息子が家出をした日

みなさん、お疲れ様です。

夕方ウォーキング中に

遠くの方に白い子猫がいた。

「キャー可愛い」と思い

猫大好きな私は近づいてみた。

だんだん、近づいていくと

なんだかおかしい。

そして気づいてしまった。

白い子猫ではなく

ほとんどすり減っていて

かすかに残った車両と歩道を

分ける白線だった。

その場でボー然と立ち尽くした

美原ほなみです。

今日は、長男ケイトが

小学校５年生の時のお話。

現在高校１年生のケイト。

性格もノリも私と合うのか

いつ来るのかと待っていた

反抗期も中学でくることもなく

現在に至っている。

といってもすごく良い子な

わけではなく口も悪い。

「うっせーよババァ」

「話かけんなババァ」とか

平気で言ってくる。

もしかしてこれが

反抗期と言うのか・・・

でも私も

「オメェーもうるせぇくそガキ」

「テェメーも二度と

　話かけてくんなよ」って

ラップ調に言い返したり

ミュージカル風に言い返したり

言い終わった後に

人権を捨てた変顔したり。

するとケイトも同じように

ラップやミュージカル風に

言い返してきたり変顔できたり

結局二人で笑って終了している。

だから、様子はおかしいが

母息子仲は良好だ。

ただ、そんなケイトもなかなか

厄介な時期があった。

それが小学校５年生。

本当に生意気だった。

口答えよりもちょっとした

きっかけで機嫌が悪くなり

部屋にこもってしまうので

面倒くさかった。

その日は実家の帰り。

２０時頃だった。

自転車に乗ったケイトが

よそ見をして歩行者側に

ふらついた。

ついつい大きめの

声で注意してしまった。

プライドが出てきた子供に

やってはいけないことだった。

人前で怒られたケイトは

機嫌を損ねそのまま

違う道にいってしまった。

私達が自宅についても

ケイトの自転車がない。

少し待っていても来ない。

実家に電話しても戻っていない様子。

以前小学校6年生の子が同じように

家出をしてから行方不明になり

数年経った今も見つかっておらず

家族が情報提供をお願いする番組が

あったことを思い出した。

焦って探しに行くことに。

すると自宅から少しした所に

自転車が乗り捨ててあった。

みんなで手分けして

ケイトが行きそうな

お店を探し回った。

どこにもいない。

些細な理由でここまで

みんなに迷惑かけるケイトに

だんだん腹が立ってきた。

仕事から帰って事情を把握した

旦那は心配で仕方がない様子。

最後にずっと既読無視の

ケイトのラインに

「22時までに返事がなければ

　警察に捜索願いを出します」と

入れた。

でも、返事が来ない。

しばらくすると旦那の姿が

ない事に気づいた。

電話をすると近所の公園にいた。

私「アンタまで行方不明に

　　なってどうするの」

イライラ・・・・

旦「ケイトにパパはお前が来るまで

　　公園で待ってるってライン

　　したから、ケイトを待つ」

私「ケイト絶対来ないから

　　帰っておいで」

イライライラ・・・・

旦「俺はケイトを信じる」

私「信じる信じないじゃなくて

　　ケイトはそんな熱いタイプ

　　じゃないから来ないよ」

イライライライラ・・・・

旦「でも俺はケイトを信じ・」

私「そんなやり方で解決できんのは

　　金八先生だけなんだよ。

　　平成生まれの子に

　　昭和生まれのやり方が

　　合うわけねーだろ。

　　そんなことよりも

　　住宅街の公園に　

　　ガラの悪い髭面な男が　

　　長時間いたら通報されるぞ。

　　いいから探し回れ。

　　これ以上イライラさせんな」

とうとう爆切れしてしまった。

旦「でも、男同士の約束だから

　　俺はケイトをしん・・」

私「公園で余生を過ごせ」

電話を切る。

我が家は面倒臭い男ばかりだ。

10分ぐらいすると実家から

「気づかなかったけど

　気になって玄関に行ったら

　ケイトがいたわ。

　今お菓子食べてるから

　少ししたら帰すけど

　ケイトにもいろんな気持ちが

　あるから叱ったらだめよ」と言われた。

旦那にむかつきすぎて

ケイトへの怒りは薄れていた。

それよりも、私も口うるさく

ガミガミ言いすぎだなと反省した。

無事に帰ってきたケイト。

しばらくすると

バツの悪そうな顔で

足を何か所も蚊に刺され

「痒い痒い」と帰ってきた旦那。

どっちが家出したんだか

わからない状況だな。

その日はケイトとは口をきかず

数日経ってお互い落ち着いた頃に

家出の件について話合った。

可哀相だからパパにもちゃんと

ラインの返事をしてあげてと伝えた。

5年が経ったがそれ以降家出はないし

家族みんなに迷惑をかけるほどの

反抗もなくなった。

現在その公園は

私「右手に見えますのが

　　ケイトが初めて家出をした日に

　　髭面のおじさんが蚊に

　　刺されながら長時間待った

　　ベンチとなっております。」

我が家の観光名所になっている。

では～