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中村 衡典

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【実話】#3「外に出たら死ぬかもしれない」恋人の言葉で人生が変わった日

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中村 衡典

2025年09月14日 11:55

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金曜日の夜、新幹線の窓に映る自分の顔をぼんやり眺めていた。

兵庫から東京まで、もう何回このルートを往復しただろう。

2時間半の移動は慣れたけれど、会える喜びはいつも新しい。

「今日は何をしようか」なんて考えながら、

彼女の好きな映画の予告編をスマホで探していた。

ドアを開けると、部屋の空気がいつもと違った。

彼女はベッドで毛布にくるまり、ただ横たわっていた。

「ただいま」と声をかけても、返事はない。

そっと近づくと、かすかに聞こえる声で「…体調、悪い」と。

俺はてっきり風邪か疲れだと思った。

「外の空気吸ったら、少しは気分変わるかもよ」

そう提案すると、彼女は首を振り、こう言った。

「外に出たら、死ぬかもしれない。

外が、怖い。」

心臓が嫌な音を立てた。

これは、ただの体調不良じゃない。

頭のどこかでそう理解しながら、

次の日、俺は彼女の手を引き、人通りが少ない道を選び歩き出した。

向かった先は、精神科だった。

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