「図解眠れなくなるほど面白い睡眠の話」西野精治監修

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睡眠シリーズ2冊目は、前回と同じ西野精治監修「図解眠れなくなるほど面白い睡眠の話」です。前回の「スタンフォード式最強の睡眠」は2017年出版で、今回の書籍は2021年出版となります。
図解版が最新かと思いきや、今年出版の睡眠本がありますので、近いうちに読みたいと思っております。

内容が重複している部分もありますが、前回触れなかった部分や大事な部分の深堀、また新しい部分もたくさんご紹介していきたいと思います。
第3章、第4章及びナンバリングが飛んでいる部分は私の判断で前回の重複として省略しております。※52と53だけ重要と思い要約に含めます。

第1章 つい誰かに話したくなる睡眠の新常識

1.睡眠は感染症予防の基本のき
 カリフォルニア大学による調査によると、睡眠には、細菌やウィルスに対する抵抗力、つまり自然免疫を強くする効果があると言えます。さらには、予防接種をしても、睡眠が十分でないと抗体反応が弱く、その効果が認められなかったという報告もあります。
 睡眠時間5時間未満の人は、7時間以上の人の感性率の約3倍にも!!

2.睡眠不足で太りやすくなる本当の理由
 睡眠不足によりホルモン量が変化し、食欲が抑えられなくなることで食べ過ぎてしまいます。

5.睡眠不足による経済損失は約15兆円
 世界のエグゼクティブやトップアスリートが、こぞって意識しているのが睡眠です。日本において、「睡眠が正しく管理されていないことによる経済損失は年間15兆円」という試算もあります。
 経済損失につながる理由
 ・就業中のパフォーマンスが下がり、生産効率が落ちる。
 ・ミスやトラブルが増え、大事故の原因となる。
 ・生活習慣病や精神疾患、がん、認知症の発症リスクが上がる。

6.寝すぎても健康リスクは高まる
 短時間睡眠(3~4時間)の人だけでなく、長時間睡眠(9~10時間)の人も、死亡率がおよそ1.3倍も高い。とくに一晩に9時間以上寝る人は、活動量の低下を招き、結果として肥満や脳卒中、心臓病などのリスクが高まることがわかっています。

7.訓練してもショートスリーパーにはなれない
 ショートスリーパーは遺伝子によって決まる、生まれながらの特異体質のようなものと分かっています(全体の1%未満程度)。

8.睡眠不足を寝だめでは解消できない
 睡眠不足が蓄積されて慢性化している状態を「睡眠負債」と表します。
 睡眠負債が返済され、寝てもよいといわれても、体が必要とする睡眠時間以上には眠れない、つまり「睡眠預金」はできないことも明らかになっております。

9.睡眠不足の運転は飲酒運転より危険!
 睡眠負債を抱えた状態ででの運転は、アルコールや薬物接種時の運転と同じくらい危険です。
 アメリカの学会誌『Sleep』の調査結果によると、夜勤明けの医師は、本人も認識していないほどの瞬間的な居眠り(マイクロスリープ)をしていることがわかりました。

10.午後の眠気はランチを抜いても撃退できない
 体内時計のひとつである概日リズム(サーカディアンリズム)では、日中の活動時間のちょうど中央あたりの14時~16時に眠気が強くなると示されています。
 アフタヌーンディップ(昼食後の眠気)を撃退するには?
 ・日々の睡眠時間を少しでも増やす。
 ・重い昼食をとらないよう心がける。
 ・よく噛んで食べる。
 ・カフェイン入りの飲み物をとる。

11.寝つきが悪くても、じつはよく眠っている?
 スタンフォード大学が行った調査では、むしろ寝つきの悪さを感じている人のほうが早く眠っていました。「寝つきがわるいなぁ・・・」と感じていても、本当は早く眠っている可能性もあるので、気にしすぎているのかもしれません。
 眠れないときに「眠れない」と意識しすぎると、それがかえってストレスになり、ますます眠れなくなってしまいます。いちばんの対処法は、無理に眠ろうとしないことかもしれません。

12.時差ボケは1日1時間しか修正できない修正できない
 少しでも早く時差ボケを解消するために有効とされているのは、朝に光を浴びることと、朝食をしっかり食べることです。

13.「朝型」「夜型」は、ときには変わる
 極端な「朝型」「夜型」は、遺伝で決まっているケースが大半とはいえ、多くの人は遺伝だけでなく、年齢や生活環境などの影響も受けるので、朝型、夜型が変わることもあります。

14.起きたい時間に起きられる?
 翌日の起床時刻を意識して眠ると、覚醒に欠かせないコルチゾールの分泌が、起床時刻の1時間ほど前から少しずつ上昇するとの研究報告があります。

第2章 ここまでわかった!睡眠の科学的メカニズム

15.こんなにすごい!睡眠の仕事①脳をしっかりやすませ、体をメンテナンスする!
 脳は深いノンレム睡眠のときのみ休んでいます。

16.こんなにすごい!睡眠の仕事②自律神経やホルモンバランスを整える!
 自律神経は心臓をはじめとする内臓の働きや体温、代謝などの調節を24時間休むことなく行っています。睡眠は活発な状態の交感神経を弱めて、副交感神経を優位にする役割を担っている。

成長ホルモンがでないと・・・
 ・コレステロールが増える。
 ・骨が弱くなり、折れやすくなる。
 ・筋肉量が減る。
 ・体力が落ちる。
 ・肌が荒れる。など

17.こんなにすごい!睡眠の仕事③記憶を整理して定着させる
 海馬から大脳皮質への情報の伝達は、眠りはじめの深いノンレム睡眠のときに行われます。自転車の乗り方やスポーツ技術の習得など体で覚える記憶(手続き記憶)は、浅い睡眠で定着します。(転送中に脳内で映し出されているものが「夢」ではないか、との説もあります)
 記憶の消去が行われるのも最初の深い睡眠のときとされていますが、最近の研究でレム睡眠もかかわっていることがわかりました。

18.こんなにすごい!睡眠の仕事④免疫力を上げて抵抗力を高める!
 代謝にかかわる成長ホルモン(グロースホルモン)は、最初のノンレム睡眠が現れないと分泌が激減し、傷ついた細胞の修復に差し支えます。結果、免疫力が低下し、菌やウイルスが侵入しやすくなります。
 免疫細胞にはそれぞれに役割があり、情報伝達にはサイトカインという物質が使われています。

19.こんなにすごい!睡眠の仕事⑤脳の老廃物を除去する
 脳の老廃物は脳内をめぐる脳脊髄液というで洗い流されています。このシステムをグリンパティックシステムと呼び、日中の4~10倍も活動しています。十分な睡眠によって、認知症予防の効果も期待できます。

22.一番大切なのは入眠から「最初の90分」
 「最初の90分」が睡眠全体の質を左右します。最初の90分の質がよければ、6時間睡眠でもすっきり目覚められる可能性も高い!

23.体内時計が睡眠と覚醒を支配する!
 人体のさまざまな生理機能ともっともかかわりが深いのが1日周期の概日リズム(サーカディアンリズム)です。
 ところが、人の概日リズムの1日は24.2時間なので、放っておくと少しずつずれていきます。このずれを修正してくれるのが光で、特に朝の光が有効とされています。

24.仮眠と不眠の不思議な関係
 日本では成人の約2割が睡眠に何らかの問題を抱えているといわれています。
 睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)では、大きく7つに分けられます。
 ・不眠症…寝つきが悪い、ぐっすり眠れない
 ・中枢性過眠症群…ナルコレプシーなどの過眠症
 ・睡眠関連呼吸障害群…睡眠中に何度も呼吸停止が起こり覚醒反応が生じる
 ・概日リズム睡眠・覚醒障害…適切な時間に寝たり、起きたりできない
 ・睡眠時随伴症群…夢遊病など睡眠中に異常行動を示す
 ・睡眠関連運動障害群…脚がむずむずしたり、ほてったりしてよく眠れない
 ・その他の睡眠障害…睡眠にともなう頭痛やてんかんなど

 不眠と仮眠は別々の病気として分類されますが、実際には表裏一体の関係です。仮眠や日中の不適切な生活習慣により、夜に不眠になることはめずらしくないのです。

25.本当に怖い睡眠時無呼吸症候群
 睡眠時に呼吸が止まり、呼吸が止まるたびに覚醒反応を示します。夜中に何度も覚醒してしまうため慢性的な睡眠不足に陥り、結果、日中の眠気が強まり、判断力や集中力が下がるなど、生活に影響をおよぼします。
 治療せずにいると、およそ8年間で約4割の人が死亡するという衝撃的なデータもあるほどです。

28.睡眠不足でネガティブな感情に過剰反応する
 睡眠時間が短いと、恐怖や怒りなど不快な表情を見たときに、気分を悪くしたり、不安になったりしやすいことがわかりました。
 ノルウェー科学技術大学の研究報告(2020年)によると、睡眠を減らすと、翌朝のポジティブな気持ちが減少してしまうこともわかりました。

29.寝る子は脳も育つ!
 赤ちゃんの脳は、外からさまざまな刺激を受けながら、脳内の神経回路(シナプス)をどんどんつくり、不要なものは除去され、発達していきます。「情動や学習能力の向上」にも役立ちます。
 睡眠時間が十分でないまま成長してしまうと、脳の発達に悪影響があるともいわれています。

30.なぜお年寄りは朝が早い?
 ・寝つきが悪くなり、入眠潜時が長くなる。
 ・眠りが浅くなり、ちょっとした要因で目が覚めてしまう。
 ・長時間の熟睡が難しくなる。
 ・睡眠時間が短くなる。
  ↓↓
 骨粗しょう症や認知症の発症リスクも高くなる。
 昼寝で睡眠の量を確保するのも有効!

第3章 今夜からぐっすり「黄金の90分」の質を高める極意

第4章 スタンフォードに学ぶお悩み別睡眠アドバイス

52.分割睡眠が忙しい現代人を救う!?
 細切れの睡眠は分割睡眠とも言います。分割して眠っても、深いノンレム睡眠があれば睡眠の重要な機能は果たされるのでリフレッシュでき、元気に過ごせます。
 ・シエスタ・スリープ…昼食後20分ほどの仮眠をする分割睡眠。
 ・エブリマン・スリープ…夜3時間半眠り、日中3回の20分の仮眠でこまめに眠気をとりのぞく方法。
 ・ウーバーマン・スリープ…1日6回の20分の仮眠ですごす分割睡眠。
 ・ダイマキシオン・スリープ…1日4回の30分間の仮眠をとる分割睡眠。

53.認知行動療法は最新の睡眠改善法
 認知行動療法とは、誤った思考のクセ(認知)を修正したり、悪い生活習慣(行動)を改善したりすることで、不安な気持ちやネガティブな感情が膨らまないようにする精神療法です。
 認知行動療法には薬のような即効性はありませんが、副作用や依存症の心配がないので安心して治療にのぞめます。
 ・眠くなるまで、寝床に入らないようにする。
 ・10分ほどしても眠れないときは、いったん寝室から出る。
 ・夜中に目が覚めてすぐに寝つけないなら、一度寝床から出る。
 ・寝床で読書や食事などをせず、寝るだけの場所と体に覚えさせる。
 ・日中昼寝をせず、夜は眠る時間と習慣づける。
  ↓↓
 寝床が「眠れなくて苦しいところ」から
 「よく眠れる心地よい空間」に変わる!!

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心理セラピストtakashi

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