経費の組み立て方|小規模事業者持続化補助金

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はじめに

小規模事業者持続化補助金の経費ルールは、この数年、大きく変わってきました。
現段階(2024年4月24日)で公表されている補助金経費(公募要領第15回分)について、いったん整理しておこうと思います。

重要①|経費は主体的に組み立てる

経費は、自分で主体的に組み立てましょう。
時々、「丸投げしたい」「プロにお任せしたい」というような方もいらっしゃいますが、補助金に関しては、その発想がそもそも間違えています。

採択後、経費を使うのは、自分自身です。
どうせ理解しなければならないもので、理解しないまま採択されてしまうと、採択されても、補助金を有効に使えない可能性があります。

実際、採択後に頂くご相談の大半は、『申請を丸投げした方』が大半で、「経費をなんとかしたい」という内容です。
残念ながら、採択されてからでも難しいですし、お金を使ってしまってからは、ほとんど何ともならないことが多いです。

ですから、計画申請の段階から、しっかり理解しておくようにしましょう。

重要②|ウェブサイト関連費は4分の1まで

『小規模事業者持続化補助金』では、『ウェブサイト関連』の経費については、補助額の4分の1までしか支払われません。
例えば、ECサイトを100万円で作っても、全補助額が20万円であれば、ECサイトに関する補助金は、5万円しか出ません。
『ウェブサイト関連費』以外の経費をしっかり計画する・使うようにしなければ、本補助金は全然お得ではありませんので、ご注意ください。

そして、『ウェブサイト関連』の設備・ソフトウェアなどは、『①機械装置費』ではなく、『③ウェブサイト関連費』で計上しなければならない場合があります。
よく分からないルールですが、この点は注意です。

ただし、これもよく分からないルールですが、一見『③ウェブサイト関連費』になりそうな経費でも、『チラシ』などでも使う場合には、『②広報費』で計上してよい場合があります。
どういう場合に『②広報費』にしてよいかなどは、個別判断になります。
必ず事務局に確認するようにしてください。

それでは、経費の内容に入っていきましょう。

①機械装置費

飲食店なら、鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫などが補助対象になります。
小売店なら、ショーケースなどが補助対象になります。
また、3DプリンターやCADソフトなども補助対象になります。
一般車輌は補助対象になりませんが、ブルドーザー・パワーショベルなどは補助対象になります。
業務に使う道具・設備については、幅広く補助対象になります。

一方で、以下のようなものは、補助対象にならないことが明記されています。
・自転車・文房具
・パソコン・タブレット・PC周辺機器
・一般事務用ソフトウェア
・応接室のソファ・従業員が使用する事務机

②広報費

標準的な経費は、以下の3つです。
・チラシ
・新聞折込
・ポスティング
第12回採択分でも、『新聞折込・ポスティング』をまとめて、『配布費用(新聞折込・ポスティング)』と書いても問題ありませんでした。
※今後、変わる可能性はあります
また、配布用のティッシュや、広告文のついている販促物なども補助対象になります。

気を付けなければならないことの1つ目は、『広告文がついていない販促物』は、補助対象にならないということです。

例えば、会社案内のパンフレットや、求人関係は補助対象にならないことが明記されています。
また、販促品でも、社名のみ印字されたボールペンなどは、『広告文がついていない販促物』ですから、補助対象になりません。

気を付けなければならないことの2つ目は、チラシ・販促品は、配布した分だけが補助対象になるということです。

「チラシをたくさん印刷して、保存しておきたい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、配布しなかった分は、補助対象にならないことに、注意が必要です。

例えば、予算10万円『デザイン+印刷100枚』で、100枚配れば、補助対象経費は10万円です。
しかし、予算10万円『デザイン+印刷1000枚』で、100枚しか配らなければ、補助対象経費は1万円になってしまいます。
10分の1しか配れていないので、予算の10分の1しか補助対象にならないのです。

配布するものは、確実に配り切れる量だけを、補助対象にするようにしましょう。

③ウェブサイト関連費

ウェブ関連の経費は、全て『③ウェブサイト関連費』です。
ホームページ制作費・動画制作費などはもちろん、『③ウェブサイト関連費』です。

それどころか、動画編集ソフトや、撮影費用なども、『③ウェブサイト関連費』です。
さらに、撮影に使うもの、例えば、暗幕やレフ板なども、『③ウェブサイト関連費』です。

ただし、『重要②|ウェブサイト関連費は4分の1まで』に記載しました通り、『チラシ』にも使うのであれば、『広報費』にできる場合があります。
もはや、意味が分かりませんが、そういうものと理解するしかありません。

その他

・展示会出展費
・旅費
・新商品開発費
・資料購入費(主に書籍)
・借料(主に家賃・レンタルスペース・会場)
・設備処分費
・委託・外注費(主に改装費)

全部説明し始めるときりがありませんので、これらは、公募要領を見てみてください。
これらにも、独特のルールがありますので、必ず公募要領を確認するようにしてください。

さいごに

機械装置・広報・ウェブサイト関連で見てきましたように、補助金経費は、ちょっと独特です。
私たちの日常のビジネスとは、かけ離れた発想のルールがたくさんあります。

計画を申請して、採択されること自体は、大したことではありません。
実際にお金を使って、それを集計して、報告しなければなりませんから、計画申請よりも、採択後の方が、遥かに大変で、重要です。

計画申請の際に、どれだけ上手に計画するかで、補助金の使いやすさが変わります。
ぜひ、「どういう風に使いたいか」を主体的にしっかり考えてみてください。

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