大人と子供の境目Ⅱ

記事
コラム
中学の恋愛事情は、至って普通だと私は思っている。
ファーストキスが10歳で相手が女の子。。。。
男の子とのファーストキスは13歳。
初潮も13歳から始まったが、定期的なものではなく
半年なかったり、1年後だったり・・・
おかしいなとは思いつつ、性的な事を聞くのはなんだか恥ずかしかった。

付き合った数と聞かれれば、無いといってよいのかな・・
自分からは好きになることが無い私。
それは、中学生特有の「芸能人」「アイドル」でも好きになる事はなかった。
この人の歌が好き、とか生き様が好き、顔が好み。とかはあっても
熱烈なファンになるほど好きにはならない。
だいたいの流れは
「月穂、好きなんだ。付き合ってくれ。」「いいよ」
そんな感じ・・同時に何人かくれば、一応相手にも伝えたうえで
同時に付き合った。なので、私としては彼氏と言うより
ボーイフレンドでしかなかった。
自分の物にしたがる相手は、すぐに切った。
手をつないだり、性的な事を求める相手もすぐに切った。
周りはどんどん、「初体験した」とか言うけど
私の中では、「初体験は結婚が決まってる人」などと真面目な考えがあった。
勿論、女の子とも付き合った。初めての彼女は一つ年下。
向こうから、付き合ってほしいと言われ 
最初は「言ってる意味わかってる?」とも思ったが、私は自分の感情に素直になった。一緒に遊び、ベッドで一緒に漫画を読み、時々交わすフレンチキス
ずっと抱きしめて髪を撫でていたこともあった。
それは、男性では得られない幸せなひと時だった。
かといって、それ以上進む気もない。
そこまで責任をとれるほど大人ではなかったから。
同性・異性関係なく年上からも可愛がられた。
生徒会長になってからは、朝の朝礼で全校生徒の前で挨拶をするため
勝手に名前を知られる事になってしまったのは言うまでもない。
「誰が、月穂を本気にさせるか」そんな噂を耳にしたが
「落とせるものなら落としてみろ」が本音だった。

そんなある日、深夜に電話がかかってきた。
地元でも勢力を増す 裏事情の組織の息子だった。
私より一つ年下。。
「なあ、俺の女になれや。」いきなり切り出す
「なんで?なるわけない。」
「俺の女になったら、全てが手に入るぞ。付き合って嫁になれや。」
「全てが手に入る?それがどうした?それに自分の力じゃないでしょ・・」
呆れた。人がすやすやと寝ているのに、わざわざ起こしてめんどくさい。
「俺に付き合ってくれって言われて、落ちなかった女いないぞ?」
「それが?眠いから切る!!」ガチャッ
ったく・・何様だよ・・・
次の日の朝方も電話が鳴った。
「なあ、俺のどこが気に入らない?」「「全部!!!」
「全部って何だよ!!てめー舐めてんのか!」
「お前こそ私を舐めてんのか。そこら辺の女と一緒にするな!
だいたい、非常識な時間に電話かけてきて一方的に付き合えって
頭おかしいの?」
「俺にたてつくのお前ぐらいだぞ?俺のバック知ってるよな?いう事聞けや」
「だから何?バックがいなきゃ何もできない?」
相手は笑いながら言った「ますます気にいった。絶対俺の嫁にする。」
はぁ・・・
バカを相手にしてると寝不足になる「おやすみ」そう言って電話を切った。
二日後、また電話がかかってきた。昼の時間だ。
「月穂、真面目に聞いてくれ。俺と付き合ってほしい。
今までの女は、俺の家(組織)があってほいほい付いてくるような女ばかりだった。でも、お前は違う。マジで惚れてる。付き合ってほしい。」
「あのさぁ、はいそうですかって付き合えないよ?第一あなたの事好きじゃないし。かっこいいとも思わない。私にも選ぶ権利がある。それに、組織とやらが私は嫌いだ。」
彼は豹変した、「てめー俺がここまで言ってるのにわかんねーのかよ!!
お前ひとりぐらい殺して海に捨ててもいいんだぞ!わかってのかコラ!!」
「やれるならやってみな?いいよ、殺せよ。お前と付き合うぐらいなら死んだ方がましだわ」私の中の何かが動き出した。
怖い物なんてなかった、死ぬことなんて怖くもなかった。
それより、自分で作り上げたものではなく 自分の境遇を武器に人をコントロールしようとする行為が許せなかった。
その感情は電話越しに相手に伝わったようだ。
沈黙のあと彼は言った。
「悪かったな、お前みたいな女は初めてだよ。その精神俺にも分けてくれ。」

きっと彼も弱いのだろう。自分が望んだわけでもなく、組織の子として
この世に生まれ。「坊ちゃん」と言われながら育ち。
大人の汚さも見てきただろう。逆に頑張れと言いたくなったが、言わなかった
彼にもプライドがあるだろうから・・

続きはまた明日・・
IMG_7258.JPG


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す