人事制度

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ビジネス・マーケティング
 毎年春に社員の定期昇給を行う企業が多いと思います。その検討や準備に向けて、この時期に頭を悩ませている経営者や管理職も少なくないでしょう。社員ひとりひとりの昇給額を決めるには、社員の直近の業績や能力評価がベースになりますが、評価制度の仕組み自体に問題や課題を抱えている企業も多いはずです。

 弊社でも、毎年のように既存の評価制度に手を加え、社員の貢献度や能力をできるだけ客観的かつ公平に捉えることに努めてきました。何度も何度も見直しや改善に取り組んできました。それでもいまだに、次から次へと新たな課題や仕組み上の矛盾点などが発見されます。

 評価制度というのは目標管理制度と連携させることがあるほか、資格等級制度や賃金制度とも密接に連動しています。また、事務職・専門職・営業職では評価項目が異なり、管理職と一般職でも運用方法が分かれていることが多い。制度の構造としてはカテゴリーの階層の数が多いうえ、それに紐づくデータも多岐にわたる。それは人間の脳や神経が複雑な構造や働きを持っているのと似ているように感じます。

 また、弊社も含めて日本企業の大半が職能給という賃金制度のうえに成り立っています。しかしこれは旧来型の雇用・働き方に合わせた制度であり、現代においては非常に多くの矛盾を抱えています。かといって欧米型の職務給で運用できるかというと、これもクリアしなければならないハードルが極めて高い。どちらに寄せても問題があり、融合するのも不可能です。

 大企業でさえ、「これが正解」という人事制度を持っているところは存在しないのではないでしょうか。ましてや中小企業なら、その完成度は言うに及ばず。

 経営者も管理職も、制度に問題が見つかれば、何度でもそれを分解して点検し、より正しい形に組み立て直し、回してみる。それを愚直に繰り返す。社員のために、1ミリでも正解に近づけていく努力を続けるしかないと思います。
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