「園→小学校」の時に「小1プロブレム」という問題行動があるように、「小学校→中学校」の時に起こる問題行動を「中1ギャップ(違い)」と言います。
しかし最近では、「小中一貫教育校」や「義務教育学校」など一貫教育が普及したため生活環境の変化があまりありません。
とはいえ、「児童期(キッズ)→思春期(ティーン)」への'大幅な心身の変化''生活習慣や文化の変化'を通過するため発達障がいないしHSCスペクトラム(繊細っ子)など「何かしらの脳みその気質特性」を備えている子どもは普通の子どもよりもスムーズに通過しずらいこともあります。
さらに、「LGBTX(Q)」のような'新しい性別や愛情対象'を自覚したり、カムアウトする子どもが増えるのもこの時期に当たります。(早い子では3歳ぐらいで自覚しますが、言語化が難しく、自己認知ができていません)
(「LGBTX(Q)」は後日お話します)
考えられる「中1ギャップ(違い)」の原因は以下の通りです。
【学習面】
中学校以降は「教科制(各教科で先生が入れ替わる)」、「移動教室の多さ」、「算数」は「数学」と名を変え、「国語」も「現代文」と「古典(古文・漢文)」、「理科」は「理科Ⅰ(物理と化学)」と「理科Ⅱ(生物と天体など)」、「社会」は「地理」、「歴史」と「公民」に分かれてより幅広く、専門性を掘り下げて学んでいきます。
実技分野も「図工」から「美術」へ。「体育」は「保健」と一体となり「保健体育」。「音楽」、新たに「技術(DIYや農作業)」と「家庭科(衣食住など)」、そして最近は「情報(IT分野)」とかなり専門性が上がります。
そして授業のスピードも速くなります。
さらに、教科ごとの小テストや定期テスト、全国学力調査など「テスト成績(点数)」と言った具体的な数値で明らかになっていきます。
そのため、日々の'自主学習(予習や復習)'が小学生以上に必要になります。
高校からは「学科(コース)」や「通学制度」に分かれ、「自分のライフスタイル(生活習慣)」や「目指す進路」によってより体系的に学んでいきます。
最近では、一部の私立校で中学校の段階から「通学制度」を分けているところも多く、より「自分のライフスタイル(生活習慣)」にあった学校生活を送りやすくなりました。
(これが公私関係なく「日本在住の全ての子ども」が中学校以降からより「自分のライフスタイル(生活習慣)」にあった「通学制度」の選択肢が増えることを願って止みません)
【生活面・人間関係・文化など】
中学校以降は多くの学校で制服着用が義務付けられたり、厳格な校則があります。
また、部活動が始まると先輩や同学年(クラスの違う子)と一緒に練習や活動をしなくてはいけません。
特に、部活動からは先輩、後輩、同期や顧問と言った一般社会と同じ「縦の人間関係」へ変化します。
「縦の人間関係」では上下関係(力関係)や利害関係となり、「パワハラ」や「セクハラ」などのハラスメントに発展しやすいです。
また中学受験を経験した子どもの場合、「燃え尽き症候群(合格が目的になってしまった)」や「サンクコスト(せっかく○○中に受かったのにやめたくてもやめられない)」に陥ることもあります。
さらに、商品やサービスの料金も学生割引の効くものを除き、一般の料金価格となります。
特に学校制服は、中高でセットの内容が異なったり、思春期の間は体形が大きく変化することから'先を見据えた'サイズで準備しなくてはいけません。
また思春期以降は、不満や悩みを一人で抱えやすくなります。些細なことであっても親子で気軽に話し合える環境を作りましょう。
大きな問題に発展する前に、オープンな環境が大切です。
また同居の場合、もし距離が近すぎて親子関係がこじれてしまったり、反抗期がひどすぎて手に負えない場合は「引き算発想」-思い切って「親子別居(子どもを全寮制の学校やフリースクールへ進める)」というのもありです。
また、HSCスペクトラム(繊細っ子)の場合も「いい子症候群」の対策として「親子別居(子どもを全寮制の学校やフリースクールへ進める)」のような'物理的な距離感'も必要かもしれません。
'物理的な距離感'が保たれることで、親子関係の再構築ややり直しにつながりやすいです。