【「そこの阪神おじさん!」】

記事
コラム
 私は、普段、外出時には阪神の野球帽に
 阪神の刺繍の入った黒マスクをしている。
 そのことで、ちょっとしたことがあった。
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 過日、イトーヨーカドー2階、専門店街
 との境の通路で、何らかの客引きの社員
 らしい男性に、通り過ぎざま、「そこの
 阪神おじさん!」と声掛けされた。恰好
 の所為だろうと無視して外に出たのだが、
 客の気を引きたいのなら言葉のかけ方を
 考えたらどうだとも思った。この男性が
 社員なら、客に対する見方や態度、言葉
 の使い方、かけ方を徹底的に反省させて、
 再教育する必要があるだろう。何よりも、
 客の外面的な特徴を捉えて、取りように
 よってはバカにされていると思われても
 仕方のない言葉がけをするということは、
 客の、そして、人一人一人をこの男性が
 尊重できていない証だと言えるであろう。
 イトーヨーカドーにこの旨をメールして、
 当該人物に心当たりがあれば厳重注意の
 上、再教育の徹底を願うと言っておいた。  
 二日後にあったイトーヨーカドーからの
 メールによると、法人が異なる催事業者
 のスタッフであるらしく、私の個人情報
 を伏せた上でイトーヨーカドー側責任者
 を通じ、指摘した内容をその催事業者の
 責任者に伝え、従業員へ接客教育の徹底
 について申し入れをしたとのことだった。
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 誤解されないように言っておくが、私は、
 この件で怒っている、という訳ではない。
 客の気を引きたいのなら言葉のかけ方を
 考えた方が良かろうと純粋に思ったので、
 イトーヨーカドーにこの旨を伝えたまで。
 怒るより、こういう人物の認知の構造と
 いうか、親しみを込めてなのか見下して
 いるのか分かりかねる言葉を平気で客に
 かけられるという性質に興味があるのだ。
 厳重注意を願い出たのは、認知や事情が
 どうであれ、また、私が怒っていようと
 いまいと、店と客の間の暗黙のルールに
 外れるようなことには注意すべきだから。
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 実際、キャンペーンか何かで、外見から
 親しみを覚えてつい口に出た、「そこの
 阪神おじさん!」であるかも知れないし、
 その時の彼がどんな気持ちでそこにいた
 かも考えねばなるまい。自尊感情の低い
 人ほど下方比較を行いやすいというから、
 案外そういったようなことで、仕事とは
 言え、通路の真ん中に一人で立っている
 ことに惨めさを感じていたかも知れない。
 その惨めさを払拭して明るく振る舞おう
 とした結果、若干羽目を外したのだとも
 言えなくもない。或いは、相手の外見を
 論いその価値を貶めることで自己評価を
 高めようとする意識の表れかも知れない。
 いずれにせよ、心理学的に様々な仮説が
 立てられる。私の専門(と言うこと自体
 おこがましい)はカウンセリング心理学
 だが、このような日常の出来事から各種
 の心理学に少しづつでも学びが広がって
 いく。だから、日常の何でもない一コマ
 こそが面白いし、目が離せないのである。
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 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
阪神おじさん.jpg

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