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「三つの試練」――カネボウ破綻・白斑事件・カネボウ消滅を経験した男の物語

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会社員の悩みとマネー相談の二刀流FP

2026年08月18日 19:33

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白斑事件の涙と、カネボウ消滅の痛みを語る。

私は長い会社員人生の中で、三つの大きな試練を経験しました。

第1の試練:カネボウの経営破綻と産業再生機構支援

かつて日本を代表する企業だったカネボウが、深刻な経営危機に陥り、 2004年、産業再生機構の支援を受けることになりました。

本社管理部門にいた私は、「沈み始めた船の中で、最初に水が入ってくる場所」 にいました。

会社の数字が悪化し、内部に不穏な空気が漂い始めた頃、 同じ部署の仲間数人が転職活動を始めました。

私は必死に言いました。

「まだ会社は再生できる。 今ここで逃げるのは早い。」

しかし、誰一人として耳を傾けてくれませんでした。

仲間が次々と辞めていく状況に耐えられず、 私は直属の上司に相談しました。

「転職を思いとどまるよう、説得していただけませんか。」

そのとき返ってきた言葉は、 私の想像をはるかに超えるものでした。

「転職阻止は無理だ。この会社に未来は無い。 私も転職する。 お前も自分の将来をよく考えろ。」

私は言葉を失いました。

仲間が去り、上司まで去る。 沈み始めた船の中で、 自分だけが取り残されたような感覚でした。

しかし、私は逆にこう決めました。

「自分は逃げない」

沈み始めた船を最後まで見届ける。 それが本社管理部門にいた自分の責任だと思ったからです。

そして私は産業再生機構の企業再生プロジェクトに志願し、 昼夜を忘れて会社の再生に向き合いました。

第2の試練:カネボウ白斑事件

企業再生を終えた後、私は花王でマーケティングに携わりました。

そして2013年、 ロドデノール配合製品による白斑様症状が発生し、 自主回収が発表されました。

化粧品は本来、 「肌と心のキレイ」を届ける仕事です。

それが、お客様の肌と心を傷つけてしまった。

そして最前線で謝罪し続けたのは、 毎日お客様の肌と向き合ってきた美容部員さんたちでした。

返品の山。 震える手で商品を受け取る美容部員。 泣きながら対応する姿。

その中で、お客様の中にはこう言ってくださる方がいました。

「悪いのは会社です。あなたは悪くない。」

私はこの言葉を聞いたとき、胸が詰まりました。

第3の試練:カネボウ消滅

企業再生に身を捧げた私が、 最後に経験した最も重い試練。

それは―― カネボウという会社そのものが消えていくことでした。

私は社長室部長として、 社員にこう伝える立場にいました。

「明日からカネボウのバッチを外し、 月のマークのバッチを付けることになります。」

そのとき、昔の仲間から言われた言葉。

「おまえは、月のマークに魂を売ったのか?」

私はこの言葉を忘れません。

逃げずに残り、 企業再生に身を捧げた自分が、 最後にはカネボウのバッチを外す側に立っていた。

この皮肉は、 言葉では表現できないほど苦しいものでした。

会社は永遠ではない

三つの試練を通して、私は知りました。

  • 会社は永遠ではない

  • 会社がなくなっても、自分まで消えるわけではない

  • 経験は奪われない

そして今、私は個人事業主として働いています。

ここから先では、 白斑事件の核心、 美容部員の涙、 経営危機の兆候、 カネボウ消滅の裏側、 そして私自身の再生の物語をお話しします。

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