繊細さん(HSP)について深掘りしようと思い、この本を読んでみました。
著者はHSP専門カウンセラーの武田友紀さんです。

この本には繊細でストレスを感じやすい人が、繊細な感性を大切にしたまま、ラクに生きる方法が書かれています。

第1章 繊細さんがラクになれる基本

こんなあなたは繊細さん
繊細さんは、相手の感情やその場の雰囲気はもちろん、光や音まで、まわりの人が気づかない小さな変化を感じとっているのです。
エレイン・アーロン博士が行った調査により、「生まれつき繊細な人」が5人に1人の割合で存在することが分かってきました。

繊細な人と繊細でない人では、脳の神経システムに違いがあると言います。
繊細さんが小さなことに気づくのは自然なこと。
繊細さんに必要なのは、「気にしない」という言葉ではなく、気づいたことにどう対処したらいいのかという具体的な対処法なのです。

人の感情、簿の雰囲気といった人間関係に関するものから、光や音、気温などの環境の変化など、「自分の外側にあるもの」はもちろん、体調や自分自身の気持ち、新しく思いついたアイデアなど、「自分の内側で起きていること」もよく感じとります。

感じる力が裏目に出て毎日疲れてしまうーーー。
でも、一方で、「繊細さん」でなければ味わえない「いいこと」もたくさんあるのです。

自分にとって「いいもの」を感じるのも、「痛い・つらいもの」を感じるのも、同じ繊細な感覚です。痛みであっても心地よさであっても、遭遇すれば半自動的にキャッチしてしまうのです。
痛い、つらい、疲れた、などの負の感覚は、生き物にとって危険を見わける大事なサインです。痛みと心地よさを同時に感じる場合、危険を避けるために痛みの方に意識が向くのです。
繊細さんに必要なのは痛みやストレスに耐えられるよう自分を作り変えることではなく、自分の本音をどれだけ大切にできるかが勝負どころなのです。

繊細さんの診断テスト
 ・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
 ・他人の気分に左右される
 ・痛みにとても敏感である
 ・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃げられる場所に引きこもりたくなる
 ・カフェインに敏感に反応する
 ・明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
 ・豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
 ・騒音に悩まされやすい
 ・美術や音楽に深く心動かされる
 ・とても良心的である
 ・すぐにびっくりする(仰天する)
 ・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
 ・人が何かで不快な思いをしているとき、どうすればかいてきになるかすぐに気づく(たとえば伝統の明るさを調節したり、席を替えるなど)
 ・一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
 ・ミスしたり物を忘れたりしないようおにいつも気をつける
 ・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
 ・あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
 ・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
 ・生活に変化があると混乱する
 ・デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
 ・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
 ・仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
 ・子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
以上の質問のうち12個以上に「はい」とこたえたあなたはおそらくHSPでしょう。

「人といると疲れる」のはなぜ?
繊細さんは、決して人嫌いなわけではありません。心許せる相手と深く話すのは好きだし、家族を大切にしていたりと、人そのものは好きなのです。
繊細さんには、ひとりでゆっくりと心を休める時間が必要です。

私って細かすぎるの?
未来をありありと予想する繊細さんにとって、非・繊細さんのざっくりした仕事ぶりは、まるで落とし穴だらけの草原草原を全力疾走するようなとても危ない行為(!)に見えるのです。

繊細さんは「ベストが分かるからこそ動けない」という状態になっています。
そうきづいたら、「とりあえず」を取り入れると、日々の仕事や生活がぐっとスピーディーに進みます。
何度かやるうちに「ベストじゃなくても、物事が進む」ことを実感できます。

他人の機嫌に左右されてしまう
誰かが起こっていると、自分が怒られているわけではなくても声のトーンだけで緊張してしまう。誰かの気持ちに気づかないことーー気づかないフリをするのではなくて、そもそもきづかずにいることーーが繊細さんにはできません。
繊細さんが元気に生きるには、自分の「こうしたい」という思いを大切にし、「こんなにわがままでいいのかな」と思うぐらい積極的に自分を優先していく必要があるのです。

たとえば、職場で上司に意見を求められてもとっさに言葉が出てこない。でも、本当に自分の意見がないのでしょうか?そんなことはありません。
「意見はあるけれど、相手のニーズに応えなければと思うあまり言えなくなっている」だけなのです。
まずは「自分には意見がある」と気づくこと。

繊細さんは自分のままで元気に生きていける
繊細さんの悩みには共通点があります。「気づいたことに半自動的に対応し、振り回されている」ということです。
繊細さんが元気に生きるためには、この自動反応を切ることが必要です。気づいたときにわずかでも踏みとどまって「私はどうしたいんだっけ?」と自分に問いかけ、対応するかどうか、また対応するならその方法を、自分で「選ぶ」ことが必要なのです。

「こうしたい」という本音をキャッチし、自分の本音を大切にすることで、繊細のつらさはどんどんラクになり、見違えるように元気になっていきます。
今、気になって仕方ないことも、いつの間にか気にならなくなっている。

第2章 毎日のストレスを防ぐ簡単なワザ

「刺激」から自分を守る工夫
感覚を鈍らせたり、心を閉ざすのではなく、まずは刺激を物理的に防ぐことが大切です。
コツ1. 心を閉ざすのではなく物理的に防ぐ
コツ2. 五感のうち、鋭いものから取り組むと効果的

五感別!刺激の予防方法
視覚
 ・眼鏡やコンタクトレンズの度を落とす
 ・サングラスをする
 ・伊達メガネをかける
聴覚
 ・ノイズキャンセリングイヤホンをする
 ・耳栓をする
 ・イヤホンで心地よい音楽を聞く
触覚
 ・肌の露出を減らす
 ・心地よい素材で肌を覆う
 ・明るい色の服やお守りを身につける
嗅覚
 ・マスクをする
 ・好きな香りのハンドクリームや香水、ヘアワックスをつける
味覚
 ・刺激の強い食べ物を避ける
五感以外
 ・楽しい予定の後にも休日を入れる

五感別!回復を早めるケア方法
視覚
 ・電気を消して部屋を暗くする
 ・アイマスクをする
聴覚
 ・静かな場所で休む
 ・性能のいい耳栓をする
触覚
 ・ガーゼのタオルケット、ふわふわの肌触りの毛布など、心地よい素材にくるまる
 ・ホッとする肌触りの部屋着を着る
嗅覚
 ・アロマをたく
 ・落ち着くにおいのところへ行く
味覚
 ・シンプルな食べ物を選ぶ

「休みたい」と思ったら休んでも大丈夫?
思考錯誤しながらケアを続け、心と体を大切にするにつれ「心配しなくていいんだな」と思うようになります。
体が感じる小さなストレスに丁寧に耳を傾け、ケアすることで、「実は無理していたんだな」と気づくことができます。自分の状態を受け止めることで、自分を鞭打つがんばりが減り、心からやりたいと思えることだけに注力できるようになってきます。

第3章 人間関係をラクにする技術

繊細さんにとって「最大の罠」とは?
繊細さんにとって最大の罠は「」相手の”わからない”という感覚が、「わからない」ことなのです。
繊細さんと非・繊細さんの感覚の違いは、繊細さんの想像をはるかに超えています。「相手も自分と同じように感じているはず」と思って非・繊細さんに接すると、思わぬすれ違いが生じ、誰も悪くないのに傷ついてしまうことがあるのです。

自分を出せば出すほど、自分に合う人が集まってラクになる
人間関係の基本構造とは、「表に出している自分」に合う人が集まってくる、というシンプルな事実です。つまり、「本当の自分」を抑えて殻をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまうのです。
素の自分を出せば出すほど、自分に合う人が集まってラクになるのです。

「配慮が足りない人」に振り回されない方法
価値観や考え方は人それぞれ、とはよく言いますが、繊細さんたちが直面しているのは、価値観や考え方の土台になる感覚そのものの違いです。
「配慮する力」にも個人差があります。
繊細さんたちのコミュニケーションには、言語外の情報が数多く含まれます。
でも、世の中を見渡してみると、繊細さんの「ごく自然に配慮する」という行いのほうがハイレベル。

「キライ」は大切なセンサー。人を嫌えるようになろう
相手を嫌えないがゆえに、人間関係に苦労する繊細さんがいます。
実は「キライ」は生きていく上で大切なセンサー。
「キライ」を封じていると、依存されたり相手から過度に干渉、要求されたりと、かえって人間関係がこじれてしまうのです。
キライな相手は避けていいし、可能ならその人の相手は誰かに任せるほうが、お互い幸せな時間が増えるのです。
あたたかい人間関係をつくるには、苦手な相手をきちんと嫌って遠ざけることが必要です。

相手の気持ちはどこまでわかる?
ちょっとした表情や立ち振る舞い、声のトーン、黙々とパソコンに向かうときのキーボードの音。繊細さんは小さな情報をいくつもつなぎあわせて、相手の感情を察することが得意です。でも、わかるのは会う手の感情(機嫌)まで。「感情の理由」を正確に当てることはできません。
人は自分に負い目があるとき、負い目に注目しがちです。負い目があると、相手が怒っていたり不機嫌だったりする理由を「自分のせいだ」と思いがちなのです。相手の気持ちを察したら、合っているのか、ぜひ確かめてみてください。
「自分の予想は案外、外れるものだ」と知ることで、周囲の人の感情に振り回されにくくなります。自分のせいではない可能性に目が向くようになるのです。

相手と境界線を引いて自分のペースを守る
繊細さんは感じる力が強く、相手の表情や声のトーンなど、言語外の情報も細やかにキャッチするため、長時間相手の話を聞き続けると刺激過多になりがちです。また、自分に向けられたものではなくても、相手の悲しみや怒りなどを感じ、ぐったりしてしまうことも。情報や感情を受け取りすぎないよう、相手と境界線を引く必要があります。
イメージを使う方法
 ・テレビ画面の向こうの人が話している、とイメージする
 ・相手とのあいだに透明な壁をイメージする
モノに助けてもらう方法
 ・自分と相手のあいだにモノを置く
 ・相手からできるだけ体を離す

人に頼れるようになる練習
繊細さんは相手の状況や立場に自然と配慮するため、なかなか気軽に「手伝って」と言えません。

頼るための心得
 1.まずは、「頼る」という発想を持とう
 2.相手の状況を推測せず、言葉で確かめる
 3.相手が引き受けてくれたら、信じて任せる

人に頼る2ステップ
 1.確実に応えてくれる人に頼ってみる
 2.簡単な頼みごとから始める

<中略>

自分の居場所は自分の中につくる
自分の中に、自分の居場所をつくること。自分の味方でいること。
それが、人とあたたかく関わるために一番必要なことなのです。

第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術

繊細さんが仕事で消耗するのは体よりも「頭」
仕事でぐったり疲れて、休みの日はひたすら寝て回復にあてている。
それが当たり前になっていませんか?
「考え疲れ」や「緊張疲れ」があると神経が休まらず、疲れが取れにくくなるのです。

マルチタスクを乗り切るシンプル習慣
繊細さんは、さまざまなことを感じとり、深く考えながら仕事をします。一つひとつの仕事に集中して丁寧に仕上げるのが得意です。

「繊細さんは仕事が遅い」は本当?
繊細さんを悩ませる「自分は仕事が遅い」という思い、これには大きく分けてふたつの理由があります。
ひとつ目は、部署の雰囲気を感じて自分まで急かしすぎているということ。
ふたつ目は、リスクへの対処に時間が必要ということ。

慎重だから大きなミスがない、手戻りが少ないから結果的にスムーズ、など未然に防がれたものは目立ちませんが、確実に成果につながっています。

最大の悩みーー「いつも私だけ忙しい」から脱出するには
職場における繊細さんたちの「最大の悩み」は、とにかく忙しくなりがちなことです。
繊細さんは非・繊細さんより多くの物事に気づくため、気づいたことに片端から対応していると、処理する量が単純に多くなり疲れ果ててしまうのです。
気づいたことに半自動的に対応するのではなく、対応すべきものと放っておくものを自分で選ぶ必要があります。
 1.気づくのはOK!
 2.対応するかどうかは、自分で選ぶ

<中略>

「頑張っても自信を持てない」ときのチェックポイント
仕事では、苦手の克服よりも特異を活かすほうが断然おすすめです。

「幸せに活躍できる仕事(適職)」の選び方
繊細さんが充実感を感じながら幸せに働くための条件
 1.想いーーやりたいこと、いいなと思えること
 2.強味ーー得意なこと
 3.環境ーー職場環境や労働条件

全力で逃げるべきときがある
仕事よりも心身の健康が大切です。繊細さんは限界を越えてがんばりすぎる傾向にあります。
忙しいときこそ、繊細な感覚で、心と体の状態をよく観察してください。

第5章 繊細さんが自分を活かす技術

繊細さんに共通する「5つの力」
 感じる力
  ・相手の話を深く受け止めながら聞ける(人間関係)
  ・他の人が気づかない小さな改善点に気づく(仕事)
  ・小さな仕掛けやこだわりに気づいて楽しめる(趣味など)
 考える力
  ・深く考察する
  ・当たり前になっていることに疑問を抱き、改善する
  ・興味を持つと、とことんはまる
 味わう力
  ・「いいもの」を受けとり、深く味わう
  ・味わったものを出力する(絵や写真や音楽などで表現する)
 良心の力
  ・信じることに真摯に取り組む
  ・自分の納得と相手への誠実さを両立させて、大きな力を発揮する
 直観の力
  ・自分に合うものを探し当てる
  ・仕事の問題点を見抜く
  ・ものごとの本質にたどりつく

 <省略>

【感想】

繊細さんからのご相談をよくお受けするようになりました。私自身も繊細さんです。繊細さんは生きづらさを抱えることも多いですが、素敵な部分もたくさんあります。ぜひこの本を読んで、繊細さんのよい部分を活かして素敵な毎日を送れるようにしましょう!

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心理セラピストtakashi

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