おはようございます。こんにちは。こんばんは。ブログを閲覧いただきありがとうございます。
youtubeにて「語り部朗読BAR」というチャンネルを運営しております。
自身で小説を書き、声優さんに朗読していただいたものに動画編集をして公開しております。
たまに作者自身の北条むつき朗読もございます。
今回ご紹介の朗読動画は、あるカップルが深夜に訪れたレンタルショップで起きた奇妙なお話です。
良かったら聴いていただけると嬉しいです。
・朗読動画もご用意しております。
・文字をお読みになりたい方は、動画の下に小説(文字)がございます。
◉とあるレンタルショップ
作者:北条むつき
朗読:徳留璃沙
紳士淑女が集まる街の、雑踏としたビル街の一角に、レンタルショップがある。
大手チェーン店とは違い、灯は薄暗く、いかにも夜の店っぽい雰囲気を醸し出している店だ。屋上はガレージになっており、地上二階のほぼ平家。十台あまりの駐車スペースがある。
ある車が一台、屋上駐車スペースに止まった。若い男女二人が、屋上駐車場から、一階のレンタルスペースへと階段で降りてくる。
薄暗い店内を見た瞬間、女は男に言葉をかけた。
「健ちゃん、ちょっと怪しくない? アダルトショップみたいに薄暗いっし、ウケる!」
「おお! そうだな。変なもん置いてそう。アハハハッ」
店内入り口付近には、子供用のおもちゃ箱。ガチャガチャが数台並べてある。その上には、DVDなどのポスターが貼られ、自動ドアがある。自動ドアが開くと、男女はケタケタと笑いながら、店内へと入っていく。
店内も薄暗いが、意外に広く、DVDやコミックコーナーなどが設けられており、DVDなどのパッケージが所狭しと並べてあった。奥には十八禁と書かれてあるアダルトコーナーも設置されていた。
DVDのパッケージ数は、大手にも負けないほどの表紙パッケージが置かれていたが、店内には男女二人だけしか客はいなかった。
「ねえ、なんか面白そうなのある?」
この街に来たばかりの男女は暇を持て余し、この店に訪れているのだろう。男女とも部屋着に近い格好で、草履を履いて店内に草履のペタペタと言う音が響いていた。
「なあんだ? この店? 知らねえタイトルが多くね?」
「ねえねえ、『Life or death』何このタイトル? 洋画? パッケージ写真もイケてないし、あんまり見たことないタイトルばっかりだね?」
「でも、こう言うのどう?」
男は、ホラーコーナーのタイトルを指を刺し、『death on death』というタイトルを女に見せた。
「やあ、もう。こんなタイトルばっかじゃん! ねえ、エロも見てみない?」
女は男に興味本位で、先ほど選んだ『Life or death』を持ちながら、十八禁コーナーに誘う。
暖簾《のれん》を潜《くぐ》ると、女性の下着姿や半裸状態のパッケージが、所狭しと並んでいた。
「ねえねえ、健ちゃん。好みの女優ってどんなの?」
「ええ、シラけること言うなよ。言えっかよ」
「いいじゃん、一緒に観ようよ?」
女は男に興味本位で、十八禁コーナーのタイトル一つを手に取った。
「おいおい、それグロじゃん! 菜々美。そんなの興味あんの?」
「ちょっと面白そうじゃない?」
「おっまえ、結構スキもんだろう?それ、マニアだよ」
男女が十八禁コーナーでDVDを閲覧している最中、一人の店員がDVDケースを並べにコーナーに入ってきた。そしてBARのバーテンダー風に、低い声で男女カップルに言う。
「いらっしゃいませ。当店へようこそ」
その時だった。男女二人が立つ床が抜け落ち、男女二人はその場から地下へとストンッと落ちていった。悲鳴は聞こえることはなく、すぐに床は自動で閉じられた。
翌朝近く……。
ホラーコーナーには、新しく男女カップルのプロモ写真がパッケージとなったDVDタイトルが置かれていた。
『Life or deathⅡ=若き男女の悲鳴』というタイトルで……。
了
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ここまで本文を読んでいただき、ありがとうございます。いかがでしたか?
動画内容もしくは、小説がよければ、いいねを押してください。励みになり大変喜びます。
◉youtubeを運営しております。
その他動画も多数ご用意しております。
チャンネル登録お願いいたします。