マーケティング入門 PEST分析

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ビジネス・マーケティング
マーケティング担当になったものの、何から手をつけていいか分からない方も多いのではないか。

マーケティングにおいては、色々と研究されているため、様々な教材や書籍が出ているものの、部分的なものやHOW的なものが多く、きちんと順序立てて体系的に教えてくれるものはあまりないという印象を受ける。

だから私自身マーケティングを初めて担当になった時も何から手をつけたらいいのか分からず、とりあえず目先の販促活動だけを行っていた。

そのうち販促=マーケティングと勘違いをし、顧客ウケするキャンペーンや販促物の作成&研究ばかりしていたのだ。

私と同じく、マーケティング担当になったものの目先のキャンペーンなどに振り回されて、販促を行うことがマーケティングだと勘違いしている方も多いのではないか。

そもそも日本ではマーケティング担当がいないこともあるなど、マーケティングの重要性を理解していないところも多い。

マーケティング戦略を用いることで業績を大きく伸ばすことができるのに・・・非常にもったいない。

私は結局教えてくれる人が周りにいなかったため独学で勉強し、自身の中で体系立てた。そして衣料品通販会社でCMO(Chief Marketing Officer)を任された時に経営者視点で学ぶことができ、さらに成長させることができた。

だからブログでできる限りマーケティングの教科書的な内容をお伝えしていきたいと思っている。

順々に記載していこうと思うので、マーケティング担当者や経営者はしっかりと勉強してほしい。

マーケティングをする上でいくつか分析のフレームワークがあるが、今回はPEST分析からお伝えしていこう。

なぜならPEST分析とは一番大きな枠でマーケットを理解する分析手法であり、マーケティングにおいてマクロな視点からミクロな視点に分析していくのが基本とされているからだ。

それでは下記にお伝えしていく。

PEST分析とは


先ほどお伝えした通り、PEST分析とはマクロな視点での分析手法となる。

具体的には、

P:Politics(政治的要因)
E:Economy(経済的要因)
S:Society(社会的要因)
T:Technology(技術的要因)

の4つの要素でマーケットを見ていく手法だ。

P:Politics(政治的要因)

法律や条例、規制緩和や税制の変化など、行政の動きは時に強制的な制限、もしくは緩和の流れを促す。これにより企業も臨機応変に対応していかなければならないことがある。

これは市場のルールが変わるということなので至極当然のことだ。

自社と関係のない市場でのルール変更は基本的には対象外となるが、それが回り回って自社の市場を脅かすことになれば話は別となるため、ルール変更が起きた時は頭を回転させて今後どうなることが予測されるのかイメージしよう。

たとえば、日本にAirbnbが進出してきた際、多くの一般人がこぞって民泊事業に参入したが、民泊新法によりサービス提供が180日までなどのルールが加わったことにより多くの業者が採算が取れなくなり撤退した。

このようにPEST分析では、マクロ環境の変化が市場そのものの構造を変えることを見据えて予測を行わなければならない。

E:Economy(経済的要因)

景気の状態や物価、為替の変化など、経済環境の変化を捉えよう。

事業内容によっては国内だけではなく、各国の経済成長や金利の変化なども見る必要がある。

国内だけでなく、海外企業とのやり取りがある場合は為替が1円上下するだけでも利益に億単位で影響を与えることはざらにあるので、長期的な予測は欠かせない。(もちろん企業で為替ヘッジはかけているが)

経済的要因ではこのように、表面的な数字だけではなく踏み込んで観測する必要がある。

今では米国と中国の政治的対立が激化しており、最近では下記記事のようなこともある。

今週だけを見ても、中国のバイトダンス(字節跳動)が運営する短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」について、米国内での使用禁止を政権として検討しているとトランプ大統領が認めたほか、大統領の側近の一部が香港ドルの米ドルとのペッグ制度に打撃を与えるよう望んでいることが分かった。米国の大学で毎年学ぶ何十万人もの中国人留学生のビザ(査証)発給に関しても懸念が生じている。
(Bloombergより引用)
このような場合は、米国内でTikTokでのブランディングはひとまず置いておかなければならないし、中国で米国向けに留学生を斡旋するビジネスは危険信号が出ている。香港とのビジネスで香港ドルを扱っている場合は通貨リスクが出てくるため危険だろうと予測ができる。

また、これらの米中対立により、さらに株式、為替市場が大きく変動することになることは言うまでもない。

S:Society(社会的要因)

我々を取り巻く社会全般の動向を指し、流行やライフスタイルなどが対象となる。

これらは数字で具体的に把握できるものではなく、新しい流行やライフスタイル、事件、イベント事などの「変化」を調査する。

最近ではコロナ禍でのテレワーク化やオリンピックなどが調査対象となる。

T:Technology(技術的要因)

デジタルディスラプションと言われるが、技術の進歩により、それまで通用していた競争力が失われたり、新しい技術が新しい市場を創り出したりする市場の変化を見ていく。

近年ではキャッシュレス決済やAI、5G関連が非常に成長している。特にAIやロボットの進歩により49%の仕事が無くなるとも言われている(野村総合研究所調べ)ため、無くなるとされているビジネスには早急なテコ入れが必要だ。

PEST分析例

例えば

P
・改正資金決済法の施行
・派遣労働者の同一労働・同一賃金の原則
E
・オリンピックの延期
・新型コロナウイルスによる大規模な経済損失
・米中貿易摩擦
S
・キャッシュレス決済の促進
・レジ袋の有料化
・テレワーク化
T
・5G
・自動運転
・遠隔医療

のように各要素をそれぞれ箇条書きで書き出し、それらと事業を照らし合わせ、どういうことが言えるのかを分析する。

何でもそうだが、調査したデータやファクトを並べるだけでは意味がないのだ。そこから何が言えるかの So what ? のアウトプットが重要なのだ。



以上ここまでお読みいただきありがとうございます。

何か不明点、意見があればコメント頂けたらと思う。


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