この記事では、講師歴17年の経験をもとに、
偏差値55の公立高校に合格するために
春の段階で知っておいてほしいことをお伝えしています。
難関校ではなく偏差値55あたりなら「平均点よりちょっと上のランクだし大丈夫」と思われがちです。
しかし実際には、このミドル層は受験者数が多く、対策の差がそのまま合格・不合格に直結します。
いよいよ受験生になる新中3はもちろん、
まだ受験は先のことだからと思っている新中2にも、
これからの中学校生活にわくわくドキドキの新中1にも、
生徒さん/保護者の方に、春の段階で知ってほしいことをまとめました。
入試制度はわかってる方は、「受験までのスケジュール」から、
学校選びのポイントもわかってる方は、「偏差値55の高校を受験するとして」あたりからお読みください。
なぜ「春の段階で」なのか
中3の夏に1から勉強を始めても間に合わない
最近は、小学生のうちから塾に通うことが多くなったが、そうは言っても部活が忙しくて塾に通っている暇がない、通っていても宿題もまともにやれていない状態でただ通ってるだけ、といったことがあります。
県大会に出場している強豪運動部、吹奏楽部によくあるケースで、中1からずっと部活動を頑張って、中3の夏に引退してそれからやっと勉強を始める。そして、志望校を聞くと、検見川に行きたいんです、と。検見川はVもぎの一覧で偏差値53、実際57、58くらいです。通知表はオール4ほしい。でも部活に時間を取られていたせいで、中1中2の通知表はオール3に4が3つほど・・・。
なかなか厳しい戦いです。
最終的に受ける受けないは生徒さんとご家庭の判断ですし、当然私は合格に向けて徹底的にサポートします。
ただ、中3の夏から中1の復習を全部詰め込むと夏期講習は30万以上。夏以降も、数学英語の週2回だけ塾に通ってもらっても、正直追い付かない部分が出てきます。中には、伸びてくるまでに時間がかかる科目もあり、夏からでは受験に間に合わないことも。
そして、ギリギリ滑り込みで検見川に受かっても、高校の授業がどんどん進んでしまい、勉強に追われて部活どころではなくなって・・・。
そんなことにならないように、皆さんに早く情報を持ってもらいたいという想いから、この記事を書いています。
勝ち方の全体像
結論、「自分がどの位置で合格する必要があるかを考えて、100点満点ではなく必要な点数だけを取るための勉強をする。」です。
こんなこと言うと、中学校の勉強が全部わかってないままじゃ高校に入ってから苦労するんじゃないか、と言われることがあります。
もちろん、中学校の教科書に載っている知識を全部覚えた状態で高校生になれれば理想ですが、高校のレベルによって学校の授業のレベルは変わりますから、必ずしもそうとは限りません。
漠然と「高校に合格する」ではなく、何点取ればどんな状態で入学できて、どんな高校生活を過ごせて、卒業後の進路はどんな選択肢が取れるのか、を考えた上で、それに必要な点数を効率的に取れるような勉強をしていきます。
入試制度
まず入試制度からです。わかってる人は飛ばしてくださいね。
R2までは前期後期の2回チャンスがありましたが、R3から本検査のみの一発勝負になっています。
ちまたでは公立も併願制度が検討されていますが、R8からすぐ切り替わることはないと思うので、現行の一発勝負の制度で話します。
「本検査+調査書(内申点)+学校設定検査」で合否を決めます。
本検査
1日目に国数英、2日目に理社+学校設定検査、の順で行われ、記述とマーク併用の試験です。各50分(英語のみ60分)で100点満点。国語は聞き取りテスト、英語はリスニングがあります。
基本的に500点満点ですが、理数科や国際科はその科目の点数を1.5倍で計算、といったこともあります。
内申点
詳しくは後でも書きますが、3年間分で135点満点。
学校により0.5倍~2倍で計算することがあります。
調査書加点で50点分あり、英検は3級から加点がもらえます。
取得するなら、第1回検定の一次試験が5月末あたりなので、そのタイミングまでがおすすめです。第2回検定だと10月なので、受験勉強に追われて英検どころではなくなってしまいます。
学校設定検査
各高校が独自に試験を設定しています。
面接、集団討論、自己表現、作文、適性検査、学校独自問題、などです。
10~150点分です。
部活動ごとに実技の時間が取られたこともありました。
配点が少ないことが多いので、対策は後回しでも大丈夫です。
以上の総得点で合否が決まります。
高校ごとに多少異なりますが、判定基準として見られるウエイトが大きいのは、1番は本検査の点数、次に調査書(内申点)、最後に学校設定検査、です。
ですが、本試験はなにが出てくるかわからないので、学校の授業で習ったことから出題される定期テストを頑張って、内申点を狙いにいくのも大切です。
受験までのスケジュール
R7年度入試を例に、ある中学校の年間行事を含めながら説明します。敢えて逆順で載せています。2次募集は除きます。
・卒業式 3月12日
・合格発表 3月3日
・追検査 2月26日
・本検査 2月17日、18日
・志願変更 2月12日 →倍率確定
・願書提出 2月5日 →インターネット出願も。10日倍率発表
・中学校の先生が高校に提出する書類作成 1月中旬〜
・私立受験 1月中旬 →大体翌日には発表
・私立願書 12月上旬〜
・二学期期末/後期中間テスト 11月 →内申確定
・中学校での三者面談 内申確定後の11月、12月頃〜 ⇛受験校確定
・合唱コンクール 11月
・二学期中間テスト 10月
・体育祭 10月
・前期期末テスト 9月
・Vもぎ/実力テスト 夏以降は毎月
・中学校での三者面談 7月 →ここではさらっと志望校のヒアリング
・運動部最後の大会 6月末〜
・一学期期末/前期中間テスト 6月
・一学期中間テスト 5月
・修学旅行 5月
つまり、
受験本番は2月ですが、
受験校決定は12月なので、
「中3の夏休みから受験勉強スタート」なんて考えていると、
わずか5か月しかない訳です。
受験校決定のタイミングで、Vもぎの合格判定がE判定の学校を受けようとは、なかなか決断できませんよね。
ちなみに、VもぎとSもぎどっちがいいかと聞かれたら、受験者数が多く偏差値が正確に出やすいVもぎがおすすめです。遅くとも中3の8月からは毎月受けてください。ちゃんとコツコツ勉強していれば、10月11月あたりから偏差値が伸びてきます。
内申点に関して
内申点は、中1〜中3の二学期期末/後期中間までの実技教科含む9科目で見られます。
なので、高校に送られる調査書に内申点が関係する11月までは入試勉強と定期テストの勉強を両立させないといけないということです。内申点の重要性はこれから説明しますが、
偏差値55以上を狙う場合、中1中2の内申がオール3だとやや厳しいです。偏差値というのは、平均点と同じ点数を取っていれば偏差値50、平均点より上なら偏差値は50より大きく、平均点より下なら50より小さくなる、といった感じです。
定期テストで平均点と同じくらいの点数を取っていると、内申は3がついているでしょう。オール3だと、幕張総合、津田沼、木更津、あたりは厳しいということですね。
通知表は期ごとにもらいますが、その学年の通知表として評定がつきます。
3年間オール5なら、中1で45点、中2で45点、中3で45点、の最大135点。
さらに、その内申点に高校ごとに定められたK値をかけて算出。
そこに、県大出場、英検漢検、生徒会、などの記載事項が最大50点加算されます。
これがが自分の持ち点です。
学年の通知表の付き方ですが、
例として、中1のとき数学の通知表が、
・前期4、後期も4→中1全体としての通知表も4がつく
・前期3、後期3→中1全体として3がつくか4がつくかは学校の先生次第
となり、どちらかだけ4を取っていても、学年としては3がついてしまう可能性があるということです。
高校毎に合否判定の内申点の扱い方は多少異なり、中3の内申を重く見てくれたり、専門学科だと特定の科目を重視したりもします。
とにかく、5科目だけでなく実技4科目も含めて算出される、内申が高ければ当日多少点数が低くてもトータルで勝てる、という仕組みです。
反対に、内申点が低いと当日よっぽど点数を取らないと挽回できない、ということです。
ざっくりですが、内申1点は当日のテストで3点分くらいの価値があります。大体〇1つ分です。
合格不合格を分けるのは本当に僅かな差なので、〇1つ分リードした状態で本試験に臨めるのはとても有利なことです。
中1中2の段階でオール3だと偏差値55以上は厳しいと例に挙げましたが、このように当日の試験で負け分を挽回するには、入試本番で周りの受験生よりも点数を取る必要が出てくるためです。受験するのが偏差値55の学校だとしても、挽回するために上乗せして点数を取るためには偏差値60くらいの実力がないといけないよ、ということです。
ちなみに私立は中3の通知表で推薦がもらえる学校もあり、推薦基準は9科目で27、5科目で18、など学校やコースにより違います。普通科だと9科目、特進コースは5科目、で見られるといったこともあります。通知表に2以下がついてるとだめなところもあります。
推薦基準をクリアしていれば、入試当日によっぽどのことがない限りは合格がもらえます。よっぽどのこととは、試験が0点、受験生とケンカする、などです。
偏差値55くらいまでのところは推薦基準がある学校が多いです。それ以上の八千代松陰や千葉日だと、推薦はないのであくまで当日の試験次第、となります。
公立が第一志望、ということなら、私立対策に余計な時間を取られたくないので、推薦で押さえが取れる高校を併願私立に選ぶといいです。
公立は県全体で同じ問題ですが、私立は学校ごとに問題がちがうため、私立を一般受験するとなると学校ごとに過去問対策をしないといけなくなります。
中には、もし公立がだめだったときに少しでも進学実績の良い私立の方が、という理由で「公立+上位私立+推薦で受かる私立」の3つを受験する人もいます。
どのくらいの勉強が必要か
では、先ほど例えに挙げた、「中3の夏休みから受験勉強スタート」したとして、どんな感じで勉強しないといけないかを考えていきます。
もちろん、偏差値65の高校を目指すのか、偏差値50なのか、偏差値40なのか、で変わってきますが、この記事は偏差値55想定で話を進めさせていただきます。
8月〜受験校決定の12月まで、で考えると5ヶ月間なので、風邪も引かずに遊びにも行かずに毎日休まず勉強したとしても、MAX使えるのは約150日です。
5科目ありますので、150日÷5科目=1科目にかけられるのは30日となります。
どの科目も、中1〜中3までの3年間分を復習するので、
30日÷3学年分=その科目1年分復習するのにかけられるのは10日です。
中1数学の復習に使えるのは10日、中2英語に使えるのは10日、中3理科に使えるのは10日、ということです。
どうでしょうか。
多いですか?少ないですか?
やばいな?結構大変かも?と感じてきたでしょうか。
さらに言うと、スケジュールに書いたとおり、学校行事、定期テスト、実力テスト、模試、私立受験、なんかの日がありますから、実際使えるのは150日もないので、もっと厳しい状況です。
受験の考え方
では、「1科目1学年分を復習するのに10日しかない」ならどうすればいいと思いますか?
たぶん多くの方は、
「もっと早くから勉強を始める」
と考えるのではないでしょうか。
ぜひ、やれる方はそうしてください。
中2の春から「受験勉強」をスタートできる人は、自分の意志で自分をコントロールして計画的に取り組んで、わからない問題を自分で調べて解決できる人です。
そういう人は塾なしでも戦えます。
ただ、1年後2年後の遠い目標に向けて頑張り続けられる人はなかなかいません。
定期テストの勉強も、試験範囲表が配られるテスト2週間前から始める人や、1週間前になってやっと少し焦ってきて始めたり、前日になってようやく・・・、という人もいると思います。
夏休みの宿題も、計画的に取り組める人と追いこまれないと手を付けられない人がいますね。たぶん後者の方が多いです。
だから、「もっと早くから勉強を始める」ではなく、
「無駄を削る」必要があります。
「効率的に勉強を進めていく」には
「効率的」というのは、高校卒業した後を考えて、どの順位で合格する必要があるかを見極め、それに必要な勉強をして合格する、ということです。
募集定員300人だとしたら、300人中の1位を受験生全員が狙う必要はない、ということです。
1位でも100位でも300位でも合格です。
301位は不合格です。
なので、合格後のことはどうでもいいからその高校になんとしても受かりたいなら、300位でOKです。
ただ、高校で部活をやりたい、のであれば、ギリギリ合格してふだんの高校の授業を必死で受けて、赤点をいくつか取ってしまい夏休みに補習を受けている、なんて場合ではないですよね。
勉強に余裕を持った状態で合格して、勉強も部活も両立できることが理想です。
大学進学率
もう少し踏み込めば、
大学進学率60%の高校であれば、少なくとも上位60%には入っていないと、その高校から大学進学することは難しいということです。
千葉北高校を例に見てみると、去年実績で大学進学率は76%、短大1%、専門10%、浪人10%、その他、でした。
大学進学の中で、国公立へ進学したのは保健医療1名のみでした。千葉北に進学すると、千葉大に受かるのは極稀、ということです。
私立大学への進学内訳は、
学習院6、明治6、青山学院1、立教3、中央1、法政9、
日大47、東洋21、駒沢4、専修10、
その他だと、人数が多い順に
千葉商科37、立正31、千葉工業29
となっていました。
GMARCH以上に進学したいなら、千葉北の上位1割で合格しないといけません。日東駒専なら上位3割4割で合格、下位25%だと大学進学が厳しくなってくる、ということです。
もちろん、高校入学した後にどれだけ勉強するかという視点もありますが、中学校とちがい自分と同じくらいの学力を持った人が同じ学年に揃いますし、高校の勉強は中学より当然難しく、進むスピードも速いので、なかなか挽回できないのが現状です。
年内入試
余談になりますが、さらにもう一歩踏み込むと、
今の時代、一般受験で大学進学するよりも、指定校推薦や総合型選抜で進学するケースが多くなってきています。
「年内入試」とも言われているものですね。大学受験というと、共通テスト(昔のセンター試験)のイメージがあるかもしれませんが、国公立や上位私立大を狙わないのであれば、共通テストを受けない受験生も多いです。
指定校推薦とは、高校受験で言う私立の推薦のように、高校の通知表の結果だけで大学に合格できるものです。
大学から高校の方に、あなたの高校からは毎年なん人受け入れますよ、評定平均(高1~高3の1学期まで通知表の内申点)の基準はいくつですよ、基準超えてれば面接だけで合格させますよ、というものです。
大学受験の時に1日12時間以上勉強した保護者の方も居たかと思いますが、この指定校推薦なら、高校の定期テストを頑張るだけで大学に進学できます。高3の夏には決まっているので、周りが一般受験の勉強を必死にやっているときに、自分は進路が決まっている状態になります。(ただし、国公立大学には指定校推薦の制度はありません。)
とても魅力的な制度なので、みんな狙ってきます。A大学は1人、B大学は2人、というように推薦枠は少ないので、高校内で内申点(評定平均)が高い順、または高校内で面接が行われて、誰を大学に推薦するかを選ぶわけですね。
私は、こんな魅力的な制度を高3の4月に知ったものですから、そこからはどんなに頑張っても高1高2でサボった内申点は挽回できずに、指定校推薦は取れませんでした。
総合型選抜というのは、その大学のアドミッションポリシー(求める生徒像、期待する生徒の姿を示したもの)に沿って、自分はこんなに良い生徒なんです、私こそがあなたの学校にぴったりなんです、とアピールして合格させてもらうものですね。
調査書・志望理由書・高校の活動記録・事前課題・面接・小論文などで合否が決まります。
面接練習や小論文などで時間を取られてしまうこと、指定校推薦と違い受けても合格するかどうかはわからないこと、倍率が高い、というデメリットはありますが、それでも10月頃に入試があることが多いので、受かる可能性があるなら、とチャレンジするのもいいと思います。
偏差値55の高校を受験するとして
さて、話を戻して、偏差値55の高校に、部活も楽しめるように余裕をもって、大学進学も視野に入れつつ、合格するにはどうしたらいいかを考えていきます。
Vもぎの合格めやす一覧を見ると、船橋芝山が49となっていましたが、やや低く出ていますね。どうやらVもぎの表記は合格可能性60%の偏差値のようです。
ほかのサイトを見ると55となっていました。私の感覚でもこのくらいのイメージなので、芝山を偏差値55の学校として話を進めていきます。
受験のイメージ
前期後期の2回試験があったときは、前期はいつも2倍を超えていた人気校です。令和6年度から制服が新しくなったそうです。直近の倍率も、2026年度1.39、2025年度1.37、2024年度1.55、と人気は続いています。
内申点は、オール3だと厳しいです。オール4あれば十分、3はちらほらあるけど他は4取れてる、のイメージです。
定期テストだと350点くらいですかね。380点あれば余裕あるかと思います。
想定されるのは、次の3パターン。
①津田沼は定期テスト400点以上取ってないとちょっと厳しいから、一つ下げて芝山に行こうかな、と上から降りてくるパターン。
②実力相応で、芝山を受けてくるパターン。
③定期テスト330点くらいだけど、実籾とか八千代東だとちょっと大学進学率が低いから頑張って芝山に行きたいな、と下から上げてくるパターン。
特に、①のように上から降りてくるライバルが居ることに注意です。
あなたはどのパターンに当てはまりそうでしょうか?
芝山の大学進学率は80.6%、中身は千葉北と同じような進学先です。国公立の記載がなかったので、今年は0人だったのでしょうか。なので、やはりギリギリ合格してしまうと、芝山から大学進学は厳しい状況です。
私立の併願ですが、英和の総進文理だと、推薦が9科目37なので、オール4に英検3級があれば足ります。津田沼から落として受けに来る人は9科目37あるかもしれませんが、オール4がやや厳しい人もいると思います。
それであれば、学館船橋の普通科が9科目27なので、オール3でokですから、ここは取れる人が多いはずです。特進でも5科目22なので、割と届く人が居ると思います。
併願は内申が足りていれば合格なので、私立はこれくらいで大丈夫でしょうか。
学校設定検査は、グループ面接で12点だけなので、点数が小さいので一旦考えずに置いておきましょう。
では実際に、「何点取れば合格できるのか」、「どうやってその点数を取るのか」を具体的に解説していきます。
ここからが実際の戦略編です。
平均点から組み立てる
この記事では、講師歴17年の経験をもとに、
偏差値55の公立高校に合格するために
春の段階で知っておいてほしいことをお伝えしています。
難関校ではなく偏差値55あたりなら「平均点よりちょっと上のランクだし大丈夫」と思われがちです。
しかし実際には、このミドル層は受験者数が多く、対策の差がそのまま合格・不合格に直結します。
いよいよ受験生になる新中3はもちろん、
まだ受験は先のことだからと思っている新中2にも、
これからの中学校生活にわくわくドキドキの新中1にも、
生徒さん/保護者の方に、春の段階で知ってほしいことをまとめました。
入試制度はわかってる方は、「受験までのスケジュール」から、
学校選びのポイントもわかってる方は、「偏差値55の高校を受験するとして」あたりからお読みください。
なぜ「春の段階で」なのか
中3の夏に1から勉強を始めても間に合わない
最近は、小学生のうちから塾に通うことが多くなったが、そうは言っても部活が忙しくて塾に通っている暇がない、通っていても宿題もまともにやれていない状態でただ通ってるだけ、といったことがあります。
県大会に出場している強豪運動部、吹奏楽部によくあるケースで、中1からずっと部活動を頑張って、中3の夏に引退してそれからやっと勉強を始める。そして、志望校を聞くと、検見川に行きたいんです、と。検見川はVもぎの一覧で偏差値53、実際57、58くらいです。通知表はオール4ほしい。でも部活に時間を取られていたせいで、中1中2の通知表はオール3に4が3つほど・・・。
なかなか厳しい戦いです。
最終的に受ける受けないは生徒さんとご家庭の判断ですし、当然私は合格に向けて徹底的にサポートします。
ただ、中3の夏から中1の復習を全部詰め込むと夏期講習は30万以上。夏以降も、数学英語の週2回だけ塾に通ってもらっても、正直追い付かない部分が出てきます。中には、伸びてくるまでに時間がかかる科目もあり、夏からでは受験に間に合わないことも。
そして、ギリギリ滑り込みで検見川に受かっても、高校の授業がどんどん進んでしまい、勉強に追われて部活どころではなくなって・・・。
そんなことにならないように、皆さんに早く情報を持ってもらいたいという想いから、この記事を書いています。
勝ち方の全体像
結論、「自分がどの位置で合格する必要があるかを考えて、100点満点ではなく必要な点数だけを取るための勉強をする。」です。
こんなこと言うと、中学校の勉強が全部わかってないままじゃ高校に入ってから苦労するんじゃないか、と言われることがあります。
もちろん、中学校の教科書に載っている知識を全部覚えた状態で高校生になれれば理想ですが、高校のレベルによって学校の授業のレベルは変わりますから、必ずしもそうとは限りません。
漠然と「高校に合格する」ではなく、何点取ればどんな状態で入学できて、どんな高校生活を過ごせて、卒業後の進路はどんな選択肢が取れるのか、を考えた上で、それに必要な点数を効率的に取れるような勉強をしていきます。
入試制度
まず入試制度からです。わかってる人は飛ばしてくださいね。
R2までは前期後期の2回チャンスがありましたが、R3から本検査のみの一発勝負になっています。
ちまたでは公立も併願制度が検討されていますが、R8からすぐ切り替わることはないと思うので、現行の一発勝負の制度で話します。
「本検査+調査書(内申点)+学校設定検査」で合否を決めます。
本検査
1日目に国数英、2日目に理社+学校設定検査、の順で行われ、記述とマーク併用の試験です。各50分(英語のみ60分)で100点満点。国語は聞き取りテスト、英語はリスニングがあります。
基本的に500点満点ですが、理数科や国際科はその科目の点数を1.5倍で計算、といったこともあります。
内申点
詳しくは後でも書きますが、3年間分で135点満点。
学校により0.5倍~2倍で計算することがあります。
調査書加点で50点分あり、英検は3級から加点がもらえます。
取得するなら、第1回検定の一次試験が5月末あたりなので、そのタイミングまでがおすすめです。第2回検定だと10月なので、受験勉強に追われて英検どころではなくなってしまいます。
学校設定検査
各高校が独自に試験を設定しています。
面接、集団討論、自己表現、作文、適性検査、学校独自問題、などです。
10~150点分です。
部活動ごとに実技の時間が取られたこともありました。
配点が少ないことが多いので、対策は後回しでも大丈夫です。
以上の総得点で合否が決まります。
高校ごとに多少異なりますが、判定基準として見られるウエイトが大きいのは、1番は本検査の点数、次に調査書(内申点)、最後に学校設定検査、です。
ですが、本試験はなにが出てくるかわからないので、学校の授業で習ったことから出題される定期テストを頑張って、内申点を狙いにいくのも大切です。
受験までのスケジュール
R7年度入試を例に、ある中学校の年間行事を含めながら説明します。敢えて逆順で載せています。2次募集は除きます。
・卒業式 3月12日
・合格発表 3月3日
・追検査 2月26日
・本検査 2月17日、18日
・志願変更 2月12日 →倍率確定
・願書提出 2月5日 →インターネット出願も。10日倍率発表
・中学校の先生が高校に提出する書類作成 1月中旬〜
・私立受験 1月中旬 →大体翌日には発表
・私立願書 12月上旬〜
・二学期期末/後期中間テスト 11月 →内申確定
・中学校での三者面談 内申確定後の11月、12月頃〜 ⇛受験校確定
・合唱コンクール 11月
・二学期中間テスト 10月
・体育祭 10月
・前期期末テスト 9月
・Vもぎ/実力テスト 夏以降は毎月
・中学校での三者面談 7月 →ここではさらっと志望校のヒアリング
・運動部最後の大会 6月末〜
・一学期期末/前期中間テスト 6月
・一学期中間テスト 5月
・修学旅行 5月
つまり、
受験本番は2月ですが、
受験校決定は12月なので、
「中3の夏休みから受験勉強スタート」なんて考えていると、
わずか5か月しかない訳です。
受験校決定のタイミングで、Vもぎの合格判定がE判定の学校を受けようとは、なかなか決断できませんよね。
ちなみに、VもぎとSもぎどっちがいいかと聞かれたら、受験者数が多く偏差値が正確に出やすいVもぎがおすすめです。遅くとも中3の8月からは毎月受けてください。ちゃんとコツコツ勉強していれば、10月11月あたりから偏差値が伸びてきます。
内申点に関して
内申点は、中1〜中3の二学期期末/後期中間までの実技教科含む9科目で見られます。
なので、高校に送られる調査書に内申点が関係する11月までは入試勉強と定期テストの勉強を両立させないといけないということです。内申点の重要性はこれから説明しますが、
偏差値55以上を狙う場合、中1中2の内申がオール3だとやや厳しいです。偏差値というのは、平均点と同じ点数を取っていれば偏差値50、平均点より上なら偏差値は50より大きく、平均点より下なら50より小さくなる、といった感じです。
定期テストで平均点と同じくらいの点数を取っていると、内申は3がついているでしょう。オール3だと、幕張総合、津田沼、木更津、あたりは厳しいということですね。
通知表は期ごとにもらいますが、その学年の通知表として評定がつきます。
3年間オール5なら、中1で45点、中2で45点、中3で45点、の最大135点。
さらに、その内申点に高校ごとに定められたK値をかけて算出。
そこに、県大出場、英検漢検、生徒会、などの記載事項が最大50点加算されます。
これがが自分の持ち点です。
学年の通知表の付き方ですが、
例として、中1のとき数学の通知表が、
・前期4、後期も4→中1全体としての通知表も4がつく
・前期3、後期3→中1全体として3がつくか4がつくかは学校の先生次第
となり、どちらかだけ4を取っていても、学年としては3がついてしまう可能性があるということです。
高校毎に合否判定の内申点の扱い方は多少異なり、中3の内申を重く見てくれたり、専門学科だと特定の科目を重視したりもします。
とにかく、5科目だけでなく実技4科目も含めて算出される、内申が高ければ当日多少点数が低くてもトータルで勝てる、という仕組みです。
反対に、内申点が低いと当日よっぽど点数を取らないと挽回できない、ということです。
ざっくりですが、内申1点は当日のテストで3点分くらいの価値があります。大体〇1つ分です。
合格不合格を分けるのは本当に僅かな差なので、〇1つ分リードした状態で本試験に臨めるのはとても有利なことです。
中1中2の段階でオール3だと偏差値55以上は厳しいと例に挙げましたが、このように当日の試験で負け分を挽回するには、入試本番で周りの受験生よりも点数を取る必要が出てくるためです。受験するのが偏差値55の学校だとしても、挽回するために上乗せして点数を取るためには偏差値60くらいの実力がないといけないよ、ということです。
ちなみに私立は中3の通知表で推薦がもらえる学校もあり、推薦基準は9科目で27、5科目で18、など学校やコースにより違います。普通科だと9科目、特進コースは5科目、で見られるといったこともあります。通知表に2以下がついてるとだめなところもあります。
推薦基準をクリアしていれば、入試当日によっぽどのことがない限りは合格がもらえます。よっぽどのこととは、試験が0点、受験生とケンカする、などです。
偏差値55くらいまでのところは推薦基準がある学校が多いです。それ以上の八千代松陰や千葉日だと、推薦はないのであくまで当日の試験次第、となります。
公立が第一志望、ということなら、私立対策に余計な時間を取られたくないので、推薦で押さえが取れる高校を併願私立に選ぶといいです。
公立は県全体で同じ問題ですが、私立は学校ごとに問題がちがうため、私立を一般受験するとなると学校ごとに過去問対策をしないといけなくなります。
中には、もし公立がだめだったときに少しでも進学実績の良い私立の方が、という理由で「公立+上位私立+推薦で受かる私立」の3つを受験する人もいます。
どのくらいの勉強が必要か
では、先ほど例えに挙げた、「中3の夏休みから受験勉強スタート」したとして、どんな感じで勉強しないといけないかを考えていきます。
もちろん、偏差値65の高校を目指すのか、偏差値50なのか、偏差値40なのか、で変わってきますが、この記事は偏差値55想定で話を進めさせていただきます。
8月〜受験校決定の12月まで、で考えると5ヶ月間なので、風邪も引かずに遊びにも行かずに毎日休まず勉強したとしても、MAX使えるのは約150日です。
5科目ありますので、150日÷5科目=1科目にかけられるのは30日となります。
どの科目も、中1〜中3までの3年間分を復習するので、
30日÷3学年分=その科目1年分復習するのにかけられるのは10日です。
中1数学の復習に使えるのは10日、中2英語に使えるのは10日、中3理科に使えるのは10日、ということです。
どうでしょうか。
多いですか?少ないですか?
やばいな?結構大変かも?と感じてきたでしょうか。
さらに言うと、スケジュールに書いたとおり、学校行事、定期テスト、実力テスト、模試、私立受験、なんかの日がありますから、実際使えるのは150日もないので、もっと厳しい状況です。
受験の考え方
では、「1科目1学年分を復習するのに10日しかない」ならどうすればいいと思いますか?
たぶん多くの方は、
「もっと早くから勉強を始める」
と考えるのではないでしょうか。
ぜひ、やれる方はそうしてください。
中2の春から「受験勉強」をスタートできる人は、自分の意志で自分をコントロールして計画的に取り組んで、わからない問題を自分で調べて解決できる人です。
そういう人は塾なしでも戦えます。
ただ、1年後2年後の遠い目標に向けて頑張り続けられる人はなかなかいません。
定期テストの勉強も、試験範囲表が配られるテスト2週間前から始める人や、1週間前になってやっと少し焦ってきて始めたり、前日になってようやく・・・、という人もいると思います。
夏休みの宿題も、計画的に取り組める人と追いこまれないと手を付けられない人がいますね。たぶん後者の方が多いです。
だから、「もっと早くから勉強を始める」ではなく、
「無駄を削る」必要があります。
「効率的に勉強を進めていく」には
「効率的」というのは、高校卒業した後を考えて、どの順位で合格する必要があるかを見極め、それに必要な勉強をして合格する、ということです。
募集定員300人だとしたら、300人中の1位を受験生全員が狙う必要はない、ということです。
1位でも100位でも300位でも合格です。
301位は不合格です。
なので、合格後のことはどうでもいいからその高校になんとしても受かりたいなら、300位でOKです。
ただ、高校で部活をやりたい、のであれば、ギリギリ合格してふだんの高校の授業を必死で受けて、赤点をいくつか取ってしまい夏休みに補習を受けている、なんて場合ではないですよね。
勉強に余裕を持った状態で合格して、勉強も部活も両立できることが理想です。
大学進学率
もう少し踏み込めば、
大学進学率60%の高校であれば、少なくとも上位60%には入っていないと、その高校から大学進学することは難しいということです。
千葉北高校を例に見てみると、去年実績で大学進学率は76%、短大1%、専門10%、浪人10%、その他、でした。
大学進学の中で、国公立へ進学したのは保健医療1名のみでした。千葉北に進学すると、千葉大に受かるのは極稀、ということです。
私立大学への進学内訳は、
学習院6、明治6、青山学院1、立教3、中央1、法政9、
日大47、東洋21、駒沢4、専修10、
その他だと、人数が多い順に
千葉商科37、立正31、千葉工業29
となっていました。
GMARCH以上に進学したいなら、千葉北の上位1割で合格しないといけません。日東駒専なら上位3割4割で合格、下位25%だと大学進学が厳しくなってくる、ということです。
もちろん、高校入学した後にどれだけ勉強するかという視点もありますが、中学校とちがい自分と同じくらいの学力を持った人が同じ学年に揃いますし、高校の勉強は中学より当然難しく、進むスピードも速いので、なかなか挽回できないのが現状です。
年内入試
余談になりますが、さらにもう一歩踏み込むと、
今の時代、一般受験で大学進学するよりも、指定校推薦や総合型選抜で進学するケースが多くなってきています。
「年内入試」とも言われているものですね。大学受験というと、共通テスト(昔のセンター試験)のイメージがあるかもしれませんが、国公立や上位私立大を狙わないのであれば、共通テストを受けない受験生も多いです。
指定校推薦とは、高校受験で言う私立の推薦のように、高校の通知表の結果だけで大学に合格できるものです。
大学から高校の方に、あなたの高校からは毎年なん人受け入れますよ、評定平均(高1~高3の1学期まで通知表の内申点)の基準はいくつですよ、基準超えてれば面接だけで合格させますよ、というものです。
大学受験の時に1日12時間以上勉強した保護者の方も居たかと思いますが、この指定校推薦なら、高校の定期テストを頑張るだけで大学に進学できます。高3の夏には決まっているので、周りが一般受験の勉強を必死にやっているときに、自分は進路が決まっている状態になります。(ただし、国公立大学には指定校推薦の制度はありません。)
とても魅力的な制度なので、みんな狙ってきます。A大学は1人、B大学は2人、というように推薦枠は少ないので、高校内で内申点(評定平均)が高い順、または高校内で面接が行われて、誰を大学に推薦するかを選ぶわけですね。
私は、こんな魅力的な制度を高3の4月に知ったものですから、そこからはどんなに頑張っても高1高2でサボった内申点は挽回できずに、指定校推薦は取れませんでした。
総合型選抜というのは、その大学のアドミッションポリシー(求める生徒像、期待する生徒の姿を示したもの)に沿って、自分はこんなに良い生徒なんです、私こそがあなたの学校にぴったりなんです、とアピールして合格させてもらうものですね。
調査書・志望理由書・高校の活動記録・事前課題・面接・小論文などで合否が決まります。
面接練習や小論文などで時間を取られてしまうこと、指定校推薦と違い受けても合格するかどうかはわからないこと、倍率が高い、というデメリットはありますが、それでも10月頃に入試があることが多いので、受かる可能性があるなら、とチャレンジするのもいいと思います。
偏差値55の高校を受験するとして
さて、話を戻して、偏差値55の高校に、部活も楽しめるように余裕をもって、大学進学も視野に入れつつ、合格するにはどうしたらいいかを考えていきます。
Vもぎの合格めやす一覧を見ると、船橋芝山が49となっていましたが、やや低く出ていますね。どうやらVもぎの表記は合格可能性60%の偏差値のようです。
ほかのサイトを見ると55となっていました。私の感覚でもこのくらいのイメージなので、芝山を偏差値55の学校として話を進めていきます。
受験のイメージ
前期後期の2回試験があったときは、前期はいつも2倍を超えていた人気校です。令和6年度から制服が新しくなったそうです。直近の倍率も、2026年度1.39、2025年度1.37、2024年度1.55、と人気は続いています。
内申点は、オール3だと厳しいです。オール4あれば十分、3はちらほらあるけど他は4取れてる、のイメージです。
定期テストだと350点くらいですかね。380点あれば余裕あるかと思います。
想定されるのは、次の3パターン。
①津田沼は定期テスト400点以上取ってないとちょっと厳しいから、一つ下げて芝山に行こうかな、と上から降りてくるパターン。
②実力相応で、芝山を受けてくるパターン。
③定期テスト330点くらいだけど、実籾とか八千代東だとちょっと大学進学率が低いから頑張って芝山に行きたいな、と下から上げてくるパターン。
特に、①のように上から降りてくるライバルが居ることに注意です。
あなたはどのパターンに当てはまりそうでしょうか?
芝山の大学進学率は80.6%、中身は千葉北と同じような進学先です。国公立の記載がなかったので、今年は0人だったのでしょうか。なので、やはりギリギリ合格してしまうと、芝山から大学進学は厳しい状況です。
私立の併願ですが、英和の総進文理だと、推薦が9科目37なので、オール4に英検3級があれば足ります。津田沼から落として受けに来る人は9科目37あるかもしれませんが、オール4がやや厳しい人もいると思います。
それであれば、学館船橋の普通科が9科目27なので、オール3でokですから、ここは取れる人が多いはずです。特進でも5科目22なので、割と届く人が居ると思います。
併願は内申が足りていれば合格なので、私立はこれくらいで大丈夫でしょうか。
学校設定検査は、グループ面接で12点だけなので、点数が小さいので一旦考えずに置いておきましょう。
では実際に、「何点取れば合格できるのか」、「どうやってその点数を取るのか」を具体的に解説していきます。
ここからが実際の戦略編です。
平均点から組み立てる