梅雨のじめじめ対策、除湿乾燥について!

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2022.06.16  シンガクモン 科学教室 note

6月も中旬となり、気温が低く、雨模様が続いています。
そんな、じめじめした日には、みじかな除湿剤、乾燥材、除湿乾燥方法について書いてみたいと思います。
生石灰(酸化カルシウム)
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生石灰はお菓子などに入っている乾燥剤で、せんべい等のパリパリ感を維持するために入っています。成分としては、酸化カルシウム(CaO)で水を吸収して、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、消石灰に変化します。理科で出てくる名称で覚えている方もいると思います。
この水酸化カルシウムはアルカリ性なので、手で直接触ったりしないように気を付けてください。アルカリは、ヌルヌルして皮膚を溶かしてしまいます。石鹸の強力版という感じで、危ないのでご注意ください。
乾燥剤のほかに、吸湿・溶解したときに発熱するので、食品の加熱剤としても使われています。
塩化カルシウム
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写真の様に押し入れやクローゼットの除湿剤の中身は、塩化カルシウムという物質が使われています。この塩化カルシウムの潮解性という性質を利用して空気中の水分を取り除き、除湿剤として製品化されています。大量の水分を吸収する容器に液状の物が発生します。これは、塩化カルシウム水溶液で、アルカリ性を示し、石灰の話であったようにあまり触らない様にしましょう。普通に水道に捨てて問題ありません。ただ、塩害になったりするので植物の水やりなんかには使えません。
さて、潮解性とは物質が空気中の水(水蒸気)をとりこんで自発的に水溶液となる現象のこと。
潮解は、結晶表面に微小体積の飽和水溶液があり、その飽和蒸気圧が大気中の水蒸気圧より小さいときに起こる。極小な飽和水溶液を薄めようとする方向に変化していきます。
簡単に言えば、塩化カルシウムは水と仲良しで溶け合った方が安定化するということなんです。
お菓子袋などより、大きなクローゼットなど閉鎖空間に置かれ、石灰よりも大きな効果があります
シリカゲル
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続いては、シリカゲルです。こちらも、お菓子の袋などで見かけると思います。実験室なんかのデシケーターでも、おなじみの物質です。
成分はケイ酸水和物(SiO2-nH2O)でガラスと同じ成分なので、ガラスビーズの様な感じです。
シリカ=ケイ酸、ゲル=水を含んだもの という意味です。
シリカゲルは多孔質であるため、単位体積当たりの表面積が広く、付近の物質を吸着、つまり、物質をくっつけることができます。この性質を利用して、水の吸着剤や、液体クロマトグラフィなどのカラムの中身としても活用されています。
ミクロ的に表面が凸凹していて、その凹みに様々なモノが収まるというイメージです。
電子顕微鏡写真↓細かい穴が見えますね。
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色が青、ピンクに変わるシリカゲルがありますが、あれは塩化コバルトいるからで、乾燥状態では青、吸湿状態でピンクになるという性質を利用して、乾燥状態が一目でわかるようになっています。
単純なシリカゲルは、ガラスと同じように透明なのです。乾燥状態をわかりやすくするために、工夫されて、塩化コバルトが使われています。
シリカゲルの水の吸着は、物理的な作用で、可逆的なものなので、フライパンや電子レンジで加熱乾燥させると、容易に水が脱離して、ピンクが青に戻り再利用することができます。
また自宅でも、シリカゲルを集めてドライフラワーを作る簡単な実験にも使えます。ただし、お子様などが食べない様に取り扱ってください。
送風乾燥、結局は水の物質移動が肝心
最後は単純に送風乾燥、扇風機や換気などによる乾燥です。いままでは、薬剤を使った小さな空間の話でしたが、現実的には大量の薬剤は家庭では使えません。
洗濯物が乾くには、水がどこか違う場所にいく=乾く必要があります。かっこよくいうと、物質移動が必要なんです。
単純ですが、洗濯物に扇風機を当て続け換気をしっかりすれば、とても速く乾かし、生乾きを防ぐことができます。
空間を開けて風通しをよくして、洗濯物を干し、扇風機で送付すれば、なるべく早く乾燥させることができます!ぜひ、お試しください。
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