本音にたどりつくことの大切さ

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コラム
私には4歳 年中さんの甥っ子(Aくん)がいます。

私の妹(Aくんにとってはお母さん)が
「お姉ちゃん」
と呼ぶので、甥っ子も
「おねえちゃん」
と呼んでくれます 笑

大の仲良しで、保育園から帰ると一目散に会いに来てくれます。

おばあちゃん(私の母)の家はAくんの家から徒歩20秒。
「おばあちゃんの家がこんなに近い子はひまわり組にはいないよね」
「こんなにやさしいおねえちゃんがいる子はひまわり組にはいないと思うな」
が口癖。

Aくんは場面緘黙気味です。
家族の中ではおしゃべりが止まらないし、踊って歌って元気いっぱい。
でも一歩外へ出ると、話し言葉が急に減ります。動作もゆっくりに。

年少の頃は友達ができるまでにとても時間がかかり、一人でパズルで遊んだり絵本を読んだりしていたようです。

でも年度の後半ごろ声をかけてくれたのが同じクラスの女の子Bちゃん。
明るく社交的でお友達も多い。

BちゃんはAくんにいつも声をかけてくれて、一緒に遊ぶことができるようになりました。
Bちゃんが隣にいると、運動会のダンスもできる、7匹の子ヤギの劇にも参加できる!

きっと先生方はその様子を見て、クラス替えを考えてくれたのでしょう。
年中になってもBちゃんと同じクラスで、楽しく過ごすことができています。

保育園への行き渋りはありませんが、Bちゃんがいても毎朝クラスに入るシューズに履き替える時が、Aくんのスイッチオンの時。
家族といる時と、保育園にいる時のラインがそこにあります。

保育園でどんな顔をして過ごしているのか、それはお母さんにも私にもわかりません。
先生からの少しのお話が参考になっています。


そんな甥っ子のある数日の物語。

ある日Aくんは保育園のみんなとお散歩に行き、てんとう虫を虫かごに入れて帰ってきました。

その日はよほどうれしかったのか、先生からの連絡帳にも
「夢中でとっていましたよ」との報告。

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外が暗くなり始めたころ、お母さんが言いました。
「てんとう虫のえさもないしお外へ逃がしてあげれば?
何を食べるのかもわからないし…」。

でもAくんは
「いやだ」「一緒にいたい」「一緒にねる」
の一点張り。だいぶお母さんとやり取りをしていたようです。

そこへ私が「こんにちわー」とAくんの家をのぞきました。
ぷーっと膨れたほっぺにとんがらせたお口。

「どうしたのー?」と声をかけると、いったん休憩したかったのか、大好きな電車の本をもってきて私とおしゃべり。

私はてんとう虫の件にはふれずに、お母さんに任せて別れました。
さあ、、その後どうなったか気になる私。



繊細でもあるAくん。人の気持ちがとてもわかるAくん。

保育園に入る前におじいちゃんを亡くしました。

おじいちゃんがデイサービスから帰るのを、いつもおばあちゃんと待っていたAくん。

男性が苦手でしたが、おじいちゃんの孫への溺愛が伝わったのか、いつの間にかおじいちゃんに絵本を読んでもらったり、おじいちゃんも孫にねだられて、人生初のガチャガチャにチャレンジ。

絆が深まっていた最中…。

お葬式で棺に入ったおじいちゃんを見て泣き崩れました。3歳であんな泣き方をする幼児を私は初めて見たのです。

いのちの尊さを知っています。

朝起きて、てんとう虫が動かなくなっていたら、きっと泣いてしまうだろうというお母さんの気持ちと、
経験して学んでく という選択肢。
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翌日、翌々日とてんとう虫は生きていてくれました。

そして次の日の月曜日、虫かごを保育園にもっていく日の朝。
この虫かごは、友達みんながおそろいで、散歩に行くときにもって出かけるそうです。

てんとう虫が動いていないことをお父さんが発見しました。

Aくんには、動いていないことは伝えなかったそうです。

「今日、保育園に虫かごをもっていかなくちゃいけないから逃がしてあげようね」
とAくんに伝え、Aくん納得のもと野原に帰っていきました。

その日、保育園から帰ったAくん。私にこっそり教えてくれました。

「あのね、おねえちゃん。Bちゃんと一緒にとったてんとう虫だったから、一緒にいたかったの」。

そうかー。私は思いました。
そこにもBちゃんの存在があったのね。教えてくれてありがとう。



数日後、私がお母さんの代わりにAくんの保育園のお迎えに行くこととなりました。

Bちゃんはいつもお父さんのお迎え。
Aくんが教えてくれました。
「あの人がBちゃんのお父さん」。

私はすかさず
「いつも仲良くしてくれてありがとうございます」
とお父さんとBちゃんに伝えました。

するとなんとお父さん、
「いやいや、Aくんの存在はBのこころの安定剤になっていますから」って。

ひぇ~!! 「こころの安定剤?」
Bちゃんは友達が多いからそんなことはないはず。
でもその言葉がとてもうれしくてうれしくて。

「BちゃんはAくんがいるから楽しいんだって」
とAくんに伝えると、はにかみ笑顔。

甥っ子を通してたくさん学んでいます。

親ではなく(親心はいっぱいですが 笑)第三者だからこそ、言葉の裏にある想いに気づくことができるのかもしれません。

子育てをしているお父さん・お母さん、障害をもつ子どもさんの子育てをしているお父さん・お母さん。

子育ては大変です。家族だと どうしても高ぶった感情がたくさん出てくることも多いです。それはあたりまえのこと。

だからこそ、保育園・学校・福祉課・教育員会・スクールカウンセラー・学童・放課後児童デイサービス等第三者の味方をたくさん見つけてくださいね。

きっと子どもさんのすてきな魅力がたくさん見つかると思いますよ。

私も、教育・障害・福祉にかかわる仕事をしてきました。
みなさんの味方の一人になることができればうれしいです。



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