健康に生きる秘訣

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コラム
昨日、私が以前関わっていた特定健診・特定保健指導について触れました。あの記事を書いた1月半後の2009年8月4日に、生活習慣病対策に対する考え方が、私の中で変わっていった過程を書いていました。ヘルスカウンセリングのチカラに圧倒されていた頃のお話です。私の恩師宗像恒次の「日本の病院は野戦病院にしか過ぎない」という強烈なメッセージも引用しているので、ぜひ読んでみてください。


日本の病院は野戦病院にしか過ぎない…例をあげると、ある患者さんが肝炎になり入院する。その後ライフスタイルを改善することなく、やがて慢性肝炎で再入院して、さらには肝硬変になり再入院、その後肝がんで再入院するというような診療記録が多々ある。確かに入院するたびに対症療法がされているが、同じ人が何度も身体症状を出して、同じ病院に入院している。ライフスタイルの変容がないと生命危機となると身体が警告しているのに、医療者も本人もそれに対処できず、今や死を迎えようとしているのだ。
宗像恒次著「SAT療法、2006、金子書房」の冒頭にある文章です。
これを読んで、あなたはどうお感じになりましたか?

生活習慣病とされる糖尿病、高血圧、がん…そして、うつ。
医療費を圧迫し、社会問題になっていますよね。

それで出てきたのが昨年4月から始まった特定健診・特定保健指導、いわゆる「メタボ健診」というものですが、どうでしょう?
この不景気の中、健康関連事業費は一番に削減され、多くの事業所では、そんな施策なんて知ったこっちゃない。
ペナルティ?
課せられるものなら課してみろよ!
そんなところが実情なのではないでしょうか。

そこで、いま一度、先の宗像の文章を読み返してみてください。
日本の病院は野戦病院…ライフスタイルを改善することなく…生命危機となると身体が警告しているのに、医療者も本人もそれに対処できず、今や死を迎えようとしている
なぜ医療の中で、もっと根本的な治療ができないのでしょう?
患者も医者に頼りきり、対症療法を受け続けるのでしょうか?

必要なのは、ライフスタイルの改善。すなわち生き方変容なのです!

特定保健指導は、行動科学の考え方を取り入れ、利用者の行動変容を促す。
本当にそうですか?
「このままの生活を続けたら、10年後にはどうなるか…」と脅してみたり、
「…だからこうした方がいいよ」とアドバイスしてみたり。
従来の健診後には、よくそんな「指導」が行われていましたね。
だから、指導ではなく相手のステージに合わせた行動変容なんだ。
本当に、行動変容の支援ができていますか?

どうでしょう?
この特定保健指導サービスを受けられた方、自分の行動は変えられましたか?
血液の数値は変わりましたか?
1年間、いい数値をキープできていますか?

いやいや、本当はそんなものに囚われていてもいけないですね。

肝炎になった。
それは、お酒の飲み過ぎが一因なのかもしれません。
では、どうしてお酒を飲みすぎてしまうのか?
この不況下で人の心はギスギスし、人間関係の悪化によるストレスかもしれません。
仕事が思うように捗らず、先の見えない不安かもしれません。
なんとか自分の評価をよくしたい、上司に認められたい。
そういう心の悲鳴なのかもしれません。

自分は、本当はなにをしたいのか?
どうであったらいいのか?
そんなことを、自分自身に問いかけていますか?

まわりがどうであれ自分が満足する。
満足した自分が、まわりのみんなと愉しんで生きる。
そういう生き方ができると、ストレス度もグッと落ち、お酒を飲まずに過ごせる日も、だんだん増えてくるかもしれません。
ヤケ酒でなく、楽しいお酒が飲めるようになるかもしれません。

特定保健指導の短い時間の中で、そんな個人の事情に踏み込んでまで、相手の気づきを引き出すことができていますか?

医療制度を見直し、「野戦病院」を変えていくことも、今後の重要な課題でしょう。
いまの医療は、多くの病に無力だと私は感じています。
少なくとも、ストレスが根源にある病、生活習慣病やうつなどには。
だから、自分自身が生き方を変えることが大事なのです。

そんなこと重々承知しているさ。でも、変えられないものは仕方ない!
あきらめてしまっているんですね?

それを助けてくれるのが「SAT療法」だと、私は思っています。

なぜ?
それは、頭でわかっていても、自分の行動様式に影響を及ぼす自己イメージを拭いきれないからなのです。
潜在する、過去に解決しきれなかった問題イメージ
一部はDNAを介し、何代にも渡って世代間伝達されてきた「生き残り戦略」があるから。
自分を守るために、見ない、聞かない、感じない、考えない、関わらない。

人は自覚、無自覚を問わず「修正感情体験」をするように生きるのです。
たとえば親から十分な愛情をもらえなかった子は、その愛を他人に求めようとするのです。
けれども、愛されなかったらどうしようという怖さが先に立ち、問題を直視することを避けてしまう。
愛を求めて受け入れられず傷つきたくない。そういう「生き残り戦略」。
それは自分ではなく、その前の代のご先祖様の体験かもしれないのにね。
だから仕方なくお酒を飲んで、一時その恐怖を忘れる。
気持ちを紛らすための行動症状なのですね。

「SAT療法」はそこに介入していくセラピーなのです。
野戦病院しかないいまの日本には、とても必要なものだと、私は思います。


健康でありたい。それは万人の願いだと私は思っています。

でも、どうして健康でありたいのでしょうか?
健康な身体で、あなたはなにがしたいですか?
どのように生きたいですか?

「健康であること」が目的になってしまうと、ちまたにあふれる、怪しい健康情報に振り回されるリスクも高まります。それは散財リスクでもあります。
そしてこの3年は、本当に命に係わるようなウソが蔓延し世界中が翻弄されています。もしかしたら、この先、考えられないような病態で苦しむ人が増えてしまうかもしれません。
野戦病院で出されるクスリで、苦しみから一時逃れることができるかもしれません。けれど、それは諸刃の剣です。
それらに頼りきらずに、自分で真実を見極め、自分のありたいように生き方を変えていってみてください。

私は、ストレスは本当の自分を生きていないことによってかかるものだと、いまは考えます。
身体に痛みとして、お酒を飲み過ぎてしまう嗜癖行動として、現れるストレスサインに気づき、生き方を変えてみてください。
それが健康に生きる秘訣なのです。



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