事業計画書の種類と作成目的|補助金申請ガイド

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ビジネス・マーケティング

はじめに

融資を受けるために作成する計画書と、補助金に申請する計画書は、内容・ポイントが全く異なります。
ついでに言えば、新規事業の企画書としての計画書や、投資を受けるための計画書も、内容・ポイントが全く異なります。
以下、簡単にご紹介します。

融資を受けるための計画書

こちらは通常、金融機関又は日本政策金融公庫等に提出するための計画書ですね。

これらの計画書で一番重視されるのは『返済可能性』です。
そのため、内容で重要なのは、「日々の経費がどれだけ正確に見積もれているか」「キャッシュフローに問題はないか」などです。

マーケティングに関する記載は、頑張って書く必要はありません。
売上の根拠などは、実績・経験則で書いてあったとしても、そこまで突っ込まれません。

ポイントは、担保を含む返済可能性です。
返済可能性があって、実績・経験のある業務内容であれば、融資は通ります。
そのため、『資金がないからお金を借りたい人』は通りづらく、『資金があるけど、もっと借りておきたい人』が通りやすいものとなっています。

補助金に採択されるための計画書

補助金申請用の計画書で重視されるのは『実現可能性』です。
内容で重要なのは、『具体的な取組内容』と『その取組内容の有効性』です。

マーケティングに関する記載も重要です。
例えば、『事業再構築補助金』では、SWOT分析が、かなり重視されています。
他の補助金でも、SWOT分析を意識した記載が必要です。

付加価値などもきちんと試算しなければなりません。
そのため、価格の根拠・販売数の根拠なども、説得力のある説明であればあるほど、採択されやすいものとなります。

ポイントは、審査基準です。
審査基準に書かれていることは、基本的に全て漏れなく記載する必要があります。
漏れなく記載するのは当たり前ですから、その中で、『他社より丁寧に記載する』意識も重要です。

新規事業の企画書

新規事業の企画書で重視されるのは『実現可能性』ですが、この実現可能性は、補助金申請用の計画書とは、少し中身が異なります。

『企画書』という名称。
なぜ『企画書』と呼ぶのかと言えば、いわゆる『実施計画』が練られていない、コンセプト段階の”案”でも問題ないからです。

補助金の計画書では、実施計画まで練られていなければ、採択されません。
しかし、企画書で重視されるのは、「コンセプトが面白いか」「協力してみたいと思えるか」という部分です。
実際、企画会議などでは、『ブレスト』『走りながら考える』という言葉があるように、実現性を無視した案出しも存在します。

ただし、実際には、『どうやって実現するか』まで練られている方が、企画として優秀なのは言うまでもありません。
企画書を洗練させていくと、補助金計画書に似たような構成になっていきます。

投資を受けるための計画書

投資を受けるための計画書は、上記紹介した3つの、上位版というような位置づけになります。
ー事業内容
ーキャッシュフロー
ーマーケティング
この全てにおいて、高いレベルが求められます。

融資も補助金も、金融機関・補助金事務局は、申請者が赤字になろうと、大したことではありません。
金融機関は返済してくれれば問題ありませんし、補助金事務局は、条件さえ満たせば、赤字でも問題ありません。
そのため、審査では、事業の実現性・継続性を重視します。

一方の投資家は、投資効果が得られなければ、大損です。
投資先が赤字では、配当などの投資価値も得られません。
そのため、審査では、黒字可能性・収益可能性・IPO可能性等を重視します。

赤字でも問題ないか、黒字でなければならないか。
この説得ハードルの差は、かなりのものです。

さいごに

大半の創業者・経営者は、『事業計画』を立てようと思ったら、補助金申請をする/しないに関わらず、補助金計画書を作ってみたらよいと思います。
かなり勉強になりますし、頭の整理にもつながります。
加えて、融資などの計画書にも転用しやすいです。
頑張ってみてください。

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