【詩】LOOP

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僕以外の時間が止まったのは
僕が死んだせいなのか それとも生きているせいなのか
誠実さが僕を切り捨てて 狡猾さが僕を救った/何故?
濁った針と痛んだ糸で
縫い合わせてくれなくても良かった
関節ごとに指が転がる ころころ
そのままで良かった

真実が僕を見捨て 嘘が僕を拾い上げた
生命を繋ぐ肉体が 心臓を押しつぶそうとする/何故?
前を向くために涙があるのなら
涙が出ないのは 全てをあきらめたのか
探しても何処にも見つからないので
僕のアナウンス
「行方不明になりました」
「行方不明になりました」

「始まり」は始まって 「終わり」はもう終わったのか
どんな幸せにたどり着いても その先に不幸はいつかあって

分かっていると思っていた
自分のこと 全てのことが
裏側だ
全部あの黒いカーテンの 裏側だ
それを理解する前に
考えることすらできなくて
もちろんその外の光景を覗く勇気など
疾うに亡くし
ただ心が
歪んでいく……
歪んでいく……


(Repeat……Repeat……)

(自分による自分の恐怖を 繰り返していれば)
(疑心暗鬼な過去の幻覚に 囚われ続けていれば)
(現実の恐れを見なくて済む)
(その屈折した思考に)
(気がつくことなどない)

(Repeat……Repeat……)


――以下、たどり着けない場所

この世界にいる彼女にとっては
アスファルトの蟻を気にしないのと同じくらい
どうでも良い話だろう



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