まえがき
パチンコ・パチスロという言葉を聞いたとき、人によって浮かぶ印象はかなり違うと思います。
昔は身近な娯楽だったと感じる人もいれば、今は少し距離のあるものだと感じる人もいるはずです。
実際、パチンコ・パチスロは長いあいだ多くの人に親しまれてきた一方で、近年は遊技人口離れが進んでいると言われることも増えました。
では、なぜ人は離れていったのか。
それでもなぜ、この業界は今も続いているのか。
そして、店の中では実際に何が起きているのか。
外から見ているだけでは、わからないことがあります。
派手な演出、出玉、勝ち負け、うるさい店内、なんとなくのイメージ。
パチンコ業界は、そうした表面的な印象だけで語られやすい世界です。
ですが、その奥には、お金の流れがあり、店の経営があり、メーカーとの関係があり、そして何より、人の心理があります。
私はこの業界に10年以上身を置いてきました。
だからこそ見えてきたことがあります。
もちろん、業界のすべてを知っていると言うつもりはありません。
店舗ごとに違いもありますし、立場が違えば見え方も変わります。
それでも、中の人だからこそわかること、中にいなければ実感しにくいことは確かにあります。
たとえば、お客様が大きく負けたからといって、その金額がそのまま店の最終利益になるわけではないこと。
売上と粗利は違い、粗利と経常利益もまた違うこと。
店はただお金を受け取るだけで成り立っているのではなく、人件費や販管費、機械代など、さまざまなコストを抱えながら営業していること。
こうした話は、業界の外にいると意外と知られにくい部分かもしれません。
一方で、お客様の側にも、お客様の側の現実があります。
なぜ通い続けてしまうのか。
なぜ負けてもまた行ってしまうのか。
なぜ「勝ちたい」より「取り返したい」が強くなるのか。
このあたりも、ただ自己責任の一言で片づけられるほど単純ではありません。
パチンコ・パチスロには、人を引き込む独特の空気と仕組みがあります。
この本では、パチンコ業界を一方的に擁護したいわけでも、逆に必要以上に否定したいわけでもありません。
業界の中にいたからこそ見えてきたことをベースにしながら、できるだけわかりやすく、できるだけ偏りすぎない形で、パチンコ業界の裏側とギャンブルについて整理していきます。
遊技人口離れが進んでいる今だからこそ、あらためてこの業界を冷静に見てみる意味はあるはずです。
なぜ人が離れたのか。
それでもなぜ残っているのか。
何が人を引きつけ、何が人を苦しめるのか。
そして、どう向き合うべきなのか。
この本が、パチンコ・パチスロを何となくのイメージで見るのではなく、その中身を少し落ち着いて考えるきっかけになればうれしく思います。
第1章 パチンコ業界は何で成り立っているのか
1-1 パチンコ店は何で利益を出しているのか
パチンコ店の利益を考えるとき、多くの人はまず「お客さんが負けた分だけ店が儲かる」と思いがちです。たしかに、店にお金が入る入口だけを見れば、そう見えてしまうのも無理はありません。ですが、実際の経営はそこまで単純ではありません。
パチンコ店も、ひとつの企業です。企業である以上、店に入ってきたお金がそのまま最終的な儲けになるわけではありません。お客さんが使ったお金の中から、まず店として残る部分があり、そこからさらにさまざまな経費が引かれていきます。つまり、「お客さんが負けた金額」と「店に最終的に残る利益」は同じではないのです。
ここで大事なのは、売上と利益を分けて考えることです。たとえば、店に大きなお金が動いたとしても、そのすべてが店の自由になるわけではありません。営業を続けるには、人件費、家賃、水道光熱費、広告宣伝費、設備の維持費など、日々多くのコストがかかります。さらに、パチンコ店ではパチンコ台やスロット台の購入や入替にも大きなお金が必要になります。
この機械代は、店の経営を考えるうえで特に重要です。お客さんを集めるためには新台導入や機械の入替が必要になりますが、それには当然費用がかかります。しかも、パチンコやスロットの機械は安い買い物ではありません。店は常に「集客のためにお金を使う側」でもあるのです。そのため、たとえお客さんの負け額が大きく見えても、それがそのまま店の最終利益になるわけではありません。
この点を知らないと、「お客さんがたくさん負けたのだから、店はそのまま大儲けしているはずだ」と思ってしまいがちです。ですが実際には、そこからさまざまな費用が差し引かれます。店に残るのは、あくまで必要なコストを引いたあとの利益です。見た目には大きなお金が動いていても、経営として見ると話は別なのです。
パチンコ業界の仕組みを考えるときは、まずこの前提を押さえておく必要があります。大切なのは、「お客さんが負けた金額」と「店の最終的な儲け」を同じものとして見ないことです。パチンコ店は、お金が大きく動く商売であると同時に、大きなコストを抱えながら運営されている商売でもあります。業界の裏側を見るなら、まずはこの基本から理解しておいたほうが、本当の姿が見えやすくなります。
まえがき
パチンコ・パチスロという言葉を聞いたとき、人によって浮かぶ印象はかなり違うと思います。
昔は身近な娯楽だったと感じる人もいれば、今は少し距離のあるものだと感じる人もいるはずです。
実際、パチンコ・パチスロは長いあいだ多くの人に親しまれてきた一方で、近年は遊技人口離れが進んでいると言われることも増えました。
では、なぜ人は離れていったのか。
それでもなぜ、この業界は今も続いているのか。
そして、店の中では実際に何が起きているのか。
外から見ているだけでは、わからないことがあります。
派手な演出、出玉、勝ち負け、うるさい店内、なんとなくのイメージ。
パチンコ業界は、そうした表面的な印象だけで語られやすい世界です。
ですが、その奥には、お金の流れがあり、店の経営があり、メーカーとの関係があり、そして何より、人の心理があります。
私はこの業界に10年以上身を置いてきました。
だからこそ見えてきたことがあります。
もちろん、業界のすべてを知っていると言うつもりはありません。
店舗ごとに違いもありますし、立場が違えば見え方も変わります。
それでも、中の人だからこそわかること、中にいなければ実感しにくいことは確かにあります。
たとえば、お客様が大きく負けたからといって、その金額がそのまま店の最終利益になるわけではないこと。
売上と粗利は違い、粗利と経常利益もまた違うこと。
店はただお金を受け取るだけで成り立っているのではなく、人件費や販管費、機械代など、さまざまなコストを抱えながら営業していること。
こうした話は、業界の外にいると意外と知られにくい部分かもしれません。
一方で、お客様の側にも、お客様の側の現実があります。
なぜ通い続けてしまうのか。
なぜ負けてもまた行ってしまうのか。
なぜ「勝ちたい」より「取り返したい」が強くなるのか。
このあたりも、ただ自己責任の一言で片づけられるほど単純ではありません。
パチンコ・パチスロには、人を引き込む独特の空気と仕組みがあります。
この本では、パチンコ業界を一方的に擁護したいわけでも、逆に必要以上に否定したいわけでもありません。
業界の中にいたからこそ見えてきたことをベースにしながら、できるだけわかりやすく、できるだけ偏りすぎない形で、パチンコ業界の裏側とギャンブルについて整理していきます。
遊技人口離れが進んでいる今だからこそ、あらためてこの業界を冷静に見てみる意味はあるはずです。
なぜ人が離れたのか。
それでもなぜ残っているのか。
何が人を引きつけ、何が人を苦しめるのか。
そして、どう向き合うべきなのか。
この本が、パチンコ・パチスロを何となくのイメージで見るのではなく、その中身を少し落ち着いて考えるきっかけになればうれしく思います。
第1章 パチンコ業界は何で成り立っているのか
1-1 パチンコ店は何で利益を出しているのか
パチンコ店の利益を考えるとき、多くの人はまず「お客さんが負けた分だけ店が儲かる」と思いがちです。たしかに、店にお金が入る入口だけを見れば、そう見えてしまうのも無理はありません。ですが、実際の経営はそこまで単純ではありません。
パチンコ店も、ひとつの企業です。企業である以上、店に入ってきたお金がそのまま最終的な儲けになるわけではありません。お客さんが使ったお金の中から、まず店として残る部分があり、そこからさらにさまざまな経費が引かれていきます。つまり、「お客さんが負けた金額」と「店に最終的に残る利益」は同じではないのです。
ここで大事なのは、売上と利益を分けて考えることです。たとえば、店に大きなお金が動いたとしても、そのすべてが店の自由になるわけではありません。営業を続けるには、人件費、家賃、水道光熱費、広告宣伝費、設備の維持費など、日々多くのコストがかかります。さらに、パチンコ店ではパチンコ台やスロット台の購入や入替にも大きなお金が必要になります。
この機械代は、店の経営を考えるうえで特に重要です。お客さんを集めるためには新台導入や機械の入替が必要になりますが、それには当然費用がかかります。しかも、パチンコやスロットの機械は安い買い物ではありません。店は常に「集客のためにお金を使う側」でもあるのです。そのため、たとえお客さんの負け額が大きく見えても、それがそのまま店の最終利益になるわけではありません。
この点を知らないと、「お客さんがたくさん負けたのだから、店はそのまま大儲けしているはずだ」と思ってしまいがちです。ですが実際には、そこからさまざまな費用が差し引かれます。店に残るのは、あくまで必要なコストを引いたあとの利益です。見た目には大きなお金が動いていても、経営として見ると話は別なのです。
パチンコ業界の仕組みを考えるときは、まずこの前提を押さえておく必要があります。大切なのは、「お客さんが負けた金額」と「店の最終的な儲け」を同じものとして見ないことです。パチンコ店は、お金が大きく動く商売であると同時に、大きなコストを抱えながら運営されている商売でもあります。業界の裏側を見るなら、まずはこの基本から理解しておいたほうが、本当の姿が見えやすくなります。