巻頭・体験談
今から十数年前のことです。
私の地元のサッカークラブに所属していた R君 のお母さんから、
「サッカーだけでなく、勉強も少し見ていただけませんか」
と頼まれました。
R君は、サッカーで言えばとても分かりやすいタイプの選手でした。
ゴール前までの動きは抜群にいい。
視野も広く、流れも読める。
ただ、最後のひと押しが少し甘い。
勉強でも、まさに同じでした。
ある日、漢字テストがあるというので、
出そうな漢字を一緒に確認していました。
すると彼は、ノートにこんな字を書いたのです。

R君が書いた漢字
お分かりでしょうか。
「班」という字を、ほぼ覚えている。
でも、最後が決まらない。
私はその字を見た瞬間、
「ああ、この子は理解していないわけじゃないな」
と思いました。
そこで、私はこう言いました。
「『おう・リ・おう』だよ」
王があって、リがあって、また王。
それだけです。
するとR君は、
「あ、なるほど!」
と笑って、その場で何度か書き直しました。
それ以来、
彼が「班」という字を間違えたことは一度もありません。
このとき、私はあらためて確信しました。
子どもは一人ひとり違う。
それは当たり前のことです。
でも本当に大切なのは、
その違いを認めた上で、
その子に合った残り方を一緒に見つけてあげることなのだと。
この記事で紹介する「ありえない勉強法」は、
すべて、こうした現場の一瞬から生まれたものです。
正しいかどうかより、
覚えられるかどうか。
効率より、残るかどうか。
そんな視点で45年積み重ねてきた実践を、
ここから一つずつ、まとめていきます。
巻頭・思想まとめ
「だから私は ありえない を大切にしてきた」
だから私は、「ありえない」と言われる勉強法を、あえて大切にしてきました。
正しいかどうか。
効率的かどうか。
理屈として合っているかどうか。
それらはもちろん大事です。
けれど、教室で本当に子どもを変えたのは、
「その子の頭に残ったかどうか」でした。
一見ムダに見える語呂合わせ。
ふざけているように見える言い回し。
遠回りに見える覚え方。
それでも、
その子が笑って、
「あ、分かった」
と言った瞬間、
記憶はもう消えません。
私は、成績の良い子だけを見てきたわけではありません。
むしろ、
「がんばっているのに結果が出ない子」
「あと一歩で届かない子」
そういう子たちと、長い時間を過ごしてきました。
だからこそ分かります。
勉強は、
正しい順番で理解してから覚えるものではなく、
覚えられたものから理解が始まることがある、ということを。
「ありえない勉強法」とは、
奇抜さを競うものではありません。
その子にとっての 入口 を探すことです。
この記事に収めた #1〜#6 は、
すべて、そんな現場の判断から生まれました。
どれも、特別な才能を持つ子のための方法ではありません。
「正攻法でつまずいた子」が、
もう一度前を向くための工夫です。
ここから先は、
私が45年の指導の中で試し、
失敗し、
それでも「これは残った」と確信できた方法を、
一つずつ紹介していきます。
この記事で得られること(3つ)
1)「がんばっているのに伸びない」を脱出する残し方が分かる
正しい勉強法の前に必要なのは、頭の中に残る仕掛け。
暗記が抜ける・理解がつながらない原因を、現場の視点でほどいていきます。
2)家でも再現できる「具体的なやり方」が手に入る
一つひとつの勉強法は、難しいテクニックではありません。
今日から試せる形にしてあるので、親子でも、独学でも、すぐ使えます。
3)入試で点になる 発想の回路 が育つ
「ありえない」は遊びではなく、思考力の土台。
規則性や思考力問題で必要な、切り替え・ひらめき・見方の変化を、自然に身につけられます。
まずはここから:タイプ別おすすめ読み順
この記事は、上から順に読んでも構いません。
ただ、悩み別に読むと、より早く効果を実感できます。
ご自身(あるいはお子さん)のタイプに近いところから始めてみてください。
① 暗記が苦手・覚えてもすぐ抜けるタイプ
おすすめ順
▶ #3 語呂合わせ記憶術
▶ #2 ありえない画像で覚える
▶ #5 カンニングペーパー作戦
この順番の理由
まず「残す」感覚を作り、
次に記憶のフックを増やし、
最後に情報を整理・圧縮します。
暗記に苦手意識がある子ほど、この流れが効きます。
② ミスが多い・点が安定しないタイプ
おすすめ順
▶ #4 失敗が一生モノの記憶になる瞬間
▶ #1 答えがひとつじゃない数学の授業
▶ #6 教科書をバラして持ち歩く勉強法
この順番の理由
ミスの正体を言語化し、
考え方の幅を取り戻し、
最後に「いつでも確認できる状態」を作ります。
ケアレスミスが減り、点が安定します。
③ テスト前に焦る・何から手を付けていいか分からないタイプ
おすすめ順
▶ #5 カンニングペーパー作戦
▶ #6 教科書をバラして持ち歩く勉強法
▶ #3 語呂合わせ記憶術
この順番の理由
まず範囲を絞り、
次に行動のハードルを下げ、
最後に覚える。
「やる気」ではなく「動ける仕組み」を先に作ります。
④ 正攻法で行き詰まっているタイプ(番外)
おすすめ順
▶ #1 → #2 → #3 → #4 → #5 → #6
この順番の理由
考え方 → 記憶 → 定着 → 修正 → 圧縮 → 運用。
一冊を 思考の流れ して読み直すと、
勉強の全体像がつながります。
最後に
勉強に「万能の正解」はありません。
でも、「その子に合う入口」は必ずあります。
この記事が、その入口を見つける手助けになれば幸いです。
巻頭・体験談
今から十数年前のことです。
私の地元のサッカークラブに所属していた R君 のお母さんから、
「サッカーだけでなく、勉強も少し見ていただけませんか」
と頼まれました。
R君は、サッカーで言えばとても分かりやすいタイプの選手でした。
ゴール前までの動きは抜群にいい。
視野も広く、流れも読める。
ただ、最後のひと押しが少し甘い。
勉強でも、まさに同じでした。
ある日、漢字テストがあるというので、
出そうな漢字を一緒に確認していました。
すると彼は、ノートにこんな字を書いたのです。
R君が書いた漢字
お分かりでしょうか。
「班」という字を、ほぼ覚えている。
でも、最後が決まらない。
私はその字を見た瞬間、
「ああ、この子は理解していないわけじゃないな」
と思いました。
そこで、私はこう言いました。
「『おう・リ・おう』だよ」
王があって、リがあって、また王。
それだけです。
するとR君は、
「あ、なるほど!」
と笑って、その場で何度か書き直しました。
それ以来、
彼が「班」という字を間違えたことは一度もありません。
このとき、私はあらためて確信しました。
子どもは一人ひとり違う。
それは当たり前のことです。
でも本当に大切なのは、
その違いを認めた上で、
その子に合った残り方を一緒に見つけてあげることなのだと。
この記事で紹介する「ありえない勉強法」は、
すべて、こうした現場の一瞬から生まれたものです。
正しいかどうかより、
覚えられるかどうか。
効率より、残るかどうか。
そんな視点で45年積み重ねてきた実践を、
ここから一つずつ、まとめていきます。
巻頭・思想まとめ
「だから私は ありえない を大切にしてきた」
だから私は、「ありえない」と言われる勉強法を、あえて大切にしてきました。
正しいかどうか。
効率的かどうか。
理屈として合っているかどうか。
それらはもちろん大事です。
けれど、教室で本当に子どもを変えたのは、
「その子の頭に残ったかどうか」でした。
一見ムダに見える語呂合わせ。
ふざけているように見える言い回し。
遠回りに見える覚え方。
それでも、
その子が笑って、
「あ、分かった」
と言った瞬間、
記憶はもう消えません。
私は、成績の良い子だけを見てきたわけではありません。
むしろ、
「がんばっているのに結果が出ない子」
「あと一歩で届かない子」
そういう子たちと、長い時間を過ごしてきました。
だからこそ分かります。
勉強は、
正しい順番で理解してから覚えるものではなく、
覚えられたものから理解が始まることがある、ということを。
「ありえない勉強法」とは、
奇抜さを競うものではありません。
その子にとっての 入口 を探すことです。
この記事に収めた #1〜#6 は、
すべて、そんな現場の判断から生まれました。
どれも、特別な才能を持つ子のための方法ではありません。
「正攻法でつまずいた子」が、
もう一度前を向くための工夫です。
ここから先は、
私が45年の指導の中で試し、
失敗し、
それでも「これは残った」と確信できた方法を、
一つずつ紹介していきます。
この記事で得られること(3つ)
1)「がんばっているのに伸びない」を脱出する残し方が分かる
正しい勉強法の前に必要なのは、頭の中に残る仕掛け。
暗記が抜ける・理解がつながらない原因を、現場の視点でほどいていきます。
2)家でも再現できる「具体的なやり方」が手に入る
一つひとつの勉強法は、難しいテクニックではありません。
今日から試せる形にしてあるので、親子でも、独学でも、すぐ使えます。
3)入試で点になる 発想の回路 が育つ
「ありえない」は遊びではなく、思考力の土台。
規則性や思考力問題で必要な、切り替え・ひらめき・見方の変化を、自然に身につけられます。
まずはここから:タイプ別おすすめ読み順
この記事は、上から順に読んでも構いません。
ただ、悩み別に読むと、より早く効果を実感できます。
ご自身(あるいはお子さん)のタイプに近いところから始めてみてください。
① 暗記が苦手・覚えてもすぐ抜けるタイプ
おすすめ順
▶ #3 語呂合わせ記憶術
▶ #2 ありえない画像で覚える
▶ #5 カンニングペーパー作戦
この順番の理由
まず「残す」感覚を作り、
次に記憶のフックを増やし、
最後に情報を整理・圧縮します。
暗記に苦手意識がある子ほど、この流れが効きます。
② ミスが多い・点が安定しないタイプ
おすすめ順
▶ #4 失敗が一生モノの記憶になる瞬間
▶ #1 答えがひとつじゃない数学の授業
▶ #6 教科書をバラして持ち歩く勉強法
この順番の理由
ミスの正体を言語化し、
考え方の幅を取り戻し、
最後に「いつでも確認できる状態」を作ります。
ケアレスミスが減り、点が安定します。
③ テスト前に焦る・何から手を付けていいか分からないタイプ
おすすめ順
▶ #5 カンニングペーパー作戦
▶ #6 教科書をバラして持ち歩く勉強法
▶ #3 語呂合わせ記憶術
この順番の理由
まず範囲を絞り、
次に行動のハードルを下げ、
最後に覚える。
「やる気」ではなく「動ける仕組み」を先に作ります。
④ 正攻法で行き詰まっているタイプ(番外)
おすすめ順
▶ #1 → #2 → #3 → #4 → #5 → #6
この順番の理由
考え方 → 記憶 → 定着 → 修正 → 圧縮 → 運用。
一冊を 思考の流れ して読み直すと、
勉強の全体像がつながります。
最後に