こんばんは。
いつもブログをご覧くださり、ありがとうございます。
突然ですが、みなさんは今日一日なにか変わったことはありましたか?
中には今日は大変な一日だった!という方もおられるでしょうが、多くの方は
普段通り、特に変わりない一日を過ごされたんではないでしょうか。
私もそう聞かれたら、普段通り特に変わりない一日でしたと答えると思います。
そこで、もし庭に植えてる梅のつぼみが少し大きくなってました!
と答えたなら、みなさんどんな反応をされるでしょうか?(;^_^A
へ~。あ、そうですか・・・・。よかったですね・・・・。
という感じになったりしませんか?(´;ω;`)
その気持ち私も激しく同意します!
しかしですね、これは仏教的に見ると、なかなかできる奴ではないか!
という見方もできるんです。
それはどうしてかというと、小さな変化に意識を向けているからなんです。
実際私は気付きもしませんでした。一緒に歩いていた同僚が梅の開花に気が付いたのです。
その後すぐに、は! としてやるなコヤツ!!と思ってしまったわけです。
ところで皆さんは、掃除って何の為にされてますか?
おかしな質問をしてますね。そんなの綺麗にするためですよね。
そうです。それは勿論なんですが、でもそれだけじゃないんです。
私がお寺に入りたての頃の話です。行事が控えていたので広範囲の掃除をしなければならなかったのです。
ですから、時間も限られているので効率を考えて掃除をしてました。
すると先輩に怒られたことがあるんです。
掃除は効率じゃない。手を抜かず一か所一か所丁寧に!!
私は内心非効率的でしんどいな~と思いながらも、先輩の指示に従いました。
しかし!あまりにも細かすぎる!!!
例えば掃き掃除や拭き掃除をするにも、細かい所まで隅々までやるんです。
障子のさんとか、回廊の木と木の隙間とか・・。
そこ意味あるっていうとこまで隅々です。まさに重箱の隅をつつくような。
掃除が終わったことを報告にいくと、色々とやり直しをさせられるのです。
座布団の方向が違うとか、机お置き場所が畳の縁にきちんとそっていないとか、硯石の角にわずかに残った墨が洗えてないとか・・・
そりゃずいぶんとイライラしたことを覚えています。
何故ここまでするんですか?って聞いても教えてくれないんです。
まあそんな感じの掃除を始めて二か月ほどたった時に、やっと掃除の本当の意味を教えてもらえたのです。
それは、毎日の変化に気付いていくこと。ささいな変化に気付くための修行と教えてもらったのです。
それを教える為に少し(かなりと思いますが)厳しめに指摘をしていたそうです。
でもそれを聞いた時に、すっと心に入ってきたんです。
確かに普通に掃除をしただけでは、そんな変化に目をとめていません。
座布団の方向や机の位置が変わっていれば誰かがその部屋を使ったことがわかります。それを戻すときにまた僅かな汚れに気が付いたりします。
掃き掃除も毎日やっていれば、塵の多い日、少ない日の違いや、雨風の強い日には決まって汚れやすい場所にも意識が向いてくるのです。
では、なぜ毎日の変化に気付くことが重要かというと、仏教における根本的理念の一つ、諸行無常に意識を向けることができるからです。
諸行無常とは、全てのものは一時として同じ形をとどめない。刻一刻と変化し続けているという真理です。
有名な『平家物語』の冒頭にも 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とあります。
盛者必衰の理こそが、諸行無常ということです。
仏教はこの諸行無常という真理を根本に、教義を説いています。
鴨長明の『方丈記』にも「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」とあり、これはより分かりやすく諸行無常を表していますね。
河の流れは一見同じ風景に見えますが、そこに流れている水は同じではない。一秒一秒違う水を目にしているのです。
これは仏教を学ぶ学ばないに関係なく、この世界に存在する全てにおいて共通する真理です。
私たちの生活においても、例外はないのです。
毎日の生活の中で、大きな変化は気付くことはできます。でも細かな変化にまでは気を留めることは、意識をしなければ絶対にできません。
人間の苦しみは変化しないと思っていることが変化することで生まれます。
ですから、世の中のものは変化して当たり前という意識をまず持たなければならないのです。
苦しみを生む根本に目を向けるのです。
この諸行無常が仏教の軸となります。
諸行無常という事実は変化しない唯一の真理です。
その意識付けのために私は掃除を通し教えられたわけです。
まあちょっと固くなっしまいましたが、大事なことなのでお許しください。
でもこれはみなさん無意識には理解している事なんです。
それを意識化して自覚していけば、世の中の色んな動きが法則性をもっていることが分かってきますよ。
そろそろ読み疲れてきたころではないでしょうか(;^_^A
次回は諸法無我についてお話します♪