【記事公開】トンビの子中学受検するより、親子で取り組む学びのカタチ

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こちらは3月初旬富山市の小中学校で配布された
「ドリスポ」掲載記事を再掲載しています。

トンビの子に鷹の育て方をしました
はじめまして、関西在住のフリーライター・編集者の「トンビ」と言います。我が子の中学受検で学んだこと・親子関係について、インスタグラムやWEBメディアを中心に「トンビの子中学受検する」という名義で執筆しています。(※公立中高一貫校では受験ではなく、受検と表記します。)

今から数年前に我が子は無謀にも公立中高一貫校を受検し、
なんとか合格しました。

今の中学受検事情など何も知らない我らトンビ夫婦。鷹のような厳しい家庭学習をトンビの子(我が子)と一緒にすることで、目標を達成しました。もともと私たちトンビ夫婦は中学受検に関心がありませんでした。

が、ある日突然トンビの子が「中学受検したい。〇〇の学校に行きたい」と言ったことから、わが家の学びの物語は始まります。

塾なしで中学受検に挑むという決断

受検勉強は4年生の冬から始めて、ちょうど2年間ぐらい取り組みました。受検を始めるにあたって私たちは重要な決断をしました。それは「塾なし受検」というもの。

当時私は会社員で毎日残業・妻はフルタイムのパート社員という典型的な働く家庭でした。そのため、塾への「送迎」が難しく、通塾の時間を勉強に充てる方が効率的だという理由で、塾という選択肢をいきなり外しました。

夫婦ともに中学受験経験者でしたが塾なしが不安というよりも、「どう戦えばいいか」という知恵と工夫をめぐらす方向に、すぐシフトしていきました。塾通いをしない代わりに時間は確保できているわけですから。

親が参加する受検勉強とは

公立中高一貫校は入学金もなく、学費は地元の公立校とほぼ同じです。ただ勉強の進度は地元の公立校より圧倒的に早いです。学費はあまりかからず難関大学への進学率が高いため、魅力的な進路だと評価されています。

だからせめて中学受検には塾通いしてお金をかけてもいいとは思うのですが、どちらかというとわが家は時間の使い方を最優先したため「家庭学習」メインで受検に挑むこととしました。

家庭学習といってもやはりプロの力や受検情報は必要です。そこで大手の通信教育講座を受講し、毎月専用のテキストに取り組んできました。ここで大切なことは「親も受検の当事者」であるということです。

通信教育講座の解答・解説は丁寧ですが、子どもだけでは理解が追い付かないところもあります。難しいんですよね、本当に。そういったところは、必死で親が解説してきました。

小学校で習う範囲の限られた解き方・方法で挑む算数、長文読解といっても本文は哲学者や評論家が書いているような難解文章の国語、もう忘れてしまった歴史や地理、理由が正しく説明できない生物や化学・物理など、なにかと難問尽くしでした。

できる問題よりも、できない問題を

子どもに問題集を渡して「あとはやっておきなさい」、自走学習ともいわれるこのやり方には少し欠点があります。これでは、どの部分の考え方が間違っているのか、子どもだけでは気づきにくいのです。

私も妻も受検勉強の2年間は、毎日丸付けをしながら、解説を読み、自分でも解いてみて、解法を整理する。そして、子どもにレクチャーする、この繰り返しでした。親も積極的に関わるこの地道な学習スタイルが、トンビの子の学力底上げに大きく役立ったと思っています。

次第にできなかった問題がスラスラと解けるようになり、トンビの子も苦しいながらも勉強の楽しさを実感できるようになっていきました。これは受検勉強に限った話ではなく、そもそも勉強の楽しみというのは、「できないことが、できるようになっている」ということだと思っています。

この楽しさに気づくと、時間を忘れて没頭できるのです。やる気スイッチを探したり、押したりする必要はありません。机の前でテキストや問題集を広げると自然と勉強してしまう、これこそが受検で得た財産‐「学習習慣」だと感じました。

間違いは宝もの、間違いは宝さがし

勉強は「間違った問題は宝もの」「間違いは宝さがし」だといつもトンビの子には伝えてきました。ですが、なかなかわかってもらえずよく癇癪を起していました。これまでインスタグラムを通じて中学受検・受験に関する相談をたくさん受けてきました。

そのなかで、私たち家族と同様に「子どもが癇癪を起こす」という相談を多くいただいています。「できない問題があることが許せない」、このことは勉強に向き合う心構えとしては素晴らしいと思います。

ですが、癇癪を起すと
1)時間がもったいない、
2)集中力が落ちる、
3)できない問題ができないまま、

といった負のサイクルが発動します。勉強とはできない問題を見つけて、それらを整理して、できるようにしていく、この繰り返しです。この繰り返しが積み重なり、できる楽しみへとつながり「学習習慣」というものになるのです。間違いを見つけたらとても悔しいものです。

ですが、この間違いをクリアできた時に「よし、これでもっと成長できる」と思えれば大成功なのです。ここをサポートするのが親の役割です。サポートと言うと勉強を教えることだと思いがちです。

ですが、実は子どもたちが勉強の楽しみを感じられるよう、声掛けすることこそが大事なことだと思っています。子どもが学校で習ってきたことを興味深く聴く、それだけでも十分です。これは中学、高校へと進学しても親子でできる学びのカタチだと思っています。

そして、この「成長できる喜びを感じられるようになる」と、自分の人生を心の底から楽しめるようになると思うのです。ぜひ、我が子と一緒に勉強の楽しさや喜びを味わって欲しいと、思います。

書いた人:トンビ
関西在住フリーランスのコピーライター・編集者。インスタグラムを中心に「トンビの子中学受検する」を主催。勉強の取り組み方相談や作文添削教室も運営し、これまでに受けた相談は500件以上。座右の銘は「隣の青い芝生は眺めない」。

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