モンスター客と戦った私

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みなさん、お疲れ様です。

今日40歳過ぎて初めて
肋骨を「ろっこつ」と
読むと知った。

素直な私はずっと
「じょこつ」と読み
ろっこつは「六骨」と
書くと思っていた。

それを知った旦那が
日頃の復讐ばりに
バカにしてきて
朝から気分が悪い
美原ほなみです。

今日は気分が悪いついでに
私が20歳アパレルの仕事を
していた時のお話。

某駅ビルの中の店舗に配属になり
毎日楽しく働いていた。

高校生から20歳前半を
ターゲットにしたお店だった。

小さな会社だったので
自分達で洋服の仕入れをして
ディスプレイをして
接客販売して大変だけど
充実した毎日だった。

ブラック企業なんて言葉もなかった時代。
セール時期は13時間労働で
30分休憩なんて日もあった。

20歳脳も新鮮だったのか
商品のタグ番号を見ると
どの商品かすぐに分かったし
在庫の数も全て暗記
接客した人はどの服を買ったか
数か月覚えていられた。

とにかく頭も体も
冴えまくっていた。

肋骨の読み方が
わからなくても困らなかった。

平日は2人体制。
早番と遅番。

その日店長は休みで
私は遅番だった。

早番の子が帰り
閉店まで1人の時間。

そろそろ閉店。
少しずつ閉店作業をしていた。

すると60代後半ぐらいの
おじさんがやってきた。

白髪頭で髪はボサボサ
肌は汚れボロボロの作業着。

失礼だが不潔感満載。

商品を見ていたおじさんが

「ここの店の商品を
 キャバクラの姉ちゃんに
 渡したら穴が開いてて
 怒った姉ちゃんが
 恐い人呼んでボコボコにされて
 歯が全部無くなってしまった」
口の中を見せてきた。

歯が全くない。

ピュアな私は
「わー痛そう。大変でしたね」
答える。

するとおじさんは
「歯医者に行っても
 治せないと言われた」
言ってきた。

優しい私は
「あら、可哀相」と答える。

しびれをきらしたおじさんは
「そういう事じゃなくて、お金を
 返してほしい」と言ってきた。

私「ではどの商品だったか
  覚えていますか?
  商品とレシートは
  お持ちですか」

お「この商品の白い方だよ」


おじさんが指を指した商品は
私が仕入れた服だった。

他の商品に比べ高かったので
試しに白と黒2点ずつ仕入れたもの。

黒は2点と、白は1点まだ
店頭にあったが
白のもう1点は
前日高校生親子が買っている。
接客したのではっきり覚えている。

ということは
このおじさんがこの
洋服を買うのは不可能だ。

あの親子と関係が
あるとは思えない。
やっとおじさんの
嘘に気づいた私。

私「では、洋服とレシートを
  見せてください」

お「恐い人達が
  レシートと洋服をゴミに
  捨ててしまった。
  俺に今からゴミ山に
  探しに行けというつもりか」
キレ始めたおじさん。

私「はい、そうしてください」

お「てめぇなめてるのか」
キレるおじさん。
面倒くさい・・・

私「店長に確認するので
  お待ちください」
電話を掛けに行く。

店長に電話中も
文句を言ってくるおじさん。

「少し黙ってて」
ため口で思わず
おじさんにキレる私。
素直に黙るおじさん。

店長は
「面倒だし危害を加えられたら
 困るからお金返しちゃって」
言ってきた。

「わかりました。」
電話を切ったが納得いかない。

なんで、こいつに私が
数時間働いたのと同額の
お金を渡さないといけないのか。

私「店長もレシートがないと
  いけないと言っています。」
嘘をつく私。

キレるおじさん。

本当に面倒くさい。

このやり取りの間
前のお店のスタッフが
チラチラこちらを見ている。

必死で目くばせをして
助けを求める。

そろそろ警備員がくるかな
おじさんの相手をしながら
待つがいっこうに来ない。

完全に前の店のスタッフに
見捨てられた。

もっと愛想よく挨拶して
おけばよかった。
1人で戦うしかない。

私「もう一度、店長に確認します」

お「早くしろよ。時間がないんだよ」
電話を店長ではなく
駅ビルの管理室にかける。

小さい声で店名
客クレーム至急来てと
いい電話を切る。

私「店長の確認とれたので
  少々お待ちください」
言ってわざとレジや電卓や
関係ないノートを開いて時間稼ぎ。

すると、駅ビルの
販売部長が登場。

その姿を見たおじさんが
「お前よくも騙したな」
捨て台詞を残し去って行った。
騙したのはお前の方だけど・・・

部長に
「実は、他の店舗でも数日前に
 同じ手口でお金を取られた。
 全店舗に注意するように
 伝達します。」と言われた。
もっと早く教えてよと思った。

そして、最後部長に
「そのお店の子は
 泣いてました。」
嫌味のような一言を言われた。

私を見捨てた前の店のスタッフが
「お店と不釣り合いな
 お客さんだったし
 大きい声が聞こえたから
 管理室に電話しようと
 思ったんだけど
 ほなみさんが焦った様子が
 なかったから
 勘違いだと思って」
言い訳してきた。

確かに焦ってはいない
おじさんにもアナタにも
ムカついていただけだ。

やっぱり、日頃から愛想よく
挨拶しておくべきだった。

店長にも電話で報告。
「今度から危ないから
 お金渡しちゃっていいよ」
軽く怒られた。

もちろん不満げな私。

何故、何も悪くない私が
嫌味や怒られなきゃ
いけないのか。

心配や感謝の言葉はないのか。

帰る時間も1時間遅く
なってしまった。
本当に最悪な日だった。

さすがに帰りは
おじさんに仕返し
されないか恐かったが
無事に帰宅した。

翌日は休み。
次の日仕事に行くと
私の為にお店のストック場所に
木刀が置かれていた。

電話越しでも、私の納得が
いっていないのが
わかったらしい。

店長ナイスです。
これで、どんなお客さんが
きても大丈夫だ。

20年以上前のお話でした。
では~
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