自分が出したい本はどの程度の需要があるのか?

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ビジネス・マーケティング
自分が出したい本のテーマが見えてきたら、次のステップに進みましょう。
何かというと、
⚫出したい本の市場規模を知る
です。
たとえば、あなたが話し方の講師を仕事としているとします。
話し方をテーマにした本を出したいと思った時、話し方をテーマにした本といっても次のような絞ったテーマの本が存在します。
・ビジネス会話
・雑談
・敬語
・とぎれない会話
・会話のマナー
・上司の会話法
・稼ぐ会話
・男女の会話
・伝え方
2020年にすべての本の中で一番売れたのが下記の本です。
⚫『人は話し方が9割』(永松茂久 著/すばる舎)
著者の永松茂久さんは次のように紹介されています。
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3坪のたこ焼き屋からスタートし、延べ45万人以上に講演してきた著者が、長年温めてきた「人に好かれ、応援してもらえ、可愛がってもらえるコミュニケーション」の秘訣を初公開!
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最初から特別な人だったわけではありません。
そして、内容紹介は下記のようになっています(一部)。
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「初対面で何を話したらいいのかわからない」
「すぐに話が途切れて会話が続かない」
「何をどう相手に伝えたらいいのかわからない」
「うまく話せず失敗した経験がある」
「なぜだかわからないけど、相手を怒らせてしまった」
「何を話せば話が盛り上がるのかわからない」
「思っていることを正直に言えない」
「沈黙の時間が怖い」
こんな悩みを抱えている人は、少なくありません。
でも、大丈夫。
本書では、これらの悩みを解決する方法を、
ズバリ、お伝えいたします。
特別なことではありません。
誰にでも身につけることができる、
「ちょっとしたコツ」です。
話し方を少し変えるだけで、
仕事もプライベートも恋愛も、すべてが大きく好転します♪
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読んでいくと書いてあることは本当に、特別なことではありません。
まったく新しい会話メソッドが紹介されているわけでもないです。
⇒ただし、構成や見せ方や具体的方法は非常にわかりやすく紹介されています
なぜこの本はここまで売れたのか?
本当のところは正直わかりません。しかし、せっかくなので要素を分解して考察します。
◆タイトル
『◎◎が9割』は昔からある定番のタイトルづけです。
おそらく始まりは2005年に発売されたこの本です。
『人は見た目が9割』(竹内一郎/新潮社(新潮新書)
ほぼ同じようなタイトルの本も昔から出ています。下記は2006年に発売されました。
⚫『人は「話し方」で9割変わる』(福田健/リュウ・ブックス―アステ新書)
 つまり、タイトルはよくいえば定番、斜めから見ると目新しさはないとなります。
◆本文
改行が多く読みやすいです。この本の総ページは240ですが、ギュッと詰めると200ページ以内で収まりそうです。
現在の傾向のひとつに、
・改行を多用して読みやすさを考慮する
があります。
この点などもきっちりと押さえている本づくりとなっています。
◆キーワード
オンライン書店での宣伝バナーが以下です。
作り手側の意図が見えるキーワードが埋め込まれています。
・「スキル」よりもメンタル
・自己肯定感が上がる
・ラクになる
上記のフレーズは心理読み物ジャンルの本に近年頻繁に出てくるものです。
とくに、自己肯定感はこれだけで1冊になるほど興味を持たれているテーマです。
・話し方×かんたんな方法×メンタル×自己肯定感
という感じです。
定番なタイトルなのに爆発的ベストセラーとなったのは、こうした今の時流に乗ることを十分に意識していたのではないかと思います。

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