伝わらなくてもいい?!

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コラム
2014年5月31日に私が書いたブログ記事なのですが、10年近く経っても、おもしろいなと感じたのでここに再掲し、あなたと共有させてください。
自分を押し殺しきれず、多大なストレスを抱えながら生きた会社員時代。どうしても想いが顔を出し、「これがみんなのため、社会のためになるのか」と、抑えられなくなる私は、その度に叩かれました。新しいことばかりやってきましたが、3年待ってもらえないことが多かったです。卸会社の中でメーカー的な事業を推し進めるのは大変でしたが、それを通して人間的に成長することができたなと、いまは感謝しています。

早いもので、私がSAT(ヘルスカウンセリング)と出会って丸6年が経ちます。
あなたはあなたのままでいい!
SATの開発者であり講師の宗像恒次先生からこの言葉を初めて聞いたとき、私は胸がジーンとし、涙がこぼれ落ちそうになりました。

私の「素」を出して、何度も辛い目に遭ってきました。
もっと要領よくなれ!
幼い頃から、何度言われたことでしょう。

そうなれたら、そりゃラクだろうよ、そう思って努力したこともあります。
でも無理でした。

社会の中で生きていくためには、自分を出さないようにしないといけない
自分を抑え、心に思っても、安易に口に出してはいけない
出したら、また痛い目に遭ってしまうから…。

そうやって、必死に堪えて生きてきました。

でも、そんなことをしていると、どんどん自分らしさが消えていくんです。
カラダはあっても抜け殻の自分。
まるで、魂が抜けた幽霊のような自分になっていくんです。

そんな自分は嫌だ!
やっぱり自分らしく、自分を出して生きていこう。

その度に上から叩かれるから、いつしか感じることを放棄していました


そんな私が、ヘルスカウンセラーに最初に出会った2008年の春のことです。
あなた、おかしいよ。
いま、笑っているよね。
でも、その笑顔は、本物じゃないよね?!
一体なにを言われているのか、当時の私には分かりませんでした。

その後、その方が講師をされる傾聴セミナーに参加、私と同じように辛い日常に苦しんでいるクライアントさんの気持ちを傾聴するというワークを体験し、聴けない自分を痛いほど自覚しました。

それで、悶々とした1ヵ月を過ごし、ゲシュタルト療法のワークで元気を取り戻した私は、再度傾聴に挑戦しました。
聴けました。
同じ悩みを持つクライアントさんの気持ちも、聴くことができました。
叩かれる度に心の奥底に抑え込んだ感情を、そのワークで解き放つことができたからです。大の大人が、大勢の前で「バカヤロー」って、大声を出して泣きました。
2008年も暮れになっていました。

翌年、毎月1、2回、宗像先生のセミナーを受けるために、週末土日、東京に通いました。カウンセラー養成、グループ支援(ソーシャルスキルトレーナー養成)、コーチャー養成、3つのコースを全制覇です。
がんばりました。
ヘルスカウンセリングを学ぶことで、気持ちがどんどんラクになる。
生きやすくなる…。

それまでも、仕事上で幾人もの心療内科ドクターと一緒に研究することもあって、様々な心理療法を知っていました。けれども、ヘルスカウンセリングの類まれな威力に驚嘆し、「広く伝えないといけない」私はその思いに駆られました。ヘルスカウンセリング学会のホームページや、ブログにヘルスカウンセリングについて、たくさん書いてきました。
そして、2012年からは地域勉強会も始めました。

でも、2年ほど続けてみたいま、勉強会をお休みしています。
伝わらなくてもいいじゃない?!
そう思えたからです。

必要なものは、必要な時に、必要とする人に、自然と伝わる。
いまはそんな感覚があります。
ヘルスカウンセリングは自然と伝わっていくと感じるんです。

だから、
伝わらなくてもいいじゃない?!
なのです。

ようやくここにきて、肩の荷が1つ降ろせた気がしています。


私は2019年に退職すると決め、それまで6年ほど、内部監査人の資質向上の目的で社内でやっていたソーシャルスキルトレーニング講習を、その年からまた地域で再開しました。しかし、1年やったところで流行病で中断、1年間ゆっくり休んで自分を見つめ直し、2021年からオンラインでできることを試行してきました。
それは、
意識しないと、個々が分断されてしまう時代になってしまったから、また伝えないとなと思ったからなのです。
そしたら、昨年(2022年)10月、ヘルスカウンセリング学会の理事のお役目が回ってきました。さらに、来月(2023年9月23・24日)開かれるヘルスカウンセリング学会の学術大会実行委員長まで仰せつかったのです。

再びいま、このヘルスカウンセリングを世に伝えよとの意味だと受け取りました。なので、7月、ソーシャルスキルトレーニングに特化して学んでいただこうと「サッ!とメントレ塾」も、インターネット上に開講しました。

私は面と向かってやるリアル講座が大好きです。皮膚感覚、温度感覚に、どうしてもネットを通すと雑音が混じる。でも、全国どこの方とも繋がれるメリットのあるオンラインでのやり方もできるようになりました。
いまは、14年前のように必死になって伝えようとは思っていません。だって、情報過多すぎて、みんな溺れそうになっているから…。
きっと、必要な人に、自然と伝わっていくことでしょう。
それくらい、ヘルスカウンセリングって、人をしあわせにするチカラがあるんです。



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