『空気(人の気持ち)に敏感』な事で悩んでいる人へ

記事
コラム
HSPの人って、周りの人の気持ちを感じ取りすぎて困る事ありませんか?

空気を読みすぎてしまうとか、相手がストレスを感じていると、それに引っ張られてしまうという悩みを経験した事はないでしょうか?

中には、人といると自分の気持ちがわからなくなったり、今の気持ちや行動は自分の意思なのか周りに影響されたものなのか迷ったりするなど、人それぞれに表現や感じた方は違いますが、HSP気質の人は少なからず、この様な経験をしたことがあると思います。

HSP気質の人が空気を感じすぎてしまう理由は、HSP気質の人の脳にあるミラーニューロンの影響で、周囲の人の気持ち(空気)を感じ取ってしまう共感性(感受性)を持っているからです。

これは気質として、もともと備わっているものなので、『感じ取る・感じ取らない』を自分で意識的にコントロールできるようなものではなく、普段から自然体に反応してしまう個性(習性)です。

なので、基本的に自分自身が周りの気持ちに反応しているという事実に無自覚な事が多く、一種の癖のように知らぬ間に周りに配慮した行動をとっています。
※特に子供の事はこの傾向が強く、本人はその事には気が付きません。

その為、『人の空気に流されずに、自分の好き嫌いや感情を表に出して、自分の意思で行動選択できる気質の人』を見た時に、『人の気持ちを考えて行動選択してしまう気質』である自分たち(共感性のある人・HSP)の考え方や価値観を比べて、はじめてその違いを意識します。
※私の経験では、人と積極的にかかわる事が多くなり、行動の違いを意識し始める思春期あたりから、自分と人の性格の違いを感じ、自分の性格に違和感を感じる事が多くなりました。

☆空気を読みすぎてしまうことで感じる『息苦しさや生きづらさ』の原因を考察する


HSP気質の人が、現在『自分自身が空気を読みすぎて気づかいしすぎてしまう。』と感じている原因の多くは、現在の社会の共通する価値観の中に、『自分のやりたい事は周りを気にせず自分の為にを押し通すことが普通(当たり前)』という無言の圧力のようなものを感じる事で、そうならなくてはいけないという気持ちを掻き立てられてしまっているからではないかと考えています。
※社会全体から感じるプレッシャーの中に、『自分のしたい事を我慢して人に譲る(忖度)する気遣いは今の時代に必要ない・間違っている』と受け取ってしまう偏見のようなものを感じてしまうのだと思います。

私たちHSP気質にとっては、『人の感情に反応する特徴』がパーソナリティ(個性・生まれつき)であるので、周囲(社会や世間)から『自分たちの感覚や考え方(無意識に人に気遣いをしてしまう)が間違っている。こういうように考えている事はおかしい。』と思われていると感じたり、『そうしてはいけない』と否定されているような圧迫感として受け取ってしまうのです。

その様な圧迫感を感じる事が多くなる中で、私は『なんで自分は周囲と違って、自分の事より人の意見を優先してしまうのだろう?』『なぜ自己主張を通そうとすることや、人と競う合おうとすることに罪悪感を持ってしまうのだろう?』『自分は何で周りの空気(人の気持ち)ばかり気になってしまうのだろう?』など、自分の性格に対して疑問や葛藤、罪悪感、劣等感(自己嫌悪)を抱いていました。

特に、この悩みや葛藤を強く抱くようになったのは、2000年代後半から現在までの15年間で、より強く感じるようになったと思います。
※それより以前は、そこまで『人に気を使う』『空気を読む』という自分の性格に対してネガティブにとらえてはいませんでした。

この考え方を持つようになった要因の一つとしては、ちょうどその辺りから、ネットやSNSなどで自分の意思を示す傾向が強まり、『自分の為』『自分を通す自由』のような個人の主張を通せる社会になっていった中で、それとは正反対に「相手の事を考えてしまう事がやめられない」性格である自分自身は、とても社会に息苦しさ・生きづらさを感じるようになったのだと分析します。

そして、この何とも言えない気持ちを、あえて言葉にするなら『周りから人の事を心配し考えている事を信じてもらえなず、事実ではないと疑われている。実際の気持ちが伝わらない。自分らしく周りの事を考えて行動すると偽善者としてみられ、理解してもらえない。』というもやもやする気持ちを強く持っていた為だと思います。

だからこそ、自分のその息苦しさの正体を知ろうとして約14年間、自己分析や人の性格との違いを研究していたのですが、今、HSP気質というものが世の中で取り上げられてきたことで、初めて自分の気質の正体と理由が客観的に見えるようになり、自分以外にも同じような悩みを抱えている人がいた事を知ることが出来たんです。

改めて思うのは、この共感性(感受性)は、決して人の事を気にしすぎて自分を抑えてしまうというネガティブな部分ではなく、人間関係の中で表立っては見えない人の気持ちの変化を感じ取れるという、人への気遣いが自然体で出来る性質だという事。

自分の意見と人との意見が対立して和が乱れる事を防ぐという意味では、非常に役に立つ特性(良い部分)であると思えるようになりました。

悩んでいた当時は、孤立感であったり、自分と人との間で葛藤を抱え、自分の性格に罪悪感を感じるなど苦しい思いをする事が多かったんですが、HSP気質を知る事でようやく、自分の『人の気持ちが感じすぎてしまう性格』の客観的なプラス面に気が付くことが出来ました。

なので、今もこの『人の気持ちを感じすぎてしまう性格』を、自身のネガティブな部分と捉えて悩んでいる人たちには、実際はそうではなく、本当は人の気持ちを理解できる素晴らしい性格という事を知ってもらいたい。

そして、こういう考え方をする人が世の中にはたくさんいて、決して『偽善者』などの、よく思われたいから評価の為に行うのではなく、気質として人のストレスを感じ取り、自分の事のように心配して放っておけない性格が存在することを理解してもらいたいなと強く思います。

自分のHSP気質という特徴を大切にして欲しいなと思っています。

『自分の為』を優先する人、『人の為』を優先してしまう人、この二つの気質があって、双方が互いに社会で関わりを持って生きている事を知ってもらいたいのです。

無理にどちらかに合わせる必要はなく二つある事、を理解してもらいたい。

そうすれば、もっと社会は生きやすくなるはずだから。






サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す