本のテーマを独自のものにする方法~大型書店に行って棚を見てみる~ 

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ビジネス・マーケティング
前回からの続きです。
例えば、話し方をテーマにした本が大型書店でどのくらいのスペースを取っているかをぜひ見に行ってください。
かなり大きなスペースだとわかります。
そして、あなたが出したい本と同じジャンルの本が置かれているスペースも必ず見てください。
たとえば、趣味に分類されるジャンル
・クイズ
・囲碁・将棋
・おりがみ
・カメラ
・楽器
・プロレスや格闘技関連
・俳句
・園芸
・ファッション
・イラスト(の書き方)
・鉄道
などは大型書店といえども大きなスペースではない場合がほとんどです。
書店でのスペースと需要は比例しているわけです。
一方、ビジネス、自己啓発といったビジネス関連本や、料理、美容、健康などの日常生活と密接に関わるジャンルは大きなスペースが取られています。
〇大きなスペースが取られている=ライバルが多いレッドオーシャン
〇大きなスペースが取られていない=ライバルが少ないブルーオーシャン
一般的なビジネス思考ではこのように考えがちですが、そうとも限りません。
たとえば将棋。
前述の通り、さほど大きなスペースが取られていないジャンルです。
雑誌『将棋世界』を出しているマイナビなど専門的に出している数社で将棋本は市場がほぼ取られています。
趣味に分類されるジャンルはほぼこの傾向があります。
そうした定評のある出版社から出ている本を手に取るリピーターが多いわけです。
では、カメラ本を例にとってみます。
20年以上昔は、「写ルンです」や画質の悪いガラケーのカメラで一般の人は撮影していましたね。
ところが、スマートフォンの普及で高画質の画像撮影が可能となりました。
そしてInstagramなどで映える画像をアップして多くの人に見てもらう手段もできたので誰しもカメラマンという時代です。
ちなみにスマートフォンの普及とともにデジタル一眼レフカメラの国内販売台数は減少しています。
まるでスマートフォンの性能がどんどん進化するのに呼応しているように見えます。
しかし、減少傾向のカメラ販売台数にもかかわらず、「カメラを趣味にしたい」と考える人、特に女性に向けて、わかりやすい入門書の需要があるというニッチをねらった本を例にあげます。
カメラ関連の出版物というと、『日本カメラ』『アサヒカメラ』『CAPA』といったカメラ雑誌(続々と休刊に追い込まれていますが)や下記のような固い内容をイメージさせる地道な実用書が多いジャンルです。
カメラ中級者以上をターゲットにした本。
初心者向けの本やムックは固いイメージがあると思います。
こうした中で2018年に下記の本が発売され売れました。
〇『カメラはじめます!』(こいしゆうか 著/サンクチュアリ出版)
デジタル一眼レフカメラのイラストが表紙(カバー)にありますが、スマートフォンでの撮影でも十分に使える撮影テクニックも紹介されています。
マンガやイラストが多用された構成でとっつきやすい。
そしてテーマが絞られて明確です。
帯のコピーが見た人の気持に刺さります。
〇覚えることは3つだけ!
です。
これは、
1 絞り(背景のボケ)
2 露出(明るさ)
3 WB(色合い)
だけマスターしましょうということです。
オンライン書店のレビューを読むと、
・今までチャレンジして挫折を続けた私でもわかった
・専門用語も、わかりやすい言葉で、マンガで説明している
・デジタル一眼を購入したばっかりや、買ったけど今一歩活用できてない…と感じてある方、SNSにキレイな写真を投稿したいと思っている方は、ぜひ一読する価値がある一冊
このように、初心者に読者ターゲットを絞り、覚えることを3つに絞り、マンガを使って固さを払拭したことが功を奏したといえるでしょう。
本のテーマを独自のものにする方法~テーマをひねる~
企画を独自のもの、つまり、あなたしか書けないものにするにはどうしたらいいか?
ワインをテーマにした本で考えてみます。
私もですが、勉強しようと本を読むものの挫折するジャンルだと思います。
つまり、「くわしくなりたいけれどなれない初心者未満」の人がかなりの人数いると推測
できます。
ワインの本は料理本の棚の一部にあるケースが多いのですが趣味性が高いので例として取り上げます。
ワインの入門書というと下記のような本が多かったです。
カメラの場合と同じように固いイメージの本が多いです。
初心者が理解できるのか?と思ってしまいます。
こうした中で下記の本が2015年に発売されました。
⚫『図解 ワイン1年生』(小久保尊 著/サンクチュアリ出版)
タイトルに“初心者”の言葉を使わず、“1年生”としたのが当時はかなり斬新なイメージを与えました。
そしてマンガを多用し、ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨンなどワインをそれぞれキャラクターにして登場させています。
これにより、すぐ忘れてしまいそうな情報が記憶に残るわけです。
前回のブログで例に出した、『カメラはじめます!』と同じニッチ化の図式が見えてきます。
初心者向け×マンガを使って固い印象を避ける×ワインのキャラクター化などで覚えやすくする。
将棋の世界で藤井聡太さんが出現したことで将棋が一般の人にぐっと近いものとなりました。
構図としては近いものがあると思います。

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