「生きる痛み」をいかに緩和するのか

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今日は、ヘルスカウンセリングのおもしろさにドンドン惹かれ、セミナーを受けまくっていた頃の2009年6月26日に書いたブログ記事を紹介したい。

これまでの時代の私たちは、「正しく行動できるかどうか」に基づいて生きてきたといえるのではないだろうか。その場合、正しく生きているかどうかを決めるのは自分ではなく、一般化された他者である。私たちは、一般化された他者の評価を気にして、他者から報酬(収入、評判、地位、名誉など)が得られるように生きる他者報酬追求型行動をとってきた。他者報酬追求型行動は、運動会の徒競走のスタート前の心臓のドキドキのように、不快物質ノルアドレナリンが分泌しやすい行動である。
ノルアドレナリンは、肩こり、頭痛、不眠、胃痛、腰痛などの原因となる化学物質である。ノルアドレナリンが分泌し続けるように生きていては、痛みが増すばかりで、その不快さにはとても耐えられない。ノルアドレナリンの毒性は、ハブの毒の10倍以上といわれる。
だから私たちは、気晴らし食い気晴らし性行為など、快感物質ドーパミンの分泌促進行動をとることによって不快さを代償させるのである。また、アルコールや抗不安剤、睡眠剤に頼り、不快物質ノルアドレナリンの分泌を抑制する行動を嗜癖する人も少なくない。
つまり、不快物質の分泌持続が余儀なくされる日常に対して、絶えず「生きる痛み」を緩和する快感への嗜癖行動をとらざるを得ないのである。今日、嗜癖行動病である生活習慣病の増加が止まらないのも不思議ではない。
と宗像恒次はいう(「感情と行動」の大法則、2008、日総研出版)。

となれば、生活習慣病に立ち向かうためには、不快物質ノルアドレナリン分泌の「持続が余儀なくされる日常」を変えることが必須。

そうであるためになにをすればいいのか…
メタボを指摘されたあなた、不定愁訴に悩むあなた、いま一度、どのように生きればいいかを考えてみてください。

「生きる痛み」を緩和する方法がなになのかを。

それに気づき、生き方を変えたとき、
きっとあなたの目の前に、即時希望に満ちた未来が広がる!私はそう思う。


当時の私は、事業部門に研究開発課を創設して5年めで50歳。いくつかの研究機関と共同研究を重ねていた頃で、日常生活での身体活動、すなわち「日頃どれくらい身体を動かしていたか」をモニタリングし、それを人々の健康づくりに役立つ情報として、どのように提供していくかということに、真剣に取り組んでいたんです。適度な運動で心身共に元気にできる、生活習慣病の予防になんとか寄与したいと頑張っていましたね。

1996年に「成人病」と呼ばれていた病態が「生活習慣病」と改称されました。そして2000年、その対策としての「健康日本21」が策定され、2008年から生活習慣病撲滅対策としての「特定健診・特定保健指導」、いわゆるメタボ健診が始まっています。そのような国の施策が「正しい」と信じていた頃の私は、NPO健康増進推進機構の副理事長を務め、活動量計の品質基準をまとめたり、それを用いた指導方法の確立に邁進していました。

そのような中で出会ったヘルスカウンセリング。私は、ヘルスカウンセリング学会公認傾聴支援士という資格を得、その学びを、これまでの研究にミックスしました。身体活動のモニタリング結果を見ていただきながら、ヘルスカウンセリングで気持ちを尋ね、いまの自分の状況に対する思いや本当はどうありたいかをクライアントに問う。そのために、すぐにできそうと思えることはどんなことか、ていねいに寄り添いながらそれを引き出し、行動に移してもらうことを自分で決定いただく。新たな支援方法が、1つ見えた頃に書いたのがこの記事でした。

14年経ったいま、私は、ノルアドレナリン分泌過多による肩こり、頭痛、不眠、胃痛、腰痛などの不定愁訴は、自分のありかた次第で解消できると考えています。その痛みが辛すぎるときは、ドーパミンを得るための代償行動をしても構いません。クスリ(医薬品)に頼っても構いません。私は、それらの行為を否定しません。だってハブ毒の10倍以上もある毒なのですから。でも、それはどうしても辛い時だけ、一時しのぎだと心に誓ってほしいのです。

身体は本当に正直で、自分の心身になにか無理がかかり続けていると、そんな症状を出して気づかせてくれるのです。その「生きる痛み」を、どうすれば緩和できるのか、「病気」になる前に、どうか時間を取って自分と対峙し、その痛みの原因を自分に問うてください。そして、その問題の原因を対策してください。誰かに助けてと、弱音を吐いたっていいんです。そんな生活を心がけていけば、生活習慣病に悩むことはないと私は信じています。

あなたがこれから一生を終えるときまで、自分の思うように生きられるように、「健康」であることを、私は祈っています。


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