洗濯日和

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コラム
 連休を襲った台風が東北沖に熱帯低気圧になって去っていきました。風が非常に強く、洗濯ができない天気が続いてしまいました。やっと洗濯ができるようになりましたが、皆さんのお住いの地域は被害などありませんでしたでしょうか。今日は洗濯にかかわる「」のお話。
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 最近の洗濯洗剤はとても少量できれいに汚れが落ちるようになり、酵素入りの洗剤も一般的になりました。酵素は化学反応を促進する働き(触媒作用)があるタンパク質で、洗剤に配合されている酵素は、主に納豆菌(枯草菌)、麹カビなどの微生物を培養して取り出すことにより製造されてます。酵素による化学反応の促進はとても驚異的で化学反応だけでは1年、10年かかるような反応も1秒、1分程度に短くすることもできます。
 微生物酵素を利用する利点としては動物由来、植物由来の酵素を利用するより微生物は増殖速度が速く安価に大量に培養できる点です。今日では遺伝子工学により、さまざまな特性をもつ酵素が製造されるようになってきましたのでさらに汚れが落ちやすくなった洗剤も発売されるかもしれません。
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 欠点としては酵素を細胞内から取り出すとき熱がかかると酵素が壊れてしまいやすい点です。
 私も細菌から酵素を取り出す実験を行いますが、細菌の細胞に超音波(眼鏡を洗う機械のようなもの)をかけて細胞を破砕して取り出します。熱が出てしまうので氷で冷やしながら行います。大量の酵素を取り出すのは大変ですが、べつの方法としては、とても高い圧力をゆっくりかけて細菌の細胞をつぶすという方法が利用されることもあります。ちなみに洗剤に利用される酵素は通常の水道水の温度から40℃の範囲で働くようにできていますので殺菌したいからと熱いお湯で洗濯物洗うと本来の働きをしなくなるかもしれません。

」は発酵食品に利用される以外は汚いと嫌われ者でありますが、世の中のキレイにも役立っていることを忘れないようにしていきましょう。
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