toxic_恋の始まりを告げるダチュラの誘惑

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分厚すぎる肉塊、フライパンで丁寧に焼きをいれる。


獣が焼ける香ばしい煙。


焦げる寸前の一瞬、寸分の狂いも許されない絶妙なタイミングを逃さぬよう、肉塊と向き合う。


脳に広がる無限空間に直接投影される肉塊内部のビジュアル。


よし、今だ… 表面に浮き出る脂をバーナーで燃やしきる。


「できた」 唸るように低く呟き、ナイフに持ち替える。


カリッとした表面にナイフの切っ先を添える。やや力を込め、滑らせるように一気に押し切る。


「生~~~~~~~~~~」


ムリ。米牛の半生とか…いや、ぶっちゃけ全生。ぶつ切りにしてザツに火入れのKousakaですおはようございます。





” 違う ”


あの日、エレベーターホールで感じた彼女の匂い。ミス ディオール オードゥ パルファン そう思っていた。


こちらに向かって何か話しかけている。話が入ってこない。


適当に相槌を打ちながら、香りの正体を探っていく。


フローラルらしくしっかり香るのだが、スパイシーが勝っている感じがする。


“ いや違う、果実だ ”


イブサンローラン、モンパリ。
もしそうだとしたら美華にぴったりだ。


私の恋。「幸福の絶頂」


正解かどうかさえ不確かなのに、私はひとり胸躍せていた。


人形のようなルックスに魅惑的な甘い香り。強烈なtoxic。


「美華に会う為に来たんだよ」 素直にそう言った。


相手の出方を探る必要なんてない。彼女が私の事をどう思っているかなんて、目を見ればすぐにわかるさ。


24歳。保険外交員だということ。実は子供が2人いること。お互いのいろんな事を貪るように話した。


彼女は私の想像を超え、はるかにしっかりしていた。そんな彼女を認め、褒めると同時に突き放した。


「もっとふわふわした感じやと思ってたから正直残念」


「えーーー!どこが減点でしたー?」美華が言う。


「めっちゃ頑張っててしっかり生きてる女性やから遊びの対象からは外れるよな当然」


そう答えた。腕時計をこちらに傾け “ もうすぐ帰る ” というわかりやすいサインを出した。


美華が提案する。


「今度ごはんいきましょう」


一般的な男だったらどう受け取るのだろう?一瞬で同伴の誘いだと思うのか?ここは田舎だ。私のまわりで同伴やってる人なんてほとんど聞いた事がない。同伴文化そのものが根付いていないのだ。よって、ごはん行きましょうと言われたら「仕事抜きで二人で」と思うのではないだろうか?


まて。彼女の中で同伴がデフォルトだとするなら、もしや、オフの日にふたりで食事に行けると勘違いしているオジなのかもというレッテルを貼られる可能性はゼロじゃない。潰しておくべきだ。


酔ってはいるが頭は冴えていた。レスポンスは光速だ。


「いいよ、だれか友達連れておいで。俺とDと美華と友達の子と4人でいーじゃん。どっかで食事して、みんなでここ来んの。友達の払いもこっちで持つからさ」


彼女の真意こそわからなかったが、念のため牽制する形をとった。


われらオジにとって、遊び慣れてる感の演出と、若い女性に対するガードを下げない姿勢はマストだ。何の問題もなく思考停止でそう振る舞える。場数を踏むと条件反射的に体が動くのだ。


ひょっとしたらこれは、彼女が即興で仕掛けたトラップだったのかもしれない。


彼女はどう感じたのだろう?俺は合格か?


「良かったら連絡先交換しませんか?」美華は言う。


「いいよ、スマホ取っといで」


“悪くない” 彼女が立ち上がった瞬間、私はつぶやいた。


「え?」聞き返す美華。


その声はまるで届かなかったように私は微笑んだ。


ターコイズブルーのネイルには、大げさなラインストーン。


決して好みのネイルではないのだが、スマホ画面にコツコツ当たる音が小気味良く違和感は幾分薄れた。


QRコード、と彼女が言う。画面を向ける。全くノーガードだったのでトーク一覧画面が表示されていた。


「女の子ばっかり笑」


このタイミングで一覧全てが女性だ。1~3文字の名前、女友達と並ぶ謎の2ショットアイコンが並んでいた。神がかっている。やはり私は持っている。


彼女は私のスマホを操作してQRコードを表示する。


「なんか送って」相手に対し私は必ずこれを言う。最初のLINEは自分から送った、という事実を残すためだ。


ほんのささいな事だが、主導権の所在を明確にしておく必要がある。


「オーケー、来た。んでーこれをー、、、ブロック!」


美華「ねーーーーーー!」


彼女は笑った。もはや使い古された部類のルーティーンだ。


ボーイさんがこちらに近づいてくる。すかさず財布を取り出し「ごちそうさまでした」と告げた。


「財布もPRADA」
彼女が言った。


「かわいいよねPRADA」
私は言った。


彼女に会うべく入念に準備を進め、目的を達成した。


振る舞いや魅せ方、トーク全てが刺さり「魅了の第一段階」を完了させた。




10年に一度の逸材 「 美華 」 

彼女と過ごす二度目の夜がもうすぐ終わろうとしている。




つづく





Kousakaね、「全魅了」ってのを編み出したんですわ。


嬢を全員同時に魅了するヤバテクっす笑


美華の店では、この全魅了を使ってません。小さな店だし、他に推しがいないからです。


今は美華とのストーリー中なんですが、あと2店舗、10人~20人程度のキャストが在籍する箱で「全魅了」を仕掛けてる最中。ブランディングは浸透し、いつでも動きだせる状態まで仕上げました!


同時進行してるんで、ぼちぼち書いてこと思ってまーす。


また興味本位で覗いてください!!


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最近、毎日読者様が爆増しててKousaka嬉し泣き(´;ω;`)



Kousakaマン太郎
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