カウンセリングに関する理論

告知
学び
カウンセリングには代表的なアプローチとして、大きく4つの理論が存在します

1.精神力動論
2.自己成長論
3.認知行動論
4.特性因子論

系譜.png
※画像:日本マンパワー キャリアコンサルタント養成講座 テキスト3 P.3より引用

それぞれの理論の特徴と代表的な理論家、重要なワードをまとめてみました。
これからキャリアコンサルタントの試験を受ける方には、単語帳みたいな形で活用してもらえれば嬉しいです❣

--------------------------------------------------------------------------

1.精神力動論「過去から解放されるアプローチ」

主に精神分析に用いられる理論で、リビドー(性的欲求)やアグレッション(攻撃欲動)を含めて人の心を解釈するもの。
フロイト(1856-1939)
《重要ワード》
・局所論(意識、前意識、無意識)
・心理-性発達理論(口唇期、肛門期、男根期=エディプス期、潜在期、性器期)
・構造論(エス、自我、超自我)
アンナ-フロイト(フロイトの娘、1895-1982)
《重要ワード》
防御規制の種類
(抑圧、反動形成、分離、否認、投影、同一化、合理化、補償、置き換え、昇華)
ユング(1875-1961)
《重要ワード》
・分析心理学(少年期、青年期、中年期、老年期)
・人生の正午
中年期の危機(ミッドナイト・クライシス)
パールズ(1893-1970)
《重要ワード》
・ゲシュタルト療法
・今ここ
・未完の行為
エリクソン(1902-1994)
《重要ワード》
・斬成的発達理論
(乳児期:信頼vs不信⇒希望、幼児期:自律性vs恥・疑惑⇒意志
遊戯期:自主性vs罪悪感⇒目的、学童期:勤勉性vs劣等感⇒有能感
青年期:アイデンティティvs混乱⇒忠誠、前成人期:親密性vs孤立⇒愛
成人期:生殖性vs停滞⇒世話、老年期:統合vs絶望⇒英知)
レビンソン(1920-1994)
《重要ワード》
・成人発達理論(青年期→成人前期→成人中期→中年→老年期)
・人生半ばの過渡期
・安定期と移行期
--------------------------------------------------------------------------

1,5.精神力動論✖自己成長論

精神力動論の影響を受けながらも、自己成長論を取り入れた理論家。
アドラー(1870-1937)
《重要ワード》
・個人心理学
・目的論
・課題の分離
・劣等感
ハヴィガースト(1900-1991)
《重要ワード》
発達段階に対応する発達課題の概念を最初に提唱
レヴィン(1890-1947)
《重要ワード》
・社会心理学の父
・Tグループ
・グループダイナミックス
・B=F(P,E)
・境界人(周辺人)
キンズバーグ(1911-2002)
《重要ワード》
・職業発達の3段階(空想期、試行期、現実期)
・4つの要因(個人の興味、感情的要因、教育歴、現実との適合経験)
ブロンフェンブレンナー(1917-2005)
《重要ワード》
・生態学的システム理論
・マイクロシステム
・メゾシステム
・エクソシステム
・マクロシステム
岡本祐子
《重要ワード》
・アイデンティティのらせん式モデル
キーガン(1946~)
《重要ワード》
・自己と他者の軸をらせん状に成長
(具体的思考段階→道具主義的段階→他者依存段階→自己主導段階→自己変容・相互発達段階)
スーパー(1910-1994)
《重要ワード》
・ライフステージ(段階)とライフロール(役割)
・ライフキャリアレインボー
・キャリア決定のアーチ
-------------------------------------------------------------------------

2.自己成長論「気付きと学びのアプローチ」

悩みや問題を向き合うことを通しての「人間としての成長」
1人1人が自分を見つめ成長していくプロセスを重視する「人間性心理学」
「トランスパーソナル心理学」
ロジャーズ(1902-1987)
《重要ワード》
・クライエント中心療法
受容、共感、一致
グラッサー(1925-2013)
《重要ワード》
・現実療法
・基本的ニーズ
(生存のニーズ、所属のニーズ、力のニーズ、自由のニーズ、楽しみのニーズ)
・全行動
ビンスワンガー(1881-1966)
《重要ワード》
・現存在分析
フランクル(1905-1997)
《重要ワード》
・意味への意志
・ロゴテラピー
・逆説志向
・脱反省
ロローメイ(1909-1994)
《重要ワード》
・実存-人間性療法
・人間性心理学
シュロスバーグ(1929~)
《重要ワード》
・イベントとノンイベント
・4つのS
(状況、自己、支援、戦略)
ハンセン(1929~)
《重要ワード》
・人生の4つの役割をキルトに喩える(労働、愛、学習、余暇)
・統合的ライフプランニングの課題
(グローバルな視点、全体の中に織り込む、家族と仕事、
多元性と包括性、スピリチュアルティと人生の目的、
個人の転機と組織の変化、心や体の健康)
サビカス(1947~)
《重要ワード》
・キャリア構成理論(ナラティブアプローチ)
・キャリアストーリー(マクロナラティブとマイクロナラティブ)
・キャリアテーマ
・キャリアアダプタビリティ
(キャリア関心、キャリア統制、キャリア好奇心、キャリア自信)
シャイン(1928~)
《重要ワード》
・キャリアコーン(階層、職能、部内者化)
・キャリアアンカー
・キャリアサバイバル
ホール(1940~)
《重要ワード》
・プロティアンキャリア
・アイデンティティ
・アダプダビリティ
(適応コンピテンス×適応モチベーション)
・メタコンピテンシー(アイデンティティ×アダプダビリティ)
クラム
《重要ワード》
・組織内メンタリング
・キャリア的機能と心理・社会的機能

・フォーマルメンタリングインフォーマルメンタリング
マズロー(1908-1970)
《重要ワード》
・欲求5段階説
(生理的欲求→安全欲求→所属と愛情の欲求→自尊と承認の欲求→自己実現欲求)
--------------------------------------------------------------------------

3.認知行動論「練習するアプローチ」

動物実験等によって得られた行動主義が基盤にあり、「問題解決志向」「症状除去志向」、客観的に測定された「エビデンス・ベースト」によるカウンセリング。
エリス(1913-2007)
《重要ワード》
・ABC理論(感情は経験(出来事)によってではなく、信念によってもたらされる)
・非論理的信念=イラショナルビリーフ
ベック(1921-2021)
《重要ワード》
・認知の歪み
(選択的抽出、恣意的推論、過度の一般化、拡大解釈/過小評価、自己関連づけ、分極化思考)
スキナー(1904-1990)
《重要ワード》
・レスポンデント条件付け(パブロフの犬)-系統的脱感作法
・オペラント条件付け(ネズミの実験)-トークンエコノミー法、除外学習法、主張訓練(アサーション)、イメージトレーニング、モデリング、セルフコントロール法
クランボルツ(1928-2019)
《重要ワード》
・キャリア・デベロップメントは「とどまることのない学習プロセス」
・道具的学習経験
連合的学習経験
・ハップンスタンス・ラーニング・セオリー
(好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、リスクテーキング)
バンデューラ(1925~)
《重要ワード》
・社会認知的キャリア理論(SCCT)
・三者相互作用(個人的要因、環境的要因、行動)
レント、ブラウン、ハケット(3人で理論を発展させる)
《重要ワード》
・SCCTモデル
・自己効力感
・結果期待
ヒルトン
《重要ワード》
・意思決定の回路図
・前提と不協和
ジェラット
《重要ワード》
・合理的な意思決定(予測システム、評価システム、決定システム)
・積極的不確実性
ハーズバーグ(1923~2000)
《重要ワード》
・衛生要因動機づけ要因
ハーロウ(1905~1981)
《重要ワード》
・サルの知能テスト
・内発的動機づけ
デシ(1942~)
《重要ワード》
・アンダーマイニング効果
・エンハンシング効果
--------------------------------------------------------------------------

4.特性因子論「人と仕事をマッチングさせるアプローチ」

パーソンズが職業選択の現場で提唱した「3段階プロセス」「7つの項目」が基になっている。
ロー(1904-1991)
《重要ワード》
・早期決定論(パーソナリティ発達理論✖職業分類)
ウィリアムソン(1900-1979)
《重要ワード》
・カウンセリングの理論化
ホランド(1919-2008)
《重要ワード》
・6つのホランドタイプRIASEC(またはECRIAS)
(E:企業的、C:慣習的、R:現実的、I:研究的、A:芸術的、S:社会的)
--------------------------------------------------------------------------

5.その他

1~4とも複雑に絡み合いながら、独立した基盤となっている理論や療法
ここでは特にキャリアコンサルタントの学科試験対策として、抑えておいた方が良いものをピックアップしました。
【社会構成主義】
《概要》
カントやピアジェの提示した現実観を基礎に、デュルケームによって発展。
人が認識しているもの(行動、言葉、認知を含む全て)は、社会の相互作用により生成されていると考える。
・コクラン「ナラティブアプローチ」
・サビカス「キャリア構成理論」

が代表的なアプローチ。
【ポジティブ心理学】
《概要》
人間のネガティブな側面だけでなく、ポジティブな側面にも焦点をあてる
・セリグマン:ポジティブ心理学の父、ウェル・ビーイング理論、強みとしての特性
・ピーターソン:強みとしての特性
・チクセントミハイ:ウェルビーイング理論
【家族療法】
《概要》
・システムズアプローチ=家族を1つのまとまりとして、互いに影響を与えあう1つのシステムと捉える
・問題を起こす/問題を抱えた人=IP(患者とみなされた人)
・解決志向、スケーリングクエスチョン、ミラクルクエスチョン
【日本の理論家】
・森田正馬
(1874~1938)
森田療法、とらわれ、あるがまま、絶対臥辱
・吉本伊信(1916~1988)
内観法、集中内観、日常内観
--------------------------------------------------------------------------

6.最後に…

理論ごとに、さらに詳しく別の記事でまとめました。
(こちらは有料記事ですが、気になる方はぜひチェックしてみて下さい!)

フロイト
アンナ・フロイト
精神分析-その他の理論家(アドラーユング)
ロジャーズ
エリス
については、コチラ↓
アーロン・ベック
パールズ
スキナー
ウィリアム・グラッサー
特性因子理論(ローウィリアムソン)
については、コチラ↓
エリクソン
レビンソン
ロバート・キーガン
発達理論-その他の理論家(ハヴィガーストレヴィンキンズバーグブロンフェンブレンナー岡本祐子)
実存療法(ビンスワンガーメダルト・ボスフランクルロロ・メイヤーロム)
についてはコチラ↓
社会構成主義
ポジティブ心理学(セリグマンピーターソンチクセントミハイ)
家族療法
日本の理論家(森田正馬吉本伊信)
スーパー
については、コチラ↓
ホランド
クランボルツ
シュロスバーグ
ハンセン
社会認知的キャリア理論(バンデューラレントブラウンハケット)
については、コチラ↓
サビカス
シャイン
ホール
意思決定の理論(ヒルトンジェラット)
動機づけ理論(マズローハーズバーグハーロウデシ)
については、コチラ↓
私が学科試験に向けて行ったことは、コチラに全て書き出しました↓

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す