新しい自分へ…21

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娘を引き取ってから初めての「登園」。

事前に保育園の先生や園長先生からはとても温まる言葉をもらっていて、本当に救われた。
「お母さん、よく頑張ってきましたね…、これからはお母さん一人で頑張らないように私たちを頼ってくださいね!」
と…。

保育園の準備はまだ完璧とまではいかなかったが、先生たちは「少しづつでいいから」と言ってくれていた。

登園当日、娘はやや緊張していたようだが、なにか様子が変だ…。
娘を保育園に預けて仕事に向かおうとすると、娘は急に
「行かないで!」と泣き出したのだ。

先生もビックリした様子だったが、「そうか…ここも施設と同じだと思っているのか…。」とすぐに察することができた。
だから私は「ちゃんと夕方迎えにくるよ!約束!」といい、指切りをして、まだグズグズ泣いている娘を先生に預け、私は仕事に行った。

私は「しばらくは保育園の迎えの時間を早い時間にしよう」と思った。
幸い、「保険屋」は時間の自由は効く会社だ。
けれど一応、上司にも相談して早めに帰宅させてもらえることになった。

心配だけれど、それでも一緒に進んで行くしかない!

本当は1週間くらい仕事を休もうか悩んだが、まだ下の息子のこともある…。

早めに迎えに行って「本当に迎えに来てもらえる」という安心を持ってもらうのが精一杯だった。

その日は15時で会社を出て娘を迎えに行った。

保育園に入ると1番に私を見つけて「おかぁさ~ん!」と半分泣きながら走ってきた。

「ほら、ちゃんと迎えに来たでしょ(*^^*)」というと娘もホッとした様子で「うん!」とうなずいた。

先生に少し様子を聞いたが、みんなの前では泣いたり困らせることはなかったと…。
娘ながらに周りに気を使っていたんだな、と先生と私とで話をした。

周りの園児とは少しづつ打ち解けていたようで「ままごと」をしたり、絵本を読んだりしたそうだ。
給食も残さずちゃんと食べた、ということで私も安心した。

帰りは車の中で「今日は何をして遊んだの?」とか「今日は何を食べたい?」などと話しをしたりして帰った。

彼はもう仕事に行ってしまったから、またしばらく帰ってこれないだろう…。
けれどマメに連絡は取れていたから心強かった。

家に帰ってきて少しの時間、娘を膝の上に乗せて本を読んであげたりテレビを一緒に見たりしていた。
夜ご飯の時間になり、娘の好きな食べ物を作って二人の時間を過ごした。
お風呂も一緒に入って、寝る前に彼に電話をすることにした。
娘が「お父さんとお話がしたい」というのだ。

電話を掛けると彼はすぐに電話に出た。
「仕事中ごめんね、娘が話したいって、代わるね」というと
娘と何か話しているようだった、内容までは覚えていないが、とても楽しそうに、そして嬉しそうに話していた。
娘はたくさん話して安心したのか、電話が終わるとすぐに寝てしまった。

次の日も、その次の日も私は早めに会社を出て娘を迎えに行くという日が続いた。
1週間くらいだろうか…。
先生が「そろそろ娘ちゃんも慣れてきたから、お母さんそんなに早くお迎えに来なくても大丈夫ですよ」と言ってくれた。
私は「ありがとうございます。少しずつ時間をずらして迎えにきます」といい、次の週からは16時ころに迎えに行くことにした。

そうしていくうちに娘は「もっと保育園で遊んでいたい!」というようになった。
嬉しかった。

「迎えに来る」という安心感と「友達」ができたなら、こんなにうれしいことはない。

けれど時折、ふと辛くなる時があった。
本当は「トイレトレーニング」とか、誕生日とか…。
息子と一緒に遊ぶとか…
たくさんの「時間」を私は見ることも、そして喜ぶこともできなかったな…。

もちろん子供たちも一生懸命に頑張ってるし我慢もしただろう…
けどそれは「普通」の子供が普通に生きていると「体験しなくていい我慢」の連続だったと思う。

それを思うと本当に今でも胸が苦しくなる時がある。


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