自衛隊の苦労話③「やっぱこの部屋も出るんスね」っていうオカルトの話

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自衛隊歴20年!大阪弁で癒やす兄貴
コージです^^


18歳の新卒で自衛官になったんやけど、
当然、初めての社会人生活やったから今まで当たり前やと思ってたけど
実際は自衛隊特有の儀式やったっていう苦労話をまとめるわな!


今回は営内班で起きたオカルトの話


俺が自衛隊に入って間もない頃
陸士1年目で営内班に住んでた時やね。

ちなみに営内者っていうのは
独身や単身赴任で営外に出てない駐屯地内に住んでる隊員で
各小隊別に班分けされて共同生活をしてた。


俺の班は6人部屋で
ベッドはスペース的に5コしか平置きできんかったから
俺は1コ上の先輩とペアでダブルベッドの上段に寝てた。


ある日、他の部屋の先輩から話を聞いた

先輩「この隊舎って結構出るからな!幽霊」
俺「まじっすか?俺、霊感ないんで見たことないっすよ!」

先輩「よかったやんけ!出るんやで、お前の部屋も」
俺「またまたぁ、普通に住んでますけど1回もないっすよ!」

先輩「部屋入ってすぐ上の天井との間にお札貼ってるやんけ」


たしかにあったわ。
何かわからんけどそれっぽいお札。

部屋に帰ってベッドバディの先輩に聞いてみると
確かにその話は知ってたけど
幽霊見たりとか物が動いたとかはないらしい。

結局のところ
「見える人にしか影響ないんちゃうか」
ということで落ち着いた。


でも、その後に経験することになった。
人生初のオカルト体験を。



その日は週末で俺はいつもどおり土日ともに残留やった。

残留ってのは非常時用の待機人員のことね。

※この班の残留事情は別の記事にあるので省略^^


土曜日。

俺は午前中に駐屯地内を駆け足してから
洗濯とか部屋のポリッシャー当てとかの
下っ端業務をしてた。

そしたら昼くらいにベッドバディの先輩が部屋に帰ってきた。

俺「◯さん、もしかしてまたっすか?」
先輩「今日は運が悪かった。横の台やったら万枚行ってたのに」

先輩はスロットにハマってて、
毎週末勝負に出てたけどだいたい負けて
お金がなくなったら部屋に帰ってくる
ってパターンが多かった。

帰ってきたら
ベッドで寝たりタバコ吸ったりゲームしたり。


いやいや実家すぐ近くやん!
俺、残留してんねんから気ぃ使って1人にしてや!
っていつも思いつつもガマンしてた。

まだ1年目やったから。
(2年目に8班の乱が起きるのはまた別の話で)


部屋には2人。
周りにはベッドが4つ見えるけど
俺と先輩は2段ベッドの上下やから実距離1m以内。

何この環境?
って思いながら揺らさんように気をつけてた。


そんな中
俺は今週の土日が残留なことはわかってたから
そのためにいろいろと準備してた
暇つぶしアイテムを取り出してん。

ゲームとかお菓子とか雑誌とか
...怖い本とかね。



一通りアイテムを使った夕方頃。
最後に残った怖い本を読み始めたんよ。


知ってる?『新耳袋』って本?

シンプルなんやけど妙なリアル感があって
実際になんどもトリハダが立つような内容で
俺は『百物語』の本を選んでてん。

大阪人やったらサブイボやろ!
って思うかも知れんけど
俺は個人的にイボって音が好きじゃなかったから
その言葉は使わんよw


夕方から読み出して
幾度となくトリハダを立たせながら読み進めて
消灯前にようやく百話全部を読み終えた。

部屋は2人のまま。
他の先輩らは特別外出やから外泊して帰ってこうへん。

消灯ラッパが鳴る。

俺「電気消しますよ!」
先輩「ん、ん~。」

先輩はしれっと酒を買ってきていたらしく
飲んで先に寝てた。


そのまま揺らさんようにベッドを登って俺も寝た。

その夜は風がなかったせいか
変に汗ばんでてちょっと寝苦しい感じの夜やったわ。


「ウゥゥ...ウゥゥ」
夜中に声が聞こえてきてん。

「ウゥゥ...ウゥゥ」

どっから聞こえてる声なんか
方向は全くわからんかった。

ただすぐ近くから聞こえてきてるのはわかってん。


(うわ~これ部屋に出るでってゆってた幽霊ちゃうんか~?)

内心めっちゃビビってて
心臓がキューーンッてなったのを覚えてる。

先輩は特に動かへんし気ぃ付いてないみたいやし

俺、2段ベッドの上段やから
飛び下りて回り見るとかできへんし。

って思ってたらまた

「ウゥゥ...ウゥゥ」

って聞こえてきたもんやから

そのまま薄いシーツを頭からかぶって
無理やり寝ることにした。

暑くてなかなか寝れんなぁって思ってたけど
気が付いたら朝になってたわ。

知らん間に寝てたみたい。


とりあえず
当直のベッドチェックっていう点呼を受けた後に
先輩に昨晩の話をしてみた。

俺「◯さん 昨日ヤバかったっすよ!」
先輩「何っ?」

俺「(ん?機嫌悪い?)」

 「俺昨日、怖い本読んで寝たんすけど、そしたら夜中にウゥゥって声が近くから何べんも聞こえてきたんすよ!」

 「この部屋ってマジで出るんスね!俺、人生初オカルトでしたわ!」


そしたら先輩が
「お前かっ!」って急にキレだしてん。


話を聞くと

先輩は昨晩、酒飲んで先に寝てたけど、
消灯前に俺に声をかけられたからちょっと目が覚めたんやって。

その後、電気が消えたからすぐに寝入ったけど
夜中になったら突然体が動かんくなったらしい。


で、そのまま3時間位

『ガッチガチの金縛り』

にあってたんやってw


1人で
「ウゥゥ...ウゥゥ」
つってw



「ウゥゥ...ウゥゥ」
って言う声は
先輩が動けんくて、うめいてた声やった。

確かに実距離1m以内やから近くに聞こえるわw




確かに俺の部屋は心霊現象が起きる部屋やった。



ただ、その心霊現象は
俺じゃなくてベッドバディの先輩を直撃してたって話



先輩、ちょっと泣いてたw

でも、その横で俺 腹抱えて爆笑してたw






後日談
先輩はスロットで負けても特別外出の時は
営内に帰ってこんようになったw





こんな感じやけど話してみぃへん?


最後まで読んでくれてありがとな^^

コージ♪




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