小説の作り方その1 ~まずはプロットを作成しよう~

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コラム
プロットとはいわゆる、あらすじのことです。
賞を目指す投稿作でも、プロ作家の作品でも、
まずはプロットを作る、というのが通常の小説の作り方です。

プロ作家は、小説を書く前にこのプロットを編集部に提出し、
検討してもらいます。
場合によっては、プロットの直し(いわゆるリテイク)などもあります。

ライトノベルでは特にキャラクターが大事ですので、
全体の物語の流れとともに、キャラクター設定も詳しく書かなくてはなりません。
また、この段階で仮タイトルもつけておきましょう。
物語の大枠がわかる、魅力的なタイトルが理想です。

主役と準主役のキャラ設定はしっかり書かなくてはなりませんが、
その他にも、ストーリーに絡んでくるキャラがいれば、
その設定も簡単に書いておいたほうがいいでしょう。

年齢や性格、外見などできるだけ細かく書いたほうがいいですが、
読む人のことも考えてわかりやすく簡潔に書いてください。
この段階で、自分自身だけでなく、
読者にとっても愛着の持てそうな魅力的なキャラクターにすることが大切です。
特に主人公キャラは、読者が感情移入できるかどうかを重視しますので、
共感力の高そうなキャラに仕上げてください。
(一部例外もあります。全然、共感できなくても面白い主人公というポジションもあります)

プロ作家の場合、これから書く小説が単発で終わるか、それともシリーズ化するかは、ここで魅力的なキャラクターが作れるかどうかにかかっています。
(はじめからシリーズ化が決まっている場合はこの限りではありませんが)

ストーリーは起承転結にまとめて書く方法をおすすめします。
ただ話の流れを書くだけでは、冗漫な印象を受ける場合もあります。
プロットに直接書かなくてもいいですが、
頭の中では、「起承転結」「序破急」を意識しましょう。

人によっては、かなり細かくプロットを書いてくる方もいます。
たとえば、起承転結のどこにどんなシーンが入ってくるのか。
どの事件の時に、主人公はどう考えたのか、相手の気持ちは……などなど。
これはそのまま小説になってしまうのでは、という文章で書き上げてくる方もいます。
が、もちろんそこまでしなくても大丈夫です。
プロットとは、あくまで話の方向性やキャラクターを決めるためのものなんですから。
むしろ、あまり長すぎると、読んでいるほうも疲れてしまいますし、作家さんの文章力を疑う場合もあります(簡潔にまとめる文章力です)。

プロットのリテイクは、たとえば「話の盛り上がりが足りない」や、
「キャラクターが弱い」「萌えどころが少ない」
「ありがちすぎて、独創性を感じない」など、さまざまな観点から直しが入ります。

基本的には、作家が何を書きたがっているか、どういうものを目指しているか、というものと、読者が求めているもの、とのすり合わせをする作業になります。
プロットの練り直しは、作家が妥協点を見つける作業でもあります。

新人賞などについては、たいがいの場合、「あらすじをつけること」と
あると思いますが、このあらすじ=プロットは超超重要です。
なぜなら、まず初めに編集者が読むのがこの「あらすじ」だからです。

「あらすじ」を読んだ段階で、実は編集者の心の中では、
「面白そう」「面白くなさそう」の2つに分かれてしまいます。
あと、人間ですから、「好き」「嫌い」という2つにも分かれます。
(それ以外にも、投稿作の場合はいろいろな基準があり、
「ありがち」「珍しい」にも分かれますし、「うちのレーベルに合う」「合わない」も出てきます)

でもこれは、読者も同じですよね。
本を選ぶときに、まずはあらすじを見て「うわー面白そう!」と思うか、
それとも、「うーん、あんまり好みじゃないな……」と思うか。
ここが運命の分かれ道です。

商品となっている本よりも、投稿作のほうが、あらすじの重要度は
上がるかもしれません。
なぜなら、本は「顔」があるからです。
表紙です。サムネイルです。
あらすじの前に、読者は表紙やイラストやサムネイルを見て、
まずは判断します。
しかし、投稿作には表紙はありませんので、タイトルとあらすじのみで
判断するしかないのです。

ですので、小説を書くこと以上に、プロットにはぜひ気を配ってください。
面白いプロットを作成することに、小説を書く以上の時間とエネルギーを注いでください。




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